三通目の手紙:能町さんへ 森山至貴より
二通目の手紙(能町さんから森山さんへ)が冒頭に入る「当事者性が強すぎて」という間奏章の次は、2章「基準を疑え、規範を疑えーー性、性別、恋愛ってなんだろう?」です。2章について少し説明しますと、この章では、男と女、性別二元論についてどう考えるかということや、「好き」だという気持ちは自分や相手の性別を認識してから生まれるものなのかどうか(結論は「人によって違う」なんですが、このお話、面白いですよ。きっと周りの人たちとあれこれ話したくなります)。そして、性のあり方に「一貫性」を求められがちであること、「アイデンティティは変わらないものだ」という言い方が、いかに特定の人たちを傷つけるか、などなど。わかりやすいキーワードからこぼれ落ちる経験、子供の頃から大人になるまでのことをおふたりがお話ししています。
2章の次には「「わからない」って言いたいだけじゃん」という短い章が入ります。スタートは森山さんから能町さんへ宛てたお手紙から。(編集部)
「わからない」って言いたいだけじゃん
能町さんは、このような「わかる」の使い方に接したことはないでしょうか。またこのような「わかる」の使い方をどのようにお感じになりますか。雑駁な問いかけで申し訳ないのですが、そんな入り口から少しお話ができれば、と思っています。 |
この森山さんの問いかけに対し、能町さんは、「まず、わかるか、わからないかで考えることが間違っていて、方向性が違うんじゃないか」と答え、そこから話が始まります。(編集部)