【春のK-POPコラム】 少し引いたところから見たK-POP(竹田純/『BTSを読む』担当編集)
K-POPと縁のない人生を送ってきた。今もそうだと思う。しかし、昨年『BTSを読む』という本を編集する過程で、「目」は多少良くなったと思う。じつは、周囲にK-POPは溢れていたのだ。
はっきりと存在を意識したのは2018年の年末に見たテレビ。年間の音楽関連の売上ランキングにBTSが入っていた。たしか、エグザイル・トライブとジャニーズのあいだに。気になって、友人に訊くと「いつも私が使ってるLINEスタンプ、BTSだよ」。すぐに問わず語りの講義が始まった。
別の方面でも見つけた。河出書房新社の文芸誌「文藝 2019年秋季号」に、漫画家の渡辺ペコさんが「推しとフェミニズムと私」という文章を寄せていた。2018年の国連総会で、BTSのリーダー、RMが「Speak yourself.(自分自身について語ってください)」と話したことを知った。このスピーチは何回読んでもグッとくる。老舗の出版社・岩波書店のウェブマガジン「web世界」でも、政治活動家の辛淑玉(しん・すご)さんがBTSについて、「もう還暦を迎えた私が、どうしてここまで、孫のような存在である若者の活動に心が癒されるのか」を(なんと4回に分けて!)考察していた。政治/社会運動の重要人物による熱い語り。「何か」が起きているのだと鈍い自分でも気づき始めた。
ダメ押しは豊洲のららぽーとで見つけた。子供服ショップの入り口に大きいサイズに印刷したチラシがあって、そこには「ガールクラッシュ」と最も大きな級数で大書されていた。BLACKPINKのコンセプトだ。このあたりで、BTSを分析した本『BTSを読む』の刊行を決めた。実は身の回りにあふれているのに、それらを語る言葉が足りていないとはっきりわかったからだ。
私事で恐縮だが、昨年の12月に結婚した。妻はORβITのファンだ。先日、机の向こう側で、推しとリモートサイン会を満喫していた。K-POPとの縁は案外始まったばかりなのかもしれない。
(竹田純/柏書房編集)
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BTSを読む なぜ世界を夢中にさせるのか
キム・ヨンデ 著 / 桑畑優香 訳
韓国が生み、世界が育てたボーイズグループ「BTS(防弾少年団)」。
いまや世界各地に熱狂的なファン「ARMY」を持つ
彼らの音楽と人気を論じる初の本格的BTS評論。
定価/2000円(税別)
判型/四六判
頁数/300ページ
発売/柏書房
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