障害や病の当事者にインタビューをしていると、ときどきこんな言葉に出くわすことがあります。
「うーん、あんまり自分の体っていうふうには思っていないですね」
最初に聞いたときは衝撃をうけました。自分のものであるはずの体を自分のものだと思わないとはどういうことなんだろう? 誰か別の人のものだと思っているということ? それともわざわざ「自分の」と言うまでもないほど自分と一体化しているということ?
実際に話を聞いてみるとその背景はさまざまでした。自分の体なのに思い通りにならなくて苦しんでいる人もいれば、思い通りにならないけれどその思いすら手放して「体が他人事」になっている人もいる。常に誰かの介護を受けているから自分のものでない人もいるし、重い病から自分の魂を守るためにほとんど悟りのような境地に達してそう感じている人もいる。
体は生まれてから死ぬまで常にそこにある。でもそれが自分のものであるというのは、それほど自明なことではないのかもしれません。もっとも身近なものでありながら、良い意味でも、苦しい意味でも、ただの物体のように疎遠なものになりうる対象。それが体というものなのかもしれません。
本連載では、こうした「一番身近な物体」としての体のあり方について、さまざまな当事者の語りを通して考えていきます。(伊藤亜紗)
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