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出張版 桒原駿の備忘録

出張版 桒原駿の備忘録『手の内を知る相手』②

 実戦図45

実戦図41-45

参考図13

参考図13

桒原二段「実戦の43は参考図13のように今すぐ1と打つと2のサシコミから4と切られたとき黒Aが利かなくなるので早めに打ちました。45のヒラキがピッタリなので2目を捨てても満足です。この後実戦では白は参考図2のサシコミは打たなかったのですが大きかったのではないかと思います」

実戦図55

実戦図45-55

桒原二段「実戦の46に対して47とする手を上野さんは全く考えていなかったそうで局後に褒めちぎられました(笑)」

 桒原二段「黒は53と切って右側の白2子を取って、上辺も良い位置にヒラけているので打ちやすいかなと思っていました」

 第二譜

第二譜(51-100)

 

 

実戦図58

実戦図55-58

桒原二段「56は手筋ですが57とブツカってさほど被害を受けることはないという読みでした」

参考図14

参考図14

桒原二段「例えば参考図14の1とノビても2のツギから4のツケコシが良い手で取れています。白7で8は黒7として白Aとヌイても黒Bとサガっていて白ツブレです」

実戦図59

実戦図58-59

桒原二段「58に対する応手が難しく、悩んだ末に59とツケました」

参考図15

参考図15 白2[A]

桒原二段「当初59では参考図15の1とハサムつもりでしたが、2[A]から4のツケギリが鋭い手で黒は打つ手に困ります。例えば5から1目をヌイても8でかなりサバかれている感じがします」

参考図16

参考図16

桒原二段「参考図15の5で参考図16の5とサガっても10まで利かされてしまいもっとサバかれています。2のツケが良い手で図のようにハサむのは黒の勢力圏ながら良くならないので59としました」

参考図17

参考図17

桒原二段「59は参考図17の1のハネが2とキリチガエた時のシチョウが黒良いので白は打ちづらいだろうという読みです」

実戦図61

実戦図59-61

桒原二段「実戦は前図を回避して60とツケました」

参考図18

参考図18

桒原二段「実戦の60を普通に受けてしまうと参考図18のようにワリツガれて断点だらけになってしまい良くない」

実戦図63

実戦図61-63

桒原二段「実戦の62は何かここから事を起こそうというより様子見のような手です」

参考図19

参考図19

桒原二段「実戦の63でうっかり参考図19の1と棒にツグと5とツケコシたときに参考図14と違って白△が絶妙な利かしになっていて黒が潰れています」

実戦図71

実戦図63-71

桒原二段「実戦の62、64で外からの利きが増えたため白は隅を生きることができました」

参考図20

参考図20

桒原二段「実戦の71ではパッと見参考図20の1のハネが思い浮かびますが、二段バネが良い手でこの1子を切り取ってもAにコウが残ります。白にとってはリスクの軽いコウなので黒は嬉しくありません」

参考図21

参考図21

桒原二段「参考図20の3で参考図21の3と切るのは4とツガれてAが無条件で切られてしまうのでこれもダメ。白の二段バネのどちらも切ることができませんから、このハネは打たないほうが良いのです」

実戦図73

実戦図71-73

桒原二段「右下は原型からすると荒らされたように感じますが、四子を取り切って右辺の心配がなくなったことと先手が取れたので十分かなと思います。この後どこに打つかが問題ですが実戦選択した73はあまり良くありませんでした」

参考図22

参考図22

桒原二段「例えば参考図22の1とスベってしっかり生きておけば、ここから白が大きく地を増やすのは大変な碁形なので地合いのリードを保ちやすかったと思います」

実戦図84

実戦図73-81

参考図23

参考図23

桒原二段「実戦の81では参考図23の1とツケたかったのですが2のハネダシが強烈に見えて断念しました。16までほぼ一本道ですがまだ隅が不安で17と守ると左辺の黒石を攻められそうです。上野さんのハンマーはどこから飛んでくるかわからないので普段より注意しなければなりません。あとで聞いたらそこまでは考えていなかったそうですが、そうは言いつつも実際にそうなったらニコニコしながら殴ってきそうですから。図の1に対してもし白7と受けてくれればヒイて相当得しています。後々振り返ってみると1のツケまで求めなくても2のコスミも大きかったのでその方が良かったかもしれません」

実戦図84

実戦図81-84

参考図24

参考図24

参考図25

参考図25

桒原二段「実戦の84では参考図24の1とハネダす手が一見強力で白9にうっかり10と受けてしまうと11で困ったことになりますが、10で手を抜いて参考図25の1から3とフリカワれば左辺の白を攻められるのでこれは黒も打てます。ここはとても難解なところで大分持ち時間を使いました」

 

 

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著者略歴

  1. 桒原 駿

    平成11年(1999年)4月10日生 東京都出身
    岩田 一 九段門下

    平成28年 夏季入段(平成29年度採用)
    平成31年 二段

    日本棋院東京本院所属

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