ククス(麺料理)に隠された結婚?
#ククス #국수 #結婚 #결혼
皆さんの「そうそう!これ、聞きたかったぁ~」に答える連載『マニマニ教えて!今の韓国ヨギヨギ~(たくさん教えて!今の韓国こっちこっち~)』です。韓国で、または日本で韓国関連分野を研究している先生たちが今の韓国についてやさしく解説してくれます!韓国語版おまけ付きで、言葉の勉強もできるなんてチョアヨ(素敵です)>_< 連載を読み終える頃には、あなたも韓国通になっているかも?!
第13回は、河正一先生(大阪公立大学)です。「結婚」をテーマに、その背景にある韓国のいろいろな文化を教えていただきました。韓国の結婚式では何を食べるのでしょうか?そしてご祝儀の相場は?
執筆者: 崔銀景 河正一 飯倉江里衣
金根三 朴天弘 鄭敬珍
韓国語では「いつ結婚しますか?」という表現を「언제 국수 먹어요?(いつククスを食べますか?)」とも言います。結婚式場がなかった時代では、新婦側の家の마당(広場)で結婚式が行われ、来客に국수(ククス)という麺料理がふるまわれました。昔は麺料理が貴重な食べ物であったことと、長い麺を食べると長生きできると信じられていたことから皆幸せに長生きしようという意味合いで生まれた表現です。
チャンチグクス(잔치국수)
日本と韓国の結婚式の違いは、まず招待状がなくても参加できるところです。親戚はもとより、新郎新婦の両親の知り合いなども参加するため、直接面識のない方も当然多くいます。また参加するお客さんは、スーツだけでなく、ラフなスタイルの方も多いので、服装をあまり気にしなくてもいいかもしれません。そしてご祝儀は、親しい友達であれば、1万円くらいですが、知り合いの程度なら3千円~5千円で十分です。結婚式は日本に比べて短く、約1時間程で終わります。ちなみに、韓国では結婚しても苗字は変わりません(夫婦別姓)。もし韓国人の友達が出来たら、ぜひ結婚式に参加してみてください。
新婚旅行先として、以前はハワイ、バリ、モルディブ、カンクンなどの海外が人気でした。しかし、2019年から始まったコロナ感染の拡大によって、国内旅行先が脚光を浴びることになり、제주도(済州島)、남해(南海)、부산(釜山)、강원도(江原道)、울릉도(鬱陵島)などがブームになっています。
ところが、人生最大の「お祝い」の一つである結婚がここ30年間にわたって大きく変化しつつあります。統計庁によると、2021年平均結婚年齢は、男性33.4歳、女性31.1歳で、1991年の男性27.9歳、女性24.8歳に比べ、晩婚化が進んでいます。ちなみに、「結婚適齢期を過ぎた未婚男性、女性」を노총각(ノチョンガク)と노처녀(ノチョニョ)と言います。2016年4月8日のヘラルド経済の記事によると、ノチョンガクは37.7歳から、ノチョニョは35.5歳からだそうです。晩婚化が進むにつれ、自ずと初産の年齢も1993年27.6歳から2021年33.4歳まで上昇し、さらに出生率にも影響を及ぼしています。2021年の出生率は、0.81まで低下し(日本1.34)、今は結婚支援や少子化対策が国の政策のカギとなっています。
河正一(大阪公立大学)