橋本美穂は「駄菓子」をこう表現した!
2019年4月号から始まった連載『同時通訳者・橋本美穂の「英語にないなら作っちゃえ!」』は、読者参加型企画として、皆さんと一緒に「新しい英語」を作っていくコーナーです。
2021年4月号からは誌面もリニューアルし、橋本美穂さんの特別音声解説も付いて、さらにパワーアップしました!
4年目を迎えたこの企画、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください!
さて、今回のお題は…?
お題:「駄菓子」
強帯さん(神奈川県)
kitschy confectionery
理由:人気はあるが俗っぽいお菓子の意味。
hamazoさん(福岡県)
toy-box candy
理由:駄菓子屋さんは子どもにとっては大きなおもちゃ箱のような楽しさが詰まっているもの。
二瓶真さん(東京都)
retro childhood snacks
理由:昔の子ども向けのお菓子という意味が伝わるかと思いました。
鮭さん(大阪府)
nostalgic confectionery
理由:誰もが子ども時代に食べることや、昔懐かしい雰囲気をイメージしました。
めろんぱんさん(宮城県)
copper treats
理由:銅製の十円玉で買えるおいしいもの。
Takakokatieさん(兵庫県)
childhood delights
理由:駄菓子屋さんは子どもの頃のときめき、楽しみの時間でした。
かずとんさん(東京都)
pop sweets
理由:なんちゃってお菓子みたいだから。
カプ・テテフさん(兵庫県)
penny snacklet
理由:1ペニーで買えるような、安価で小さい(-let)お菓子ということ。
さて、橋本美穂さんは一体どのように「駄菓子」を表現したのでしょうか?
私ならこうしちゃいます
bite-size nostalgia
駄菓子と聞くと、日本で生まれ育った人なら懐かしい情景が思い浮かぶのではないでしょうか。お店をぐるっと見回したときのワクワク感、大好きだったお菓子の味、当たりくじの高揚感。このハイコンテクストな言葉を外国人に伝えるのは至難の業です。Wagashi is high-quality, elegant confectionery usually served with tea, and dagashi is cheap little snacks for daily occasions.といった説明ならできますが、一言で表すにはどうすればよいでしょうか? 昔は上白糖を使った高価な「上菓子」に対し、安価な材料で作られた大衆的な菓子を「駄菓子」と呼んでいたようですが、今はお砂糖が普通に手に入る時代です。そこで、いっそのこと現代の解釈を英語に反映してみましょう! 例えば、「手にとると懐かしさが込み上げてくる一口サイズの楽しいお菓子」と定義してみると、どうでしょうか? キーワードは nostalgia(懐古の情)にしました。これに「小さく個包装され、気軽に楽しめる」という意味のbite-size(一口サイズの)を組み合せ、bitesize nostalgiaという表現の出来上がり! 日本語に訳し戻してみると「一口サイズの懐かしさ」って感じです。令和の時代ならではのレトロな解釈として、大人に使っていただきたいメタファー(暗喩)です。