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ドイツの暮らしと子どもたち

5月のお祭りマイバウム / ホルンダーゼクト

 ドイツでは5月に祝祭日が多く、それぞれの地方で季節のお祭りが行なわれますが、南ドイツやカトリックの地域では、5月1日に祝われるマイバウム(Maibaum:5月の木)というお祭りがあります。

 このマイバウムを立てる習慣は、樹木に宿る精霊が病気や悪霊から家や家畜を守り、太陽と光と雨を招き、豊饒と繁栄をもたらすという民間伝承・樹木信仰から始まりました。

 バイエルン州の多くの地域では、午前中に教会でのミサに出席した後、人々は民族衣装に身を包み行列になって街中を歩きます。

 行列が終わると、その地域に住む男性たちがマイバウムを立ち上げ、みんな一緒にブロートツァイト(おやつ)を食べます。

 伝統として、5月1日の前日に若者達が隣の地域のマイバウムを盗むこともありました。そして、盗みに成功した若者達は、お祭りの日に返しに行った地域でブロートツァイトに招待される習慣がありました。

 

マイバウムのプレート

 マイバウムは、木の先の数本の枝以外をのこぎりで切り落とし、樹皮が剥ぎ取られた木です。木の先には新鮮な緑の枝で作られたリースが乗せられ、色とりどりのリボンで飾られます。また、その木の周りでは民族衣装を着た人々が踊ります。多くの場合、バイエルン州の旗の色である「青」と「白」のリボンが飾られます。

 

マイバウムのプレートから見える人々の暮らし

 手工業者は、自分の職業を示すツンフト(中世の同業組合)のシンボルであるプレートをマイバウムの左右に取り付けます。

 ミュンヘンの青空市場、ヴィクトアーリエンマルクトの中央には、年間を通してマイバウムが立てられていますので、旅行の際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

 また、5月といえばマリーエンケーファー(Marienkäfer:てんとう虫)の季節です。てんとう虫は、ドイツでは幸運のシンボルです。

 

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5月のレシピ:ホルンダーゼクト

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著者略歴

  1. 池谷潤子

    千葉明徳短期大学 保育創造学科 准教授。
    ドイツの森の幼稚園・保育者養成について関心がある。カール・オルフ研究所にて「音楽と動きの教育」を学び、総合的な表現教育をテーマにワークショップを行っている。

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