福岡航太朗初段の心の一局(2)「打たれなかった右下隅の変化」
実戦図(1-30)
福岡先生「実戦図のあと黒31で、昔は下辺の星が多かったのですが白から三三に入いられて、ここは隅が10目ぐらい。最近は白地が大きいという見解です。黒との間隔が少し狭いので、参考図11の黒1は少しあまい」
参考図11
聞き手「最近はすぐ三三にはいるじゃないですか。僕が勉強したときは参考図11の白10のハネツギは打たないのがポイントと習った気がしますが、今は打っていいんですか」
参考図12
福岡先生「(参考図12)今は、黒石がAにあることもあるのですが」
聞き手「黒石がAになかったらどうですか」
福岡先生「参考図12の白1とハって白3のオキです」
参考図13
福岡先生「黒は参考図13の黒1とオサエて、黒はAに石がないので、黒はこのハネツギを打たせたい。こうなると、Bのサガリも効いていて黒が厚いです」
参考図14
聞き手「(黒△と)サガったらどうなりますか」
福岡先生「参考図14の黒1(A)から白2ととって黒3まで」
聞き手「この形はなんといいますか」
福岡先生「マガリ四目です」
聞き手「なるほどそれで黒△が先手なんですね」
参考図15
聞き手「もし参考図15の黒△に手を抜くとどうなりますか」
福岡先生「参考図15の黒1とサガッて、以下黒9まで」
聞き手「死んじゃいましたね」
参考図16
聞き手「さっきは黒△がありましたよね。この場合はどうなりますか」
福岡先生「参考図16の白1と入ったりすると、白3に黒4とオサエ、黒△がなかったら、黒4とオサエられないのでAにノビますが、そうすると白は5にオサエないで、Bにトブのが大きい。実戦は黒△があるので、白5となります。そうすると黒2と打たれたのが少し痛いです」
聞き手「黒△があるときは、右下をハネツイでもよくて、いないときはハッて攻めるということですね」
実戦図1-32
参考図17
福岡先生「参考図黒1のトビは白4までで、白は下辺にも眼を作れそうで、これは黒がつらいと思います」
参考図18
福岡先生「参考図18の黒1のケイマにスベリは、黒9まで白は左下から中央への厚み、黒は右辺が限定されているので白がいい」
聞き手「実戦は参考図のようにはしなかったですよね」
福岡先生「32の白石を攻めたかったので」
参考図19
聞き手「白△を攻めるなら、参考図19の黒1もあったのではないですか。これはだめですか。最近習った手があるのですが、黒3とやります。以下参考図は黒がいいと習ったんです」
福岡先生「こうなると黒いいですね」
参考図20
福岡先生「実戦は黒35にぶつかったんですが、白34のコスミツケに参考図20の黒1のノビもあって、白は下辺に根拠を持って、黒は石が上に行ってこれも一局です」
参考図21
福岡先生「実戦はAに打って、これは白の形の急所なんですが、参考図21の黒1のオシをいっぽん打ってから、Aにいってもよかった」
参考図22
聞き手「参考図22の白4のキズも気になるんですけどこれは大丈夫ですか。初心者なんでキリがこわくて」
福岡先生「今は黒3があるので、黒7から黒11まで、黒は下をワタっているので、白をいじめられるから黒がいいです」
参考図23
聞き手「参考図23の白4はどうでしょう」
福岡先生「黒5とサガって保険をかけておけば、黒は大丈夫です」
参考図24
質問「参考図24の黒1のオシに白2とされたらどうでしょう」
福岡先生「黒3と守ります」
聞き手「次に、Aなどと止められるといやなので、白4とすると」
福岡先生「黒5とオシて、白6とウケたら黒7から白8」
聞き手「黒9に白Bはちょっとつらいので白10とすると」
参考図25
福岡先生「参考図24の白10のあと参考図25の黒7までとなります」
次回は「若き勝負師」