2(ツー)ヒントだと難しい
“有×”という常套句を使って、漢字の偏や旁を示してくれる字謎は比較的解きやすいと述べた。確かに
①有草花将放, Yǒu cǎo huā jiāng fàng,
有水可品茗, yǒu shuǐ kě pǐn míng,
有脚走得快, yǒu jiǎo zǒude kuài,
有火打敌人。 yǒu huǒ dǎ dírén.
(草あれば花ひらかんとす、
水あれば茶を味わうべし、
脚あればすばやく歩け、
火あれば敵を攻撃す)
とあれば、一句目二句目で見当がつかなくとも、三句目や四句目からヒントが見つかる確率が高い。この字謎も三句目から“跑”pǎo が思いつきやすいのではないか。一つでも分かれば、あとは一句目は“苞”bāo (つぼみ)、二句目は泡”pào (茶を入れる)、四句目は“炮”pào (大砲)と一挙に解明し、答えも“包”bāo と分かる。
ところが、同じタイプでも2(ツー)ヒントだと、難度がぐっと増す。例えば試みに、次の字謎に挑戦されたい。
②有口说假话, Yǒu kǒu shuō jiǎhuà,
有水淹庄稼。 yǒu shuǐ yān zhuāngjia.
(口があればウソ八百を並べ、
水があれば農作物を水浸し)
これが解けた向きに、もう一つ。
③遇火则明, Yù huǒ zé míng, (火に遭えば明るく、
遇水则清。 yù shuǐ zé qīng. 水に遭えば清らかに)
四つのヒントに慣れていると、これら2(ツー)ヒント式はいかにも心もとなく感ぜられるだろう。
②の答えは“共”gòng の字。口を加えると“哄”hǒng (ホラを吹く)になり、水を添えれば“洪”hóng になる。“洪水”の“洪”だ。
③は“登”dēng が解。火に遇えば“燈”dēng となり、水に遇えば“澄”chéng である。“燈”は今は簡体字で“灯”なので、古い字謎であることが分る。
字謎にはこのように時々繁体字が解として現れることもあるので,要注意である。この例からはまた、常に“有×”と言われるとは限らず“遇×”となる形もあることが知れる。
④苹果园里无杂草。 Píngguǒ yuán lǐ wú zá cǎo.(リンゴ園に雑草なし)
句末に“无杂草”とあるが、これは「雑草がない」つまり「草かんむり」を除くこと。かくて、“苹(果园)”から草かんむりを削除し、“平”píng が答えである。
⑤一手抓了两把土。 Yì shǒu zhuāle liǎng bǎ tǔ.
(パッと土を二つかみ握る)
答えは“挂”guà 。こういう形でも「手へん」が求められるという例。
◆練習問題
[答えは、漢字一文字です。"解答を表示”の左の黒い三角をクリックすると見られます。]
1 有心记不住,有眼看不见。
亡 (心があれば忘,目があれば盲)解答を表示
2 有眼要睏,有手想打。
垂 (目があれば睡,手があれば捶)解答を表示
3 田上有草,田旁有宝。(2文字)
苗,钿 (草冠をつけ,金扁をつける)解答を表示
4 奶奶用手托女走。
扔 (手でというので手偏をつけ,女はいなくなる)解答を表示