Pflegekräfte ドイツにおける外国人介護士
ドイツ語学習者でも、日常生活では知らない? そんなドイツ語をピックアップして、Part毎に10回ずつご紹介します。今ドイツ語を学習している、あるいは、むかし学習したみなさん、そして、もちろんドイツ語を知らない方にも! 日本ではあまり知られていないドイツ語単語・表現とともに、その奥に潜むドイツの文化に触れてみませんか? 興味を持った方には、より詳しい内容が読めるようにドイツ語原文と対訳もご用意しました。この機会に、新しいドイツに触れてみましょう!
Pflegekräfteってなに?
Pflegeは「介護」、Kraftは「働き手」(Kräfteは複数形)で、合わせると「介護の仕事をする人」、つまり介護士のことです。日本もドイツも少子高齢化が進み、高齢者の割合がますます増えていますね。要介護者の70%が施設ではなく在宅で介護を受けており、家族の負担を軽減する出張介護士の需要が高まっています。日本ではたいていケアサービスの派遣を受けますが、ドイツでは外国人介護士が数多く働いています。
外国人介護士たちはどこから?
ポーランド、ブルガリア、ルーマニアなどの東欧諸国は、冷戦の終結(1989年)で西側との行き来が自由になり、EU(欧州連合)にも加盟しましたが、旧共産圏で産業がなく、収入が低いのです。ドイツへ行けば高給を得られ、同じEU圏内でそれほど遠くなく、ドイツ語も自分の母語と全くかけ離れた言語ではないから習得しやすいということで、ドイツで介護士として働きたいという希望者がたくさんいます。
ドイツは大歓迎
ドイツの要介護者にはレベルに応じ介護保険から補助金が出ますが、ドイツ人介護士だと人件費が高く、24時間体制の住込み介護などとても頼めません。その点東欧からの介護士なら安いし、国民性が温和できめ細かく手厚い介護をしてくれ、言葉のも低く意思の疎通がしやすいということで、ドイツ人はおおいに歓迎しています。在宅介護の現場も施設介護の現場も、彼らなしでは成り立たないほど依存しています。
暗躍する人材仲介業者
そのような中、国の認可などを受けた合法的な仲介業者だけでなく、無認可で東欧の介護士をドイツに連れてきて、法外な仲介料を取る闇業者が現れ、問題になっています。しかし、仕事はきつくても実入りがいいからという理由で、自らすすんで闇業者を選ぶ外国人介護士もいます。旧共産圏の安い労働力をドイツに斡旋する仲介業者は数多く、介護士のみならずベビーシッター、ウェイトレスなど様々な職種を扱っています。
ドイツ経済を支える外国人労働者
ドイツで働く外国人が多いのは、今に始まったことではありません。1970年代の高度経済成長期に人手不足に陥った際にも、トルコから多くの外国人労働者が移住し、いわゆる3K(汚い、きつい、危険)の仕事を請け負い、ドイツ経済を支えました。出生率の低下で少子化に歯止めがかかる見込みがない現状では、いかに上手く外国人移住者をドイツ社会に同化させ、共存共栄をはかるかが課題となっています。
チャレンジ!! ー より詳しい内容を、ドイツ語で読んでみよう!ー
第10回は、Aus der Tiefe des Raumes 「深いスペースから」 を取り上げます。
Part 1の最終回となります。お楽しみに!