韓国現地リポート -韓国のMZ世代
#MZ世代 #MZ세대 #紅参 #홍삼
皆さんの「そうそう!これ、聞きたかったぁ~」に答える連載『マニマニ教えて!今の韓国ヨギヨギ~(たくさん教えて!今の韓国こっちこっち~)』です。韓国で、または日本で韓国関連分野を研究している先生たちが今の韓国についてやさしく解説してくれます!韓国語版おまけ付きで、言葉の勉強もできるなんてチョアヨ(素敵です)>_< 連載を読み終える頃には、あなたも韓国通になっているかも?!
第2回は、鄭敬珍先生(釜山大学)。テーマは韓国の身近なジェネレーション・ギャップです。呼び方や世代区分は少し違いますが、共感できる部分も多いかも?
執筆者: 崔銀景 河正一 飯倉江里衣
金根三 朴天弘 鄭敬珍
みなさんは「MZ世代」という言葉を聞いたことがありますか?日本のZ世代より広い、ミレニアム世代までを含むMZ世代は、今の韓国の若者を象徴する呼び名になります。もちろん、その時代の若者やその文化を指す呼び名は以前からも存在していました。40代半ばの筆者が大学生だったころは、「X世代[1]」、「オレンジ族[2]」という言葉が流行り、私もX世代という自己認識をもって20代を送っていたのですが、今のMZ世代をみると「最近の子たちはなにか違うな…」と、「ラテ(‘私の時は…’)[3]」の記憶を呼び起こしたりします。
MZ世代の特徴は「デジタルネイティブ」という言葉通り、スマートフォンやインターネットの世界で生まれ育ったこと、消費の面ではむやみに最新トレンドを追うのではなく、他人と異なる経験を追求し、ワーク・ライフ・バランスを重視すること、また、自分だけのオーダーメイド型消費、環境や倫理的価値に基づく消費をしようとすること、さらには、日常生活の中で常に「面白い」をキーワードにしていることなどが挙げられています。
給料が上がれば残業は当たり前!休まず働きなさい!という価値観に慣れてきたX世代の私とは違って、最近のMZ世代は、高い年俸や成功よりも、人生の余裕や公正、幸福などの価値をより重視するのだとか。まるで他の星から来た生命体のように感じてしまうのも事実です。また、上下関係の厳しい韓国社会で、MZ世代は組織よりは個人を、また水平的な文化を重んじるというので、上の人間が昔話をしようとすると、「また‘ラテ’が始まった~」という雰囲気に。
最近はMZ世代が消費の中心という言葉をよく耳にしますが、中でも不思議に思えるのは、中高年の専有物とされてきた健康補助食品の主要消費層がMZ世代に変わってきているという点です。私がよく行くドラッグストアにも、MZ世代をターゲットにした紅参[4](ホンサン)やコラーゲン、目の健康のためのサプリや各種栄養剤がずらりと並んでいます。ちょっと待って!40代半ばの私もまだ飲んでないのに!若いころから自分の身体を大事にしようとする努力に感心しながらも、そこまでする?という少し残念な気持ちになるのはなぜでしょうか?X世代よりもはるかに時代の最先端を生きているMZ世代ですが、情報洪水の時代、無数の選択肢の中で逆に迷ってしまったり、「格好いい」自分をSNS上で絶えずアピールして人生疲れてしまうのではないか、と少し心配になります。まぁ、これもまたグランデサイズの「X世代‘ラテ’」なのかもしれませんが。
(数多くの健康補助食品、筆者撮影)
鄭敬珍(釜山大学)
[1] 世代的には1960年代後半から1970年代に生まれた人々を指す。韓国の経済発展の恩恵を受けてちょっとしたバブルを経験し、個性を重視する若者文化を発信した。いわば、アナログ時代からパソコンやポケベル、携帯電話を本格的に使うようになったデジタル世代の先駆者でもある。
[2] 富裕層が多く住む江南エリアを中心に、派手で洗練された文化を発信した若者の呼び名。主にブランド服や外車、高級レストラン通いなどを好み、イケイケな人が多かった。
[3] ‘私の時は…’という意味の韓国語‘ナテ(나 때)’と同音であることから、「私が若かった時はさぁ~」と目上の人が昔話を持ち出すことを皮肉る表現。
[4] 高麗人参を皮ごと蒸して天日干ししたもので、色が赤いことから紅参と呼ばれる。