私 発音できないんじゃなくて、しないんです
前回に引き続き、子どもに観察される独自の音韻変化についてお話ししたい。前回から通底するテーマは「子どもの発話には独自の規則があり、それには音声学的にもっともな理由がある」ということだ。時に我々は、「子どもは大人にとっては簡単なことができない未熟な存在」などと思ってしまうことがある。しかし、少なくとも言語学の観点からは、「子どもは未熟な存在」という風に考えることは間違いだと思う。今回は、このメッセージを強調したい。
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●本連載は大幅加筆、改題のち書籍化いたしました(編集部)