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マニマニ教えて!今の韓国ヨギヨギ~

実はK-POPだけではない!韓国大衆音楽の世界

#K-POP#케이팝 #Inkigayo #인기가요


皆さんの「そうそう!これ、聞きたかったぁ~」に答える連載『マニマニ教えて!今の韓国ヨギヨギ~(たくさん教えて!今の韓国こっちこっち~)』です。韓国で、または日本で韓国関連分野を研究している先生たちが今の韓国についてやさしく解説してくれます!韓国語版おまけ付きで、言葉の勉強もできるなんてチョアヨ(素敵です)>_< 連載を読み終える頃には、あなたも韓国通になっているかも?!

第4回は、金根三先生(志學館大学)。K-POPはもちろん韓国の音楽、だけど韓国の音楽=K-POPではない?現代の韓国音楽の多様性と奥深さについて語っていただきます!


 執筆者: 崔銀景 河正一 飯倉江里衣  

      金根三 朴天弘 鄭敬珍    


 今や、アメリカのビルボードチャートを席巻するほど世界中で愛されているK-POP。皆さんはK-POPにはどんなイメージを持っていますか?多彩なメンバーたちが魅せてくれる躍動感あふれるビートと切れのあるダンス、一度聞いたら耳から離れない中毒性あふれるメロディー、かっこよさと可愛さを兼ね備えたルックス。日本で韓国の音楽といえば、やはり、アイドル歌手たち中心のK-POPが真っ先に浮かび上がることでしょう。

 でも、こんなことを考えてみたことはありませんか?日本の韓国音楽コーナーはほぼK-POP一色だけれども、はたして韓国現地ではどんな音楽が売れているのだろう?と。

 韓国の音楽チャートをみるとやはりK-POPが上位にランクインしていますが、本当に多様なジャンルの曲が布陣していることがわかります。バラード、R&B、ヒップホップ、フォークはもちろん、最近話題のシティポップに近いAOR(大人向けの都会的で落ち着いたロック)もあります。韓国にも日本の松任谷由実や山下達郎のような大御所シンガーソングライターや、ONE OK ROCKのようなロックバンドのほかに、ジャズ、電子音楽などを駆使する、実力と人気を兼ね備えたアーティストがたくさんいます。

 最近は若い世代を中心に、80~90年代風の洗練されたAOR的な歌謡LPが売れ切れになるほど人気を集めています。光と塩(빛과 소금)、キム・ヒョンチョル(김현철)、ユ・ジョンヨン(유정연)、ベク・イェリン(백예린)、イ・ソラ(이소라)等が代表的なアーティストですね。また、2018年の南北首脳会談の時、韓国の大衆音楽歌手の代表として平壌を訪れたユン・サン(윤상)は、80年代後半からジャズ、ラテン音楽と電子音楽を融合させた前衛的かつポップな音楽を発表してきました。2010年代以降では韓国伝統音楽とロックをミックスした演奏グループ、JAMBINAI(잠비나이)が海外でも人気を博しています。

 では、こうした歌手たちとはどこで出会うことができるのでしょうか。海外でよく知られている「Inkigayo」などのTV音楽番組は、主にK-POPを中心に紹介されていますが、実は、KBSやMBCの平日の深夜か日曜の夕方には多様なジャンルの音楽番組が放送されています。教育放送SpaceやNaverの「On Stage」では実力派インディーズバンドの紹介も盛んです。これらの放送はYouTubeなどでも公開されています。この機会に、K-POP以外の多様なジャンルの魅力的な歌をぜひ聞いてみてください! 

金根三(志學館大学)

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著者略歴

  1. 金 根三(キム・グンサム)

    日本が肉眼でみえる釜山で生まれ育った。少子高齢化という同じ課題を抱えている日本で社会保障財政の研究をしたいと思い、2007年から立教大学大学院で経済学を専攻した。研究分野は日本と韓国の地方財政改革と社会保障制度の比較。現在は、桜島と錦江湾が眺められる鹿児島で経済学と財政学を教えながら、研究活動を続けている。また、2017年から韓国語講師としてもたくさんの日本人の皆様と交流を重ねている。現在、志學館大学 法学部、講師。

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