お前もこのかわいさに萌えちまいな
理由があるのよ、本当は
前回の記事で、子どもの言い間違いのおかげで日本語の「音韻変化」が浮き彫りになることを解説した。肝となるのは「音は環境によって変化する」ということだ。この「音韻変化」というキーワードを理解して頂いたところで、娘たち独自の音韻変化を観察してみたい。すると、次に見えてくるのは「子どもの音韻変化は、多くの場合、大人の音韻変化の鏡である」ということだ。子どもは一見、独自の音韻変化を引き起こすが、実はデタラメではないことが多い。詳しく分析してみると、大人の言語でも似たような法則が観察されるように、規則正しい現象なのだとわかる。
ただし、前回からの繰り返しになるが、あまりに「言い間違い」が続くようであれば、言語聴覚士のアドバイスを受けることも視野に入れてほしい。言語聴覚士は厳しい国家試験を通過し、音声学と医学両分野に知識を持っている専門家なのだから。
●本連載は大幅加筆、改題のち書籍化いたしました(編集部)