足りないものは何ですか
「足りないものは何か」を言い当てるなぞなぞもある。
①金银铜铁。 Jīn yín tóng tiě. (打中国地名一)
というのはよく知られたものの一つで、中国の地名を当てさせるもの。金・銀・銅・鉄ときて錫(すず)のみがない。そこで“无锡”Wúxī が答えである。中国人なら誰でも“金银铜铁”とくれば次は“锡”が口をついて出てくるものだ。
②一二三四五六七。 Yī èr sān sì wǔ liù qī.
とあれば“八”がないので“忘八”wàngbā 、これは“王八”wángba (馬鹿、無能など人を罵る語)に通じる。同様に、
③孝悌忠信礼义廉。 Xiào tì zhōng xìn lǐ yì lián.
なら“耻”が抜けている。つまり“无耻”wúchǐ (恥知らずだ)を表す、などというのも同じタイプである。
次はどうか。何が足りないかはすぐ分かるだろう。
④金木水火。 Jīn mù shuǐ huǒ. (打一字)
我々は五行は「木火(もっか)土金水(どこんすい)」と習ったが、現代中国語でなら“金木水火土”jīn mù shuǐ huǒ tǔ と言う。いずれにしろ欠けているのは“土”である。問題は「欠けている、無い」をどう言い表せば、“土”とうまく組み合わせられ、字になるかにある。“无+土”では字にならぬ。そこで“欠+土”とし、“坎”kǎn が求める答えである。“欠”qiàn も「欠けている、無い」を意味する語。これが分かれば次はやさしい。
⑤只有姐姐妹妹和弟弟。 Zhǐ yǒu jiějie mèimei hé dìdi. (打一字)
要するに欠けているのは“哥哥”gēge(お兄さん)である。つまり“欠+哥”で“歌”gē が導かれる寸法だ。
以上“无”“欠”“忘”を利用したものを見てきたが、次はさらに一工夫を要する例。
⑥一二三五六。 Yī èr sān wǔ liù.
これも「一字当てよ」という字謎。「四がない」のは明らかなのだが、さて「欠けている、無い」をどう表せば“四”と組み合わせて字ができるか。“无·欠·忘·少·去·没…”などの字で次々に試してゆく。すると“去+四”でめでたく“罢”bà ができあがる。正直なところ、なかなかこの“去”が思いつかないのであるが。
次は傑作の一つ。
⑦石升合勺撮。(打一用物)
まず正しく読まねば話にならない。米などの容積をはかる単位がズラリとならんでいるわけだから、
⑦ dàn shēng gě sháo cuō
と読む。読み方では“石”dàn 及び、“合”gě が要注意だ。さて、欠けているのは何か。いわずと知れた、“斗”である。“石·斗·升·合…”という系列だが、“斗”も発音は dǒu で要注意。ところで、この問題は「ある用具を当てよ」である。漢字一字ではなく、答えは二字の熟語になる。ポイントは「欠けている」をどう表すか。これまで出てきた文字では役をなさない。これを練習問題としよう。
◆練習問題
[答えは、"解答を表示”の左の黒い三角をクリックすると見られます。]
1 石升合勺撮。(打一用物)
漏斗 解答を表示