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グググのぐっとくる題名

第11回 題の中を時間が流れる

小説や演劇、映画、音楽、漫画や絵画など、あらゆる作品の「内容」はほとんど問題にせず、主に題名「だけ」をじっくりと考察する本連載。20年前に発売された前著『ぐっとくる題名』以降、新たに生まれた題名や、発見しきれていなかったタイトルを拾い上げます。
第11回に取り上げるのは、中島らもの名小説と、大槻ケンヂ率いるバンドのアルバム、デジカメ情報マガジンのユニークな連載の題名です。(編集部)


 ハチドリが花の蜜をすう写真がある。カメラのシャッタースピードを示す例で、奇麗に静止しているでしょ、ということをみせるための写真だ。
ほとんどその(カメラの性能を表す)ときしかハチドリをみない。なんか言いたいんじゃないかと思う(ハチドリが)。またそれですか、みたいな一言を。
しかし、そのように空を飛んでいる鳥を撮った写真をみるとき、その鳥が静止していると人は考えない。写真は絶対に止まっているのに、だ。その前も飛んでいただろうし、その後も飛んでいく姿を我々は感じ取る。
それ自体が静止していても、人は動きを感じ取る。題名においてもそれがある、という話。

 

 

本連載は終了しました。加筆・改稿のち書籍化します(2025年12月20日発売予定)

新たな読み物、対談など盛りだくさんでお届けします。どうぞお楽しみに! 編集部

 


◎ 好評発売中! ◎


『増補版・ぐっとくる題名』 著・ブルボン小林(中公文庫)

題名つけに悩むすべての人に送る、ありそうでなかった画期的「題名」論をさらに増補。論だけど読みやすい! イラストは朝倉世界一氏による新規かきおろし!

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著者略歴

  1. ブルボン小林

    1972年生まれ。「なるべく取材せず、洞察を頼りに」がモットーのコラムニスト。
    00年「めるまがWebつくろー」の「ブルボン小林の末端通信」でデビュー。
    著書に『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』(ちくま文庫)、『ゲームホニャララ』(エンターブレイン)、『マンガホニャララ』(文藝春秋)、『増補版 ぐっとくる題名』(中公文庫)など。
    『女性自身』で「有名人(あのひと)が好きって言うから…」連載中。小学館漫画賞選考委員を務める。

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