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答えは風のなか

タケオの遠回り(その2)


 次の日の夕方、僕〔ぼく〕はウチに帰ったあと、一人で歩いて平〔へい〕和〔わ〕銀〔ぎん〕座〔ざ〕に出かけた。ゆうべの両親の話を聞いて、どこの店にひどいチラシが貼〔は〕ってあるのか確〔たし〕かめたかったのだ。
 商店街はあいかわらず閑散〔かんさん〕としていた。ただし、のどかな雰〔ふん〕囲気〔いき〕はすっかり消え失せてしまった。
 どこを見ても、店先や電柱に貼られたチラシの〈絶対〔ぜったい〕反対〉の文字が目に飛び込〔こ〕んでくる。事〔じ〕情〔じょう〕を知っている人はもちろん、なにも知らない人にも商店街にたちこめる重苦しさが伝わって、とても買い物を楽しむ気分にはなれないだろう。
 あんなビルの建設〔けんせつ〕計画さえなければ、いままでどおり、さびれていても、温かい商店街でいられたはずなのに。
 あの会社が金儲〔かねもう〕けを狙〔ねら〕ったせいで――というのは、僕も思う。あの会社の社長が「あっち」の出身だろうと、そうでなかろうと。
 でも、「もしも」の話を、ふと思った。
 ビルに入る店はそのままでも、もしも計画を立てた会社が名門の大〔だい〕企〔き〕業〔ぎょう〕だったら、平和銀座のみんなは、いまみたいに〈絶対反対〉のチラシをこんなにべたべたと貼っただろうか。
 重苦しさがさらに増〔ま〕す。
 この商店街を少しずつ嫌〔きら〕いになっていることに、僕は自分でも気づいていた。
 しばらく歩いて、僕の足は止まった。
 探〔さが〕していたチラシがあった。
〈早く出て行け!〉
 ここにだけは、あってほしくない。そう願っていた場所で見つけてしまった。
「あっち」から来た人たちの居場〔いば〕所〔しょ〕を奪〔うば〕い去ろうとするチラシは、『やまちゃん』の店先に貼〔は〕ってあったのだ。
 おじさんは外からも見える厨〔ちゅう〕房〔ぼう〕で揚〔あ〕げものをしていた。冬場でも揚げ場は暑いのだろう、肌〔はだ〕着〔ぎ〕の丸首シャツ一枚〔まい〕で、タオルをねじり鉢〔はち〕巻〔ま〕きにして、黙々〔もくもく〕と菜箸〔さいばし〕を動かし、揚〔あ〕げ網〔あみ〕を揺〔ゆ〕すって油切りをする。
 揚〔あ〕げているのは『やまちゃんボール』だった。夕食前の書き入れ時に備〔そな〕えて、つくり置きしているのだろう。
 揚〔あ〕げ網〔あみ〕で油を切った『やまちゃんボール』をバットに移〔うつ〕したおじさんは、仕事にひと息ついて顔を上げ、不意にこっちを見た。とっさに歩きだそうとしたけど、足がすくんで動かない。そっぽを向いて視〔し〕線〔せん〕をかわすこともできなかった。
 おじさんは僕〔ぼく〕に気づくと、よお、と笑った。僕はしかたなく、小さく会〔え〕釈〔しゃく〕をした。そのまま立ち去ろうとしたけど、おじさんは挨拶〔あいさつ〕だけではすまず、店の外に出てきた。



 にこにこ笑っている。小太りで、丸顔で、髪〔かみ〕がちょっと薄〔うす〕くて、細い垂〔た〕れ目が笑うといっそう細くなり、眉〔まゆ〕毛〔げ〕ごとさらに垂れ下がって……僕とタケオはこっそり「マンガ顔」と呼んでいた。
 そんな人なつっこいおじさんの顔を、いまはまともに見られない。
「ひさしぶりだなあ、元気だったか?」
 おじさんは笑って言った。でも、僕はうつむいた顔を上げられない。必死に頬〔ほお〕をゆるめて笑い返したけど、おじさんには見えなかったかもしれない。
「最近ずっと顔を見てなかったから、心配してたんだぞ。どうしたんだろう、病気にでもなっちゃったかなあ、って」
 優〔やさ〕しい人なのだ、おじさんはほんとうに。
「相棒〔あいぼう〕の子も元気か?」
 タケオのこと――。
「二人ともウチの前を通らなくなったから、おじさん、寂〔さび〕しかったんだぞお」
 おどけて身をくねらせる真似〔まね〕をしたおじさんは、がははっと豪快〔ごうかい〕に笑ってから、「ちょっと待ってろ」とショーケースの裏〔うら〕に回った。
 明るい人で、陽気な人で、誰〔だれ〕かに向かって「早く出て行け!」と言ったりするような人では決してない……はずだったのだ。
 おじさんはバットに山盛〔も〕りされた『やまちゃんボール』にトングを伸〔の〕ばし、惣菜〔そうざい〕袋〔ぶくろ〕に一つ放り込〔こ〕んだ。僕〔ぼく〕がそれを見ているのを確〔たし〕かめると、いたずらっぽく目配せして、もう一つ。さらに、串〔くし〕に刺〔さ〕したウズラの卵〔たまご〕のフライも、うやうやしい手つきで袋〔ふくろ〕に入れてから、外に出てきた。
「おやつにしろよ。ひさしぶりだから、おまけ付きだ」
「……ありがとう」
 受け取った惣菜〔そうざい〕袋〔ぶくろ〕は、ほんのりと温かかった。袋の口に封〔ふう〕をするのにシールやテープを使わず、何重にも折り畳〔たた〕んで、そこを持ち手にするのが『やまちゃん』の流〔りゅう〕儀〔ぎ〕だ。
「野菜がないからお母さんにはナイショだし、おやつを食っても、晩〔ばん〕ごはんはちゃんとしっかり食べるんだぞ」
 おじさんは、いつもの台詞〔せりふ〕を、いつものように笑顔で言う。でも、おじさんは、もう、いつもの――いままでのおじさんではない。
「相棒〔あいぼう〕の子もいればよかったのになあ。べつにケンカしたわけじゃないんだろ? 今度また一緒〔いっしょ〕に商店街を通って帰ればいいし、遊びに来てもいいんだからな」
「……はい」
「ああそうだ、ボク、名前なんていうんだっけ。顔しか知らないからなあ」
 一〔いっ〕瞬〔しゅん〕、胸〔むね〕が跳〔は〕ね上がりそうになった。
 だいじょうぶ、オレ関係ないから、と自分に言い聞かせ、安心させて、苗〔みょう〕字〔じ〕を口にした。
「……スギモト、です」
 おじさんは「おっ、カッコいいな」と笑った。そんなの、誰〔だれ〕にも言われたことがない。おじさんも適当〔てきとう〕に調子良く言っただけなのだろう。
 それよりも――「相棒〔あいぼう〕の子は?」と訊〔き〕かれたらどうしよう。タケオの苗〔みょう〕字〔じ〕を伝えて、もしもおじさんの表情〔ひょうじょう〕が変わったら、僕〔ぼく〕はいったいどうすればいいのだろう。
 胸がまた跳ね上がる。しかも、何度も。
 そこにちょうど、お客さんがお弁当〔べんとう〕を買いに来た。
 おじさんは「じゃあな、スギモトくん、しっかり勉強しろよ」と笑って、小走りに店に戻〔もど〕った。
 僕はその背〔せ〕中〔なか〕に会〔え〕釈〔しゃく〕して、惣菜〔そうざい〕袋〔ぶくろ〕の持ち手を強く握〔にぎ〕りしめた。
 ほっとするのと同時に、後悔〔こうかい〕が湧〔わ〕き上がってきた。
 どうして受け取ったのだろう。「こんなの欲〔ほ〕しくない」と断〔ことわ〕ればよかったのに。受け取ったあとで放り投げてもよかったのに。いま、袋の上から『やまちゃんボール』を押〔お〕しつぶして、捨〔す〕てて帰ることだってできるのに。受け取ってしまった。お礼まで言ってしまった。
 まだ間に合う。いまから捨てればいい。おじさんの見ていないところでこっそり捨てればいい。こんなもの、もらう理由がないし、食べても美味しくないし、とにかくタケオに申し訳〔わけ〕ない。タケオはイカのすり身のぷりぷりした食感を気に入っていて、僕よりもずっと『やまちゃんボール』の大ファンで、だからこそ、こんなものをもらってはいけなかったのだ。
 でも、なにもできないだろう。自分でもわかる。僕はこのまま惣菜〔そうざい〕袋〔ぶくろ〕を持って商店街を抜〔ぬ〕け、公園のベンチで『やまちゃんボール』とフライを食べるだろう。タケオがいれば半分ずつにできたけど、一人分のおやつとしては多すぎるので、晩〔ばん〕ごはんのときは残さないようにがんばって食べるだろう。『やまちゃん』でおやつをもらったことや、店先にひどいチラシが貼〔は〕ってあったことは、両親にもタケオにも話さないだろう。もしもタケオの苗〔みょう〕字〔じ〕を教えたら、おじさんはどんな顔になって、どんなことを言ったのか。僕はこれからずっと、おとなになっても、それをときどき思いだして、いろいろなことを考えてしまうだろう。
 
∗
 
 すべて、そのとおりになった。
 
∗
 
『やまちゃん』から、とぼとぼとした足取りでまた歩きだした。胸〔むね〕に抱〔だ〕いた惣菜〔そうざい〕袋〔ぶくろ〕の温〔ぬく〕もりを持て余〔あま〕しながら何軒〔なんげん〕か進むと、僕〔ぼく〕の足はまた止まってしまった。
『コジマ薬局』の前だった。白衣を着たおばさんが、店の中に置いたストーブを囲〔かこ〕んで、客のおばあさんと話している。二人とも丸〔まる〕椅子〔いす〕に腰〔こし〕かけているので、のんびりと世間話をしているのだろう。
 でも、ガラス張〔ば〕りの壁〔かべ〕に貼〔は〕られた風邪〔かぜ〕薬や胃〔い〕薬のポスターの横には、ビルの社長が二つの名前を持っていることを暴〔あば〕き立てるチラシが貼〔は〕ってあった。
 さらにその隣〔となり〕には、こんな手書きの紙も――。
〈にわか雨でお困〔こま〕りの方、遠慮〔えんりょ〕なく声をかけてください。傘〔かさ〕をお貸〔か〕しします〉
 
∗
 
 セイタカアワダチソウが、生態系〔せいたいけい〕を破〔は〕壊〔かい〕する悪者扱〔あつか〕いされていた時代は、それほど長くはなかった。
 僕〔ぼく〕が小学校を卒業した一九七〇年代後半には社会問題になっていて、気〔き〕管〔かん〕支〔し〕喘息〔ぜんそく〕や花〔か〕粉〔ふん〕症〔しょう〕の原因〔げんいん〕だと誤〔ご〕解〔かい〕までされて、とにかく徹底的〔てっていてき〕に忌〔い〕み嫌〔きら〕われていたのだが、十年ほどたって時代が平成になった頃〔ころ〕には、繁〔はん〕殖〔しょく〕の勢〔いきお〕いはずいぶん衰〔おとろ〕えてしまった。
 土が痩〔や〕せた。ちょうど根を張〔は〕る深さの土に栄養を蓄〔たくわ〕えてくれていたモグラやネズミが、開発や農薬の使用のために激減〔げきげん〕してしまうと、もうそれまでのようには勢いよく育つことができなくなったのだ。
 他の植物の生長を邪〔じゃ〕魔〔ま〕する化学物質〔ぶっしつ〕も、分泌〔ぶんぴつ〕されて土に染〔し〕み込〔こ〕み、ある濃〔のう〕度〔ど〕を超〔こ〕えると、今度はセイタカアワダチソウ自身に障〔しょう〕害〔がい〕を与〔あた〕えるようになる。つまり、人間が大騒〔おおさわ〕ぎしようと放っておこうと、そもそもセイタカアワダチソウの天下は永遠〔えいえん〕に続くものではなかったのだ。
 セイタカアワダチソウが勢〔いきお〕いを失った河原〔かわら〕では、再〔ふたた〕びススキが広がっている。僕〔ぼく〕のふるさとの河原もそうだ。
 コスモス畑は平成の後半には市の観光の目玉に位置付けられて、どんどんスペースが広げられた。最近は市内や県内はもちろん、遠くの大〔だい〕都市〔とし〕圏〔けん〕からもお客さんがたくさん来るのだという。セイタカアワダチソウはいまも秋になると黄色い花をつけているが、もはや目くじらを立てて刈〔か〕り取るほどの邪〔じゃ〕魔〔ま〕ものでもない。
「コスモスの赤紫〔むらさき〕色に、セイタカアワダチソウの黄色って、けっこうきれいなんですよ」
 何年も一人暮〔ぐ〕らしを続けてきた母が、いまお世話になっている特別養護老人ホームの介〔かい〕護士〔ごし〕さんは、そう言って屈託〔くったく〕なく笑うのだ。
 
∗
 
 十二月に入ると、陽が暮〔く〕れるのはさらに早くなり、雑〔ぞう〕木林〔きばやし〕で遊んでいると明るいうちに家に帰り着けなくなってしまった。
 タケオは新しい遠回りのルートを探〔さが〕してきた。今度は途〔と〕中〔ちゅう〕で遊ぶ場所はない。代わりに、目の詰〔つ〕まったあみだくじみたいに、細い路地をジグザグに曲がるのだという。
「途〔と〕中〔ちゅう〕で、庭の柿〔かき〕がたくさん成ってる家があるんだよ」
 でも、もちろん、その柿を採〔と〕って食べるわけにはいかないし、この時季まで実が残っているのは渋柿〔しぶがき〕なのかもしれない。
「あと、大きな犬を飼〔か〕ってる家がある。すぐ吠〔ほ〕えるけど、太い鎖〔くさり〕で繋〔つな〕がれてるからだいじょうぶ」
 怖〔こわ〕いだけで、ちっとも面白くない。
「それと、あとは……あとは……」
 タケオも言葉に詰〔つ〕まって、「とにかく行けばわかるよ、行こう」と言った。
 細い路地なら、電柱や壁〔かべ〕に貼〔は〕ったチラシを目にしなくてすむ。
 僕〔ぼく〕は笑ってうなずいて、一緒〔いっしょ〕に歩きだす。
 角を何度も曲がった。右折と左折を細かく繰〔く〕り返したので、いまどっちの方角に向かっているのかわからなくなってしまった。
 タケオは先に立ってずんずん進む。迷〔まよ〕ったり記〔き〕憶〔おく〕をたどったりというそぶりもなく、歩きつづける。
 最初は複雑〔ふくざつ〕な道順をしっかり覚え込〔こ〕んでいることにびっくりしたけど、やがて、もしかしたら……と思いはじめた。タケオは思いつくまま、なんのあてもなく曲がっているだけなのかもしれない。
 まあいいか、と僕はタケオの後を追って歩きつづけた。
 また曲がった。
 すると、道は袋〔ふくろ〕小〔こう〕路〔じ〕になってしまった。
 タケオは舌〔した〕打〔う〕ちして僕を振〔ふ〕り向くと「悪い……」と謝〔あやま〕った。「おかしいなあ、間〔ま〕違〔ちが〕えちゃったかなあ、うっかりしちゃったよ」
 やっぱりな、と確信〔かくしん〕した。他のみんなはともかく、僕とタケオなら、口調や表情〔ひょうじょう〕で嘘〔うそ〕かどうかはわかる。僕たちは幼〔おさな〕なじみで、クラスで一番の仲良しで、あと半年足らずで中学生になるのだから、そろそろ「親友」にもなれるのだろう。
「べつにいいよ。さっき曲がったところまで戻〔もど〕ろう」
 笑って言うと、タケオは「そうだな」と笑い返し、でも歩きだすことはなく、立ち止まったまま言った。
「言うの忘〔わす〕れてたけど、オレ、三学期から転校する。父ちゃんが転勤〔てんきん〕になったから、引っ越〔こ〕しなんだ」
 引っ越す先は遠い街だった。僕〔ぼく〕たちの街よりずっと大きくて、この国で何番目という大都会だ。
 急に言われて、僕はただ驚〔おどろ〕くだけでなにも言えなかった。
 タケオは逆〔ぎゃく〕に、話す内容〔ないよう〕や順番を最初から決めていたみたいに、落ち着いて続けた。
「オレ、知ってたから」
「……なにが?」
「オレの名前とか、国籍〔こくせき〕とか、三組のヤツらみんなウワサでしゃべってただろ。わかるんだよ、そういうの、意外と」
 タケオは「みんな」という言い方をした。「おまえら」や「ヒロシたち」ではなく、責〔せ〕めるような目付きでもなかった。勝手に気まずくなった僕が謝〔あやま〕ろうとしたら、「いいんだよ、べつに怒〔おこ〕ってるんじゃないから」と言って、さらに続けた。
「平〔へい〕和〔わ〕銀〔ぎん〕座〔ざ〕で、どんな人がどんなことを言ってるのかも、わかってる」
 全然あそこ平和じゃないよなあ、と付け加え、つまらなそうに笑い、ゆるんだ頬〔ほお〕をすぐに引き締〔し〕めて、言った。
「オレのほんとの名前、教えてやる」
 口にした苗〔みょう〕字〔じ〕は、あのビルのオーナーの社長のホンモノの苗字と同じだった。
 僕は黙〔だま〕って小さくうなずいた。それ以外の反応〔はんのう〕はなにもできなかった。以前から思っていたとおり、僕は頭でも心でも、ほんとうはなにもわかっていなかったのかもしれない。
 表情〔ひょうじょう〕をなくした僕に、タケオは笑って「いいんだよ」と言って、歩きだした。
 路地を歩きながら、話は続く。
 タケオの父方の祖父母〔そふぼ〕は、四十数年前に隣〔となり〕の国から海を渡〔わた〕ってきた。この国で出会い、結婚〔けっこん〕をして、タケオの父親が生まれた。
「だから、父ちゃんは、自分の国なのに『あっち』に行ったことがないんだ」
 一方、母親は二十年ほど前――だから戦争が終わったあと、両親とともに隣〔となり〕の国から移〔うつ〕り住んだ。
「だから、母ちゃんはいまでも『あっち』のことが懐〔なつ〕かしくて、たまに帰りたがるよ」
 そんな両親の子どもであるタケオは――。
「よくわかんないよ」
 そう言ったあと、「全然わかんない」と強めて繰〔く〕り返し、「だってオレ、『あっち』のことなんて知らないし、『あっち』の言葉もしゃべれないのに、国籍〔こくせき〕は『あっち』なんだもんなあ……」と笑った。
 僕〔ぼく〕は笑い返せない。でも、黙〔だま〕ったままでいると胸〔むね〕に蓋〔ふた〕をされて息苦しくなってしまいそうだったので、かろうじて、一つだけ訊〔き〕いた。
「自分でも、前から知ってたの?」
「そんなことない。けっこう最近だよ。三年生のときになんとなく聞かされて、四年生のときにはもっと詳〔くわ〕しく説明してもらって、ああ、そうなんだ、って……」
 四つ角に来て、曲がった。
「まあ、ショックはショックだったけど、昔からときどき、じいちゃんやばあちゃんは知らない言葉でしゃべってたし、父ちゃんや母ちゃんもおとな同〔どう〕士〔し〕のときは『あっち』の言葉が出てたから……食べるものとか、お正月の行事とか、いろんなことが、ああ、そういうことだったのか、って……」
 タケオは淡々〔たんたん〕と話した。自然とその口調になったのか、そうやって話そうと自分で決めていたのかは、わからない。
 四つ角を曲がる。
「言っとくけど、転校するのは、平〔へい〕和〔わ〕銀〔ぎん〕座〔ざ〕の話とは関係ないから」
 次の角を、また曲がる。
「平和銀座のビルと、オレんち、なんの関係もないから」
 笑う。
 その次の角を、曲がる。
「関係ないって言ったら、オレがどっちの国でも関係ないんじゃない? ヒロシには関係あるの?」
 すぐには答えられなかった。
「……そんなの、ないよ」
 それだけでは不安で、「あるわけないだろ」とも付け加えてしまった。よけいなことだった。すぐに悔〔く〕やんだ。でも、もう遅〔おそ〕い。
 タケオは、ふうん、と言った。ほかにはなにも言わなかったし、表情〔ひょうじょう〕も変わらない。
 その瞬〔しゅん〕間〔かん〕、タケオがすごくおとなになったような気がした。
「オレ、中学になったら、名前を元に戻〔もど〕す」
 角を曲がる。
「父ちゃんと母ちゃんは反対なんだけど、じいちゃんとばあちゃんは、元に戻すのをすごく喜〔よろこ〕んでくれた」
 変えるのではなく、元に戻す、と言った。
 そうなんだな。それはそうだよな。頭でも心でもなく、すとん、と腑〔ふ〕に落ちた。
「悪いけど、転校するまでは、いまの名前だから。話、合わせてくれる?」
 角を、また曲がる。
「ごめんな、こういうのヒロシにしか言えないから」
 僕〔ぼく〕を特別な友だちとして認〔みと〕めてくれた。
 でも、ヒロシはここまでだから――と、見〔み〕限〔かぎ〕られ、切り捨〔す〕てられてしまったのかもしれない、とも思った。
 さらに角を曲がった。すると、細い路地の先に、広い通りが見えた。すぐにわかった。平和銀座だ。タケオも気づいたのだろう、ずんずん進んでいた足取りが微〔び〕妙〔みょう〕に揺〔ゆ〕らいだ。
 もしもタケオが立ち止まったら、僕はすぐに「こっちじゃないだろ」と声をかけて、強引でもいいから引き返すつもりだった。それが僕にできる精一杯〔せいいっぱい〕のことだと思うから。
 でも、タケオは歩きつづけた。
 一瞬〔いっしゅん〕だけ足取りが揺〔ゆ〕らいだことで、かえって覚〔かく〕悟〔ご〕を決めたのか、歩き方はどんどん力強くなって、路地から平和銀座に出たときには、まるで行進のように胸〔むね〕を張〔は〕り、腕〔うで〕を振〔ふ〕って、まっすぐに前を見据〔みす〕えて――その先には、『やまちゃん』があった。

『やまちゃん』の店先では、おじさんとおばさんが忙〔いそが〕しそうに接〔せっ〕客〔きゃく〕をしていた。
 特におじさんは、惣菜〔そうざい〕をハカリに載〔の〕せたり会計をしたりと手を休みなく動かしながら、「らっしゃい、らっしゃい、本日、かぼちゃと揚〔あ〕げものサービスデー、マカロニサラダも増〔ぞう〕量〔りょう〕だよ!」と呼〔よ〕び込〔こ〕みまでする。
 ほんとうに働き者で、元気で明るくて、子ども好きで……でも、おじさんが背〔せ〕にした壁〔かべ〕には〈お買い得〔どく〕・かぼちゃそぼろ煮〔に〕(挽〔ひ〕き肉たっぷり)〉〈特売・かぼちゃ天ぷら〉〈大〔おお〕盛〔も〕り無料・マカロニサラダ〉〈コロッケ本日5コにつき1コ追加〉の短冊〔たんざく〕と並〔なら〕んで、まだ〈早く出て行け!〉のチラシが貼〔は〕ってある。
 僕〔ぼく〕とタケオは店の前に差しかかった。おじさんが接〔せっ〕客〔きゃく〕に気を取られているうちに通りすぎたい。僕の足取りは自然と速くなった。
 ところが、タケオは店の正面で立ち止まった。顔も店のほうに――おじさんや、チラシに向けた。じっと見つめる。おじさんとチラシのどちらかは、わからない。ただ、黙〔だま〕って、顔をぴくりとも動かさずに見つめつづける。
 僕は声をかけられず、タケオを残して立ち去ることもできず、その場にたたずむしかなかった。
 おじさんが気づいた。仕事の手がふさがっているので、ショーケース越〔ご〕しに「おっ、ひさしぶりにコンビ復活〔ふっかつ〕だなあ」と声をかけてきた。
 僕はぺこりと頭を下げた。挨拶〔あいさつ〕は返した。あとはもう、そのまま歩きだせばいい。
 でも、タケオは動かない。返事も会〔え〕釈〔しゃく〕もせず、じっと見つめる。
 なにを見ているのだろう。ほんとうに。おじさんなのか、チラシなのか、一緒〔いっしょ〕に視〔し〕界〔かい〕に収〔おさ〕めているのか、じつはそのどちらでもないのか。わからない。僕はタケオではない。どんなにそばにいても、タケオが見ているものは僕にはわからないし、考えていることもわからない。タケオが二つの名前と、どんなふうに付き合ってきたのかも。これからどんなふうに付き合っていくのかも。
 おじさんは「どうした?」と声をかけてきた。「お母ちゃんになにか買い物でも頼〔たの〕まれたのか?」
 僕〔ぼく〕はあわてて首を横に振〔ふ〕ったけど、タケオは反応〔はんのう〕すらしない。
 おじさんはちょっと困〔こま〕った笑顔になって、目をぱちぱちと瞬〔またた〕いた。怪〔け〕訝〔げん〕そうに、さらになにか言いかけたとき、ショーケースの前のおばあさんが量り売りの煮〔に〕物〔もの〕を注文した。
 おじさんはかがみこんで、ショーケースのバットから煮物を取り分ける。
 この隙〔すき〕に立ち去ろう。僕はタケオに「行こうか」と声をかけた。
 それでも、タケオはまだ動かない。おじさんに文〔もん〕句〔く〕を言いたいのだろうか。チラシをはがしてほしい、と訴〔うった〕えたいのだろうか。でも、そんなことをしたら、タケオはかえって悲しい思いをしてしまいそうな気がする。
「なあ、そろそろ行かない?」
 返事はない。横顔も動かない。
「……おじさんと、なにか話があるの?」
「ない」
 初めて口を開いた。短く、ぴしゃりとした一言だった。
「だったら行こうよ」
 僕はわざと怒〔おこ〕った言い方をして、タケオの上着の袖〔そで〕を引っぱった。タケオは黙〔だま〕って僕の手を振〔ふ〕り払〔はら〕う。
 そのときだった。
「ああ、そうかあ、わかったぞ」
 おじさんの上〔じょう〕機〔き〕嫌〔げん〕な声が聞こえた。煮〔に〕物〔もの〕を容〔よう〕器〔き〕に移〔うつ〕して体を起こし、容器をハカリに載〔の〕せながら「わかったわかった」と言って、含〔ふく〕み笑いで僕たちを見る。
「おやつだろ?」
『やまちゃんボール』が欲〔ほ〕しくて立ち去らないのだと、勘違〔かんちが〕いされた。
 おじさんは「煮〔に〕っころがし二百グラムちょうどね」と、ハカリから降〔お〕ろした煮物を袋〔ふくろ〕に入れて、おばあさんに渡〔わた〕す。
 会計をしながら、「いやあ、悪い悪い」と、また僕たちに話しかける。「ごめんな、今日は忙〔いそが〕しいし、サービスデーで売り切れになりそうだから、また今度だ。今度は今日のぶんも足してやるからな」
 おじさんが「証〔しょう〕人〔にん〕もたくさんいるからな」と笑うと、他のお客さんも笑って僕たちを見た。みんなにこにこして、優〔やさ〕しそうで、でもみんなの背〔はい〕後〔ご〕には、あのチラシが見える。
 おじさんはすぐに、次の接〔せっ〕客〔きゃく〕にかかった。
 タケオもようやく歩きだした。
 僕も隣〔となり〕に並〔なら〕んで、言った。
「おじさん、勝手に誤〔ご〕解〔かい〕するんだもんなあ、ひどいよな」
 タケオの返事はない。僕も最初からそうだろうなと思っていた。

 僕〔ぼく〕たちは黙〔だま〕って、並んで、歩きつづけた。
 すれ違〔ちが〕う人も、自転車で追い越〔こ〕す人も、お店の人も、僕たちが『やまちゃん』の前に立っていたほんとうの理由を知らない。僕たちが平和銀座に来る前に交わしていた話も、誰〔だれ〕も知らない。夢〔ゆめ〕にも思っていないだろう。
『オモチャのヨシオカ』の前を通り過〔す〕ぎるとき、店内から『赤鼻のトナカイ』のメロディーが流れてきた。おなじみの曲なのに、オルゴールの音色だったせいなのか、いつもとは印〔いん〕象〔しょう〕が違って聞こえる。
「意外と寂〔さび〕しい曲なんだな」
 僕はぽつりと言った。返事は期待していなかったけど、タケオは「オレも、そう思う」と応〔こた〕えてくれた。
「だよな、やっぱり寂しいよ」
 タケオも同じ感想だったのが、うれしい。
 タケオはうなずいて、言った。
「できないけど……やればよかった」
「え?」
「文〔もん〕句〔く〕言って……負けるけど殴〔なぐ〕ってやればよかった……」
 急に早足になったタケオを、僕は斜〔なな〕め後ろから追って歩く。商店街を抜〔ぬ〕けた。すずらん灯や店の灯りがなくなると、あたりはいっぺんに暗くなった。
 タケオはうつむいて歩きながら、何度もハナを啜〔すす〕り上げて、上着の袖〔そで〕をときどき顔に当てた。
 僕は斜め後ろを歩く。黙〔だま〕って歩きつづける。耳の奥〔おく〕では『赤鼻のトナカイ』が、いつまでも静かに鳴り響〔ひび〕いていた。
 
∗
 
 タケオは、二つの名前のことを僕〔ぼく〕にだけ打ち明けて、転校していった。
 二学期の終業式の日に挨拶〔あいさつ〕をしたときも名前のことには触〔ふ〕れなかったし、三学期になって届〔とど〕いた「新しい学校でも友だちができました」という近〔きん〕況〔きょう〕のハガキにも、いつもの名前が書いてあった。僕も、タケオのもう一つの名前は教えなかった。クラスのみんなはもちろん、両親にも黙〔だま〕っていた。だから、タケオのもう一つの名前は誰〔だれ〕にも知られないままで――じつを言うと、僕ももう、いまとなってはよく思いだせずにいるのだ。
 遠回りは終業式の日まで続いた。平〔へい〕和〔わ〕銀〔ぎん〕座〔ざ〕を通ったのはあの日の一度きりで、僕もタケオも、まるで記〔き〕憶〔おく〕に消しゴムをかけたみたいに、あの日の話を蒸〔む〕し返すことはなく、転校までの最後の日々を静かに過〔す〕ごしたのだ。
 タケオとは、その後は会う機会はなかった。高校を卒業する頃〔ころ〕までは年〔ねん〕賀〔が〕状〔じょう〕のやり取りが続いていたが、東京の大学に入った僕は忙〔いそが〕しさに紛〔まぎ〕れて、年賀状を出さなかったり、もらっても返事をしなかったり、というありさまだった。それが何年か続いているうちに、タケオとのやり取りも途切〔とぎ〕れて、それっきりになってしまった。
 最後の年の年賀状でも、タケオはいつもの名前だった。両親の反対に押〔お〕し切られて名前を戻〔もど〕すのをあきらめたのか、自分で考えてそうしたのか、もしかしたら国籍〔こくせき〕をこの国に変更〔へんこう〕して、名前をそのまま使うことにしたのかもしれない。
 名前がどうであれ、いまも元気でいてくれたらいい。
 この国のことを嫌〔きら〕いになっていなければ、うれしい。

 平〔へい〕和〔わ〕銀〔ぎん〕座〔ざ〕のビル建設〔けんせつ〕計画は、翌年〔よくねん〕の春になって中止された。反対運動が実ったというより、年明けからの不〔ふ〕況〔きょう〕で、市内の経済〔けいざい〕が大きな打〔だ〕撃〔げき〕を受けたことが大きい。
 撤退〔てったい〕を決めた社長は、二つの名前のうち片方〔かたほう〕を封印〔ふういん〕したまま、複数〔ふくすう〕の企〔き〕業〔ぎょう〕を傘〔さん〕下〔か〕に収〔おさ〕め、「王国」とも呼〔よ〕ばれる企業グループをつくりあげた。だが、社長の出身をめぐる話は常〔つね〕に影〔かげ〕のようにつきまとって、「王国」をめぐる事〔じ〕件〔けん〕や疑〔ぎ〕惑〔わく〕やスキャンダルが明るみに出るたびに、封印〔ふういん〕していたはずの名前も報〔ほう〕じられた。一時は国政〔こくせい〕にも影〔えい〕響〔きょう〕力を持っていた社長だったが、後継者〔こうけいしゃ〕に恵〔めぐ〕まれなかったせいで、晩年〔ばんねん〕は「王国」を失い、十年ほど前にひっそりと世を去った。遺言〔ゆいごん〕に従〔したが〕って、墓〔はか〕は生まれ故〔こ〕郷〔きょう〕である隣〔となり〕の国の農村につくられた、という。
 平和銀座は、明るく健全な雰〔ふん〕囲気〔いき〕を守ることはできた。でも、半年間の反対運動で、商店街の人間関係には微〔び〕妙〔みょう〕なしこりが残ってしまった。商店街を挙げてのイベントやセールも、その後は参加する店としない店が分かれるようになり、寄〔よ〕り合いの役員を決めるときも話し合いがもつれるようになったらしい。

 中学生になった僕〔ぼく〕は、平和銀座を歩くことが減〔へ〕った。学校の場所が小学校とは違〔ちが〕うので平和銀座が近道にならなくなったから、という理由が半分、残り半分は、『やまちゃん』のおじさんや『コジマ薬局』のおばさんのことが、やはり心のどこかにわだかまっていたから。
 たまに店先を通ると、おじさんはあいかわらず元気で明るい。僕を見ると「おう、勉強してるか」と気さくに声をかけてくれるし、かつての僕とタケオと同じように『やまちゃんボール』をごちそうしてもらう小学生もいる。
『コジマ薬局』では、傘〔かさ〕の貸〔か〕し出しに加えて、靴〔くつ〕ずれになったり指をケガしたりした人のために、ガーゼ付きの絆創膏〔ばんそうこう〕を無料で一枚〔まい〕渡〔わた〕すサービスも始めた。
 みんな親切で優〔やさ〕しい。ビルの建設〔けんせつ〕計画が撤回〔てっかい〕されたあとはチラシも消えた。
 でも、にこにこと笑うあの人たちが、あんなチラシを貼〔は〕っていたことは――どうしても、忘〔わす〕れられないのだ。

 いまの平和銀座は、「かつて商店街だった一角」と呼〔よ〕んだほうがいい。四十数年の歳月〔さいげつ〕が流れる間に、ほとんどの店が姿〔すがた〕を消した。『やまちゃん』も『コジマ薬局』も建売〔たてうり〕の住〔じゅう〕宅〔たく〕になって、住んでいる人も変わった。
『やまちゃん』のおじさんは、僕〔ぼく〕が大学を卒業して東京で就職〔しゅうしょく〕した年に亡〔な〕くなった。いまの僕と変わらない五十代後半で、膵臓〔すいぞう〕だったか腎臓〔じんぞう〕だったかのガンで世を去ったのだ。その後はおばさんと息子さんががんばっていたが、数年後には店を畳〔たた〕んでしまった。
 おじさんに訊〔き〕きたかったことがある。伝えたかったこともある。タケオが転校していったあと、ずっと。
 実際〔じっさい〕には訊〔き〕けないし、言えない。わかっていた。中学生の僕も、高校生の僕も、大学生の僕も、まだ子どもだった。だからおじさんに声をかけられても、はにかんで会〔え〕釈〔しゃく〕するだけだった。
 でも、いまなら――。
 おとな同〔どう〕士〔し〕で話せるなら、訊〔き〕きたいし、伝えたい。

 もしもおじさんがタケオが二つの名前を持っているのを知ったら、その後も僕たちのことを変わらず可愛〔かわい〕がってくれましたか?

 それが、訊〔き〕きたいこと。
 伝えたいことも、タケオの話だ。

 あいつは、おじさん特製〔とくせい〕の『やまちゃんボール』が大好きだったんです。僕よりも、ずっと。

 おじさんはどんな顔になって、どんなふうに応〔こた〕えるだろうか。


(「タケオの遠回り」了。次回につづく)

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著者略歴

  1. 重松 清

    1963年生まれ。早稲田大学教育学部卒。出版社勤務を経て執筆活動に入る。ライターとして幅広いジャンルで活躍し、1991年に『ビフォア・ラン』(ベストセラーズ/幻冬舎文庫)で作家デビュー。1999年『ナイフ』(新潮社)で坪田譲治文学賞、『エイジ』(朝日新聞社)で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』(新潮社)で直木賞、2010年『十字架』(講談社)で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』(新潮社)で毎日出版文化賞を受賞。
    著書に『流星ワゴン』(講談社)、『疾走』『とんび』『木曜日の子ども』(KADOKAWA)、『みんなのなやみ』(理論社/新潮文庫)、『その日のまえに』(文藝春秋)、『きみの友だち』『青い鳥』(新潮社)、『希望の地図』(幻冬舎)、『赤ヘル1975』(講談社)、『ひこばえ』(朝日新聞出版)など多数。2013年に『きみの町で』(ミロコマチコ氏との共著)を小社から刊行。

  2. ミロコマチコ

    画家・絵本作家。1981年大阪府生まれ。生きものの姿を伸びやかに描き、国内外で個展を開催。絵本『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で第18回日本絵本賞大賞を受賞。『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞、『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房)で第63回小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレ(BIB)で、『オレときいろ』(WAVE出版)が金のりんご賞、『けもののにおいがしてきたぞ』(岩崎書店)で金牌を受賞。その他にも著書多数。第41回巌谷小波文芸賞受賞。
    展覧会『いきものの音がきこえる』が全国を巡回。本やCDジャケット、ポスターなどの装画も手がける。2016年春より『コレナンデ商会』(NHK Eテレ)のアートワークを手がけている。2013年に『きみの町で』(重松清氏との共著)を小社から刊行。
    http://www.mirocomachiko.com

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