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ドイツに行かなきゃ知らない!? ドイツ語 -Part 1 知ってる? こんなドイツ語―

Little Tokyo in Deutschland ドイツのリトル東京

ドイツ語学習者でも、日常生活では知らない? そんなドイツ語をピックアップして、Part毎に10回ずつご紹介します。今ドイツ語を学習している、あるいは、むかし学習したみなさん、そして、もちろんドイツ語を知らない方にも! 日本ではあまり知られていないドイツ語単語・表現とともに、その奥に潜むドイツの文化に触れてみませんか? 興味を持った方には、より詳しい内容が読めるようにドイツ語原文と対訳もご用意しました。この機会に、新しいドイツに触れてみましょう!


 

ドイツの「リトル東京」ってどこ?

答えは、ドイツ中西部に位置するノルトライン・ヴェストファーレン州デュッセルドルフ市のインマーマン通りです。日本関連のお店や日系企業の事務所が集中し、これほど規模の大きい日本人街はドイツには他にありません。ドイツ語ができなくても日本語ですべて事足りてしまうほどです。ランドマークは1979年オープンの「ホテル・ニッコー」。今では直営ではなくなりましたが、日本人スタッフが常駐する日系ホテルです。

では、リトル東京をちょっとのぞいてみましょう。

 

ルール工業地帯へのアクセスポイント

第二次世界大戦以前は、日本人は首都ベルリンとドイツ最大の港町ハンブルクに集まりましたが、戦後復興に向けて鋼材や建材の需要が高まり、その供給元としてルール工業地帯が注目されました。デュッセルドルフはルール工業地帯を有するノルトライン・ヴェストファーレン州の州都なので、アクセスポイントに選ばれ、1951年に日本人ビジネスマン第1号が拠点を構えたのを機に、少しずつ日系企業が増えていきました。

 

企業誘致で活路を見出す

1960~70年代に鉄鋼・石炭産業が衰退すると、ルール炭田の鉱山がことごとく廃坑になり、ノルトライン・ヴェストファーレン州は産業構造の転換に迫られました。重工業から化学・機械・電子工業またはサービス業へと主要産業を移行し、雇用を促進する過程で力を入れたのが企業誘致です。1961年にベルリンの壁が築かれて西ベルリンが陸の孤島と化すと、日本企業は新たなビジネス拠点としてデュッセルドルフに注目しました。

 

日本人が住みやすい環境

1964年に日本人クラブ、1965年に総領事館、1966年に日本商工会議所、1971年に日本人学校、1974年に日本書籍店が誕生し、デュッセルドルフに日本人が生活する環境が整っていきました。ピーク時には日系企業520社が誘致され、日本メーカーの製造施設も市内に30ヶ所あり、駐在員とその家族7千人以上が住んでいました。リトル東京・インマーマン通りもますます充実し、日本文化の発信地となりました。

 

今もなおドイツ最大の日本人居住地

ドイツ統一(1990年)によるベルリンへの首都機能移転、日本のバブル経済崩壊(1991年)、EU誕生(1992年)などにより、日系企業の多くがベルリンやオランダに移転し、デュッセルドルフの日本人コミュニティは一時衰退しました。しかし日本人のための社会生活基盤施設が整っていて暮らし易く、ノルトライン・ヴェストファーレン州の支援もあり、一度離れた企業も戻って来て、現在8400人以上の日本人がデュッセルドルフに住んでいます。

 

チャレンジ!! ー より詳しい内容を、ドイツ語で読んでみよう!ー

→ ドイツ語文と対訳を見る

 

第5回は、Solawi   ゾラヴィ(連帯農業) を取り上げます。お楽しみに!

 

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著者略歴

  1. 石井 寿子(いしい・としこ)

    学習院大学修士課程卒。ミュンスター大学留学時代(1986-89)に島田氏と知り合う。1993年から約30年間Randolf JesslおよびAndrea Raabと共著で年度版のドイツ語中級読本『時事ドイツ語 Neuigkeiten aus Deutschland』(朝日出版社)を執筆した。訳書に『サッカースポーツの役に立つトレーニング理論 ―サッカースポーツの一般・特殊コンディション』(朝日出版社)、『ジェレミーと灰色のドラゴン』(小学館)などがある。複数の大学でドイツ語非常勤講師をつとめ現在に至る。

  2. 島田 信吾(しまだ・しんご)

    1957年大阪生まれ。1972年渡独。ミュンスター大学修士課程卒。エアランゲン・ニュールンベルク大学にて博士号及びハビリタチオン(社会学教授資格)獲得。ハレ・ヴィッテンベルク大学比較文化社会学教授を経て2005年よりデュッセルドルフ大学現代日本学科社会科学系教授。著書に『Grenzgänge – Fremdgänge. Japan und Europa im Kulturvergleich(Campus),『Die Erfindung Japans. Kulturelle Wechselwirkung und nationale Identitätskonstruktion』(Campus)など多数。

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