第4回 (ビデオ)ゲーム的な題名
ブルボン小林さんの新連載、「グググのぐっとくる題名」。小説や演劇、映画、音楽、漫画や絵画……あらゆる作品の、「内容」はほとんど問題にせず、主に題名「だけ」をじっくりと考
第4回目は、ビデオゲームのある特性を表す言葉が用いられた曲と、人のゲーム体験があってこそ生まれ、成長を遂げた小説の新ジャンル、さらに、シリーズ累計100万部を突破した人気パーティーゲームの題名について!(編集部)
第171回直木賞の贈呈式は、受賞者の一穂ミチさんのスピーチが印象的だった。
「なにゆえ もがき いきるのか?」という台詞を引用し「その問いに答えたくて小説を書き始めた気がする」と語ったのだが、それは『ドラゴンクエスト3 そして伝説へ』のラスボス、ゾーマが主人公に投げる問いの言葉だ。
小説家でも誰でもビデオゲームの影響を受けるなんて今や珍しいことではない。だが、それでも帝国ホテルの立派な金屏風の前で正装の小説家に自身のルーツを語る体で引用されると、ドストエフスキーやシェイクスピアの引用をしたのと同じような趣を感じざるを得なかった。ゲームが古典的教養になったのだ。
ビデオゲームは体験でもあるから、作中の問いの受け止めの重さもすごいのだろう。ビデオゲーム(や、ビデオゲーム的な把握とでもいおうか)は
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本連載は終了しました。加筆・改稿のち書籍化します( 新たな読み物、対談など盛りだくさんでお届けします。 |
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