橋本美穂は「八方美人」をこう表現した!
4月号から始まった新連載『同時通訳者・橋本美穂の「英語にないなら作っちゃえ!」』は、読者参加型企画として、皆さんと一緒に「新しい英語」を作っていくコーナーです!
ふなっしーやピコ太郎の通訳を務めた同時通訳者の橋本美穂さんも参戦します。ぜひ皆さんも、チャレンジしてみてください!
さて、今回のお題は…?
お題:八方美人
げんきさん(神奈川県)
smile factory
理由:作られた笑顔を振りまいているから。
阿部季美さん(愛知県)
smile vending machine
理由:誰に対しても、愛想よく笑顔で対応する人をイメージしつつ、若干の皮肉の意味も加えて考えました。
匿名希望さん(宮城県)
chameleon person
理由:どんな環境にでもうまく適応する動物として、カメレオンが一番わかりやすいと思ったから。
福田千奈津さん(北海道)
chronic flatterer
理由:八方美人というのは、慢性的なおべっか使いだと思うからです。
若林洸希さん(東京都)
pleasant pretender
理由:八方美人というとあまりいい意味ではないかもしれませんが、周りの人にとってはよくしてくれる(ふりをしてくれる)人でもあると思ったからです。
さて、橋本美穂さんは一体どのように「八方美人」を表現したのでしょうか?
橋本美穂
私ならこうしちゃいます
yes-man to everyone
理由:「八方美人」は、文脈によっていくつか異なる英訳ができそうです。「風見鶏」のような日和見な態度を捉えて、weathervaneとした既存の訳もありますし、「全方位外交」という意味に捉えれば、omnidirectional diplomacyという政治用語も存在します。
ここで、「あえて訳を作っちゃう!」とすれば、より一般化したyes-man to everyoneはいかがでしょう?文字通り「みんなにいい顔をする」というニュアンスです。ちなみに、two-faced liar(裏表のある人)という既存の言い回しがありますので、これにならってeight-faced yes-manも良いかなと考えたのですが、"Why eight?"と聞かれると説明が回りくどくなるので、シンプルにeveryoneとしました!