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にしまりちゃん 龍神道を行く

あの人も見ている?龍の姿

「宇宙会議」という夢の中で

ところで私は、時折不思議な夢を見る。

それを私は「宇宙会議」と呼んでいる。

小さい頃からずっと見ているのだが、それが予知夢か何なのかは、わからない。

ただ、その世界にはいろんな宇宙から来たいろんな形の人がいて、さらに著名人も見かけることがある。

 

だいぶ前、宮崎駿さんがそこにいらした。

私はまるで友達のように宮崎さんに話しかけたのだけど、既に宮崎さんの隣には黄色に近い金色の龍がいて、とても仲良く話しておられた。

宮崎さんは、龍だけではなく、いろんな形をした異星人と実に仲睦まじくされていて、「ああ、ジブリアニメがどこかリアルなのは、宮崎さんがもともと宇宙とつながっているからなのね」納得したのだった。

 

こう書くと不思議ちゃんの不思議発言と思われそうだが、それが納得できるのには、もうひとつ根拠がある。

宮崎駿さんの代表作「となりのトトロ」に出てくる、まっくろくろすけを、私は小さい頃から神社でリアルに見ていた。

「ああ、『あれ』のことね」と思ってアニメを見ていたのだけど、周りに聞くと、「『あれ』は存在しない」と言う。

おかしいな、といろんな友人に聞いてもそう言うので、「あ、私には見えている(感じている)けれど、『あれ』が見えない人もいるんだな」と気づいた。

 

そういう感覚。

宮崎駿さんの果てしない脳内はそれこそ宇宙で、龍とつながっているからこそ、作品の中に龍がよく登場するのかもしれない。

 

余談であるが、最近、面白いことを知ってしまった。

「となりのトトロ」の中国語タイトルは「龍猫」なのだ。

勝手にご縁を感じてしまった。

 

「鬼滅の刃」の聖地の龍

 

アニメ、漫画、物語。

それらのアイデアを生み出す人は、ほとんど宇宙系の脳を持っている、と私は思っている。

 

私が今年行きたい神社に、八幡竈門神社(大分県別府市)がある。

まさに「『鬼滅の刃』の聖地」と言われる場所。

拝殿内部にある天井画の龍の写真を送ってくださった人がいて、ひと目見て心を奪われた。

 

八幡竈門神社には「鬼滅の刃」のストーリーに似た鬼の伝説がある。

昔、この竈門の里に、毎夜現れては人々を食い殺し、夜明けになると逃げていく人食い鬼がいたそうだ。

鬼が造ったとされる99段の石段や、鬼が忘れていった、長さがおよそ45cmもある石草履などが現存している。

 

「鬼滅の刃」には、主人公の竈門炭治郎が下弦の伍・累の操る強靭な糸を斬る「水の呼吸 拾ノ型 生生流転」という技があるのだが、その背景に浮かび上がる龍の姿が、まさにこの天井画に激似なのだ。

 

福岡県太宰府市にも「竈門」を冠した宝満宮竈門神社がある。

福岡在住だった時に私は何度か訪れている。そしてここで2度ほど、不思議な体験をした。

1度目は、神社に着いた時のこと。さーっと空に大きな龍の形の雲が現れ、さーっと大雨を降らせた。

参拝して空を見上げると、その龍神雲が消え、青空に。

 

2度目は、参拝中の出来事。何かが腰回りに触れた気がして振り向くと、誰もいない。

その直後、耳元に風の音がしたので再び振り向いたが、これまた誰もいない。

すると一緒にいた友人が、「MARIの近くに白い龍みたいな光がくるくる回って昇っていった」と言うのだ。

それですべての疑問が解けた。以来私はずっと、宝満宮竈門神社は龍の歓迎があるところ、つまり「龍が住んでいる場所」だと思っている。

 

ちなみに宝満宮竈門神社も「鬼」には縁があり、鬼門除け信仰が篤いほか、縁結びの神様としても名高い。

ただ、カップルで行くと別れるという噂もあるので、そこはしっかり気をつけて。

 

 

「龍」と「竜」のこだわり

 

そういえばこのコラムを書きながら、漫画「ONE PIECE」の「天竜人」を思い出した。

けっしていい存在として描かれていない「天竜人」。

 

実は私は、「龍」という文字にこだわっている。

時々曖昧に、「『竜』の絵の」と紹介されるのだが、「『龍』です」とあえて言い直すくらい。

だからこそ、「ああ、天竜人の『竜』が『龍』でなくてよかった」と謎に安堵をしたのが、理解いただけるだろうか。

 

ちなみに、「竜とそばかすの姫」にも「竜」が使われていたのを、今思い出した。

アニメを見たが、龍神様というより「竜」という、皆から恐れられる存在を誇張していると感じた。

 

龍が出てくるアニメで一番知られているのはその名の通り、「ドラゴンボール」だと思うのだが、7つのドラゴンボールを集めると、「神龍」がどんな願いも叶えてくれる。

「龍神」ではなく、「神龍」。なんだかすごそうだ。

 

ドラゴンボールの聖地はないのだがSNSの力とはすごくて、実は最近、「神龍」のエピソードになぞらえて7つの玉を集めるのが、ファンの間で静かなブームだという。

群馬県内に、参拝の証として「神玉」をもらえる神社があるのだとか。

一応、その7社をピックアップしておく。 


①榛名神社(沼田市榛名町)※高崎市の榛名神社とは異なる

②貴船神社(みどり市大間々町)

③前橋東照宮(前橋市大手町)

④伊勢崎神社(伊勢崎市本町)

⑤富士浅間神社(藤岡市藤岡)

⑥中之嶽神社(甘楽郡下仁田町)

⑦進雄神社(高崎市柴崎町)


 

まだまだ今年ははじまったばかり。今年の春はドラゴンボール集めからはじめよう、というのも面白いかもしれない。

なにせ来年は龍が主役、辰年だから。

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著者略歴

  1. 西村 麻里

    コピーライター/クリエイティブディレクター/アーティスト
    熊本生まれ。
    国内広告代理店、外資広告代理店のコピーライター・CMプランナー・クリエイティブディレクターを経て、MARI NISHIMURA INC. を設立。
    龍を描くアーティストとして、ニューヨーク、東京をベースにアーティスト活動を展開し、ロサンゼルス、ベルリン、ロンドン、カンヌ、パリなどでも個展を開催。
    2020年公開の映画「響 HIBIKI」に画家として出演。
    著書に『THE AURA』『龍スイッチはじめよう』(ともにWAVE出版)がある。

    ●国内賞
    TCC賞新人賞、TCC審査委員長賞/ADC賞シルバー(RA-CM)/ブロンズ(TV−CM)/電通賞最優秀賞(TV-CM)/FCC賞OCC賞CCN賞/朝日広告賞 ほか多数
    ●海外賞
    CLIO賞シルバー/one show ブロンズ/SPIKS ASIA ブロンズ/epica award paris シルバー/one show メリット賞/D&AD インブック受賞

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