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Q.87「まずは何する? 英語の外部試験、対策はここから始めよう!」

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Q.87「まずは何する? 英語の外部試験対策はここから始めよう!」

英語にはたくさんの試験がありますが、試験対策にはまず何から始めればいいのでしょうか?私自身は英検かIELTSを受けようと思っていますが、参考書や問題集は洋書が多く、しかもいい値段するものがほとんどで、どれを買ったらいいのか悩んでいます。そもそも問題集をやるのがいいのでしょうか。試験対策の最初は何をするのが良いのでしょうか?(18歳、学生)

 

まずは自分に必要な試験を選び、自己分析から!

 英語試験はたくさんありますが、それぞれの試験には、その試験が測っている英語スキルの種類も違いますし、試験の結果をどのように使用するのかも違います。ご自身で、英語が上手く使えるようになったら何をしたいのか、英語試験の結果をどのように使用するのかを、まずじっくり考えてからそれに合わせた試験選びをすることが重要です。

 英語試験を受験する目的がいくつかあります。まず、各学校、大学で行われる入学者選抜試験の英語科の試験の代わりに公的な英語試験の結果を利用することもできます。様々な試験が利用されており、多くの学校では、広く検定試験として認知されている、実用英語技能検定(いわゆる英検)、IELTS、TOEIC、TOEFL、TEAP、GTECのうちのいずれか、あるいは複数が入学者選抜に利用されています。それぞれの学校がどの試験の利用を認めるかを定めているので、志望校が利用を認めている英語試験を知る必要があります。

資格試験の有効性

 大学に入学後も、英語試験を利用することができます。最近では、国際化を重要視している大学も多く、それに伴って、公的な英語試験の結果次第で、必修英語科目の履修を免除する大学も増えてきています。例えば、TOEICで730点以上のスコアを取得した学生は、必修英語科目を履修してもしなくてもよいという制度です。さらには、国際化により、英語で受講できる専門科目などの履修の条件の一つにしている大学もあります。たとえば、IELTS 6.0以上の学生のみ履修可能というような条件です。これらの制度や利用している英語試験も大学により様々ですが、上記に挙げた主な公的英語試験を利用している大学が多いようです。

 また、海外の大学、大学院に留学する際に、出願書類の一つに英語力の証明が必要になります。その目的でも英語試験の結果が利用されます。海外の大学では留学希望者の英語力を知るために、世界中のどこにでも受験できる試験や、試験結果の信頼性が高く評価されている試験が利用されることがほとんどです。多くの大学、大学院では、TOEFLとIELTSのいずれかのスコアを選考基準としていますし、一部の大学、大学院では英検の結果も提示すると、英語力の証明になることがあります。それも、日本の大学入学者選抜と同様、各大学で指定する試験を受験しなければなりません。

 学校以外でも英語試験の結果は利用されています。たとえば、就職活動、転職活動時に提示する英語力の証明です。各会社によって利用している英語試験が様々ですが、一般的にはTOEICや英検が主流なようです。多数ではないにしろ、TOEFLやIELTSのスコアの利用を認めている会社もあります。また、入社後、海外出張、海外駐在、昇進などの条件に英語試験を用いたり、一定以上の英語力を証明することで手当を支給したり、逆に国際化を進めるために英語試験を導入し、たとえば、社員全員がTOEIC600点以上を取得することを目標にするといったような取り組みをする会社もあります。

 ここまで、英語試験を受験する目的や理由について紹介しましたが、それが最も重要なポイントです。英語試験を受験すること自体を目的にするのは得策とは言えません。受験すれば目的が達成できてしまうからです。試験結果をどのように利用するのか、生かすのかをじっくり考えて、まずは、自分にとって最も受験する価値のある試験を選びましょう。

 

まずは問題集から手をつける

試験を選んだら、最初にオススメするのは、問題集を使った対策です。本番の試験と同様の問題数を、複数回分収録した問題集で、解説が詳しく書かれているものを使用しましょう。そして、飲み物休憩も、時間延長も無しに、もちろん辞書やネット使用など一切せずに、本番と全く同様の条件で、1セット分受験してみましょう。その間、試験開始から終了まで確実に一人になれる時間を選ぶのがコツです。

 制限時間が来たら、まだ解答も解説も見ずに、同じセットを今度はじっくり時間を掛けて受験します。何日も掛けてじっくり解くのもいいでしょう。ただし、解答、解説はまだ見ず、参考書や辞書も何も使用せず、あくまでも実力で受験します。このように2回目の受験を終えたら答え合わせしてみます。2回目の結果が現在の実力で出せる最高のスコアで、1回目と2回目のスコアの違いは解く速さによる差です。この差が大きい場合には、解く速さを磨くべきですし、差があまりないようでしたら、不正解だった問題の解説を徹底的に読み込んで、知識も語彙も伸ばしましょう。この際に解説の理解ができないと意味がないので、解説は詳しく書かれている方が役立ちます。

 このように、受験すべき試験が分かりさえすれば、問題集で自己分析をし、苦手な部分を克服していくのが試験対策には適しています。TOEIC、TOEFL、IELTSなどは易しい問題から難しい問題まで混在しているので、多くの問題が解けなくても心配する必要はありません。自己分析によって弱点がわかったら、そこから対策していきましょう。

 

 

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著者略歴

  1. 横本 勝也

    上智大学 言語教育研究センター 准教授
    カリフォルニア州立大学サクラメント校大学院 修了(MA in TESOL)
    ブリストル大学TESOL/Applied Linguistics博士課程修了 (教育学博士)
    専門は、第二言語習得、英語発音教育。
    著書に、『TOEIC TEST鉄板シーン攻略 文法・語彙』(Japan Times)、『究極の英語ディクテーション Vol. 1』(アルク)、『2カ月で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト 730点! 残り日数逆算シリーズ』(共著、アルク)、などがある。

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