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同時通訳者・橋本美穂の「英語にないなら作っちゃえ!」

橋本美穂は「鶴の一声」をこう表現した!

2019年4月号から始まった新連載『同時通訳者・橋本美穂の「英語にないなら作っちゃえ!」』は、読者参加型企画として、皆さんと一緒に「新しい英語」を作っていくコーナーです!

ふなっしーやピコ太郎の通訳を務めた同時通訳者の橋本美穂さんも参戦します。ぜひ皆さんも、チャレンジしてみてください!

さて、今回のお題は…?

お題:鶴の一声

猪瀬幸夫さん(茨城県)
the voice of heaven
理由:「天の声、天のお告げ」には反論できないから。

taikeiさん(宮城県)
the voice of God
理由:神様のお告げ的な。

アダさん(埼玉県)
almighty voice
理由:全能の神の声から。almighty は「(神のように)全能の」の意。

Penelopeさん(兵庫県)
voice from Moses
理由:「社長の鶴の一声」よりもっとずっと高い所から、旧約聖書の十戒から、誰にも有無を言わせないイメージで。

アキ@横浜市立南高等学校さん(神奈川県)
word from the top
理由:上の立場の人からの絶対的な決断や言葉、というイメージがあるから。

クマヒロさん(青森県)
one and final call from the king
理由:有無を言わせない感じをkingで出してみました。

ヒロkiさん(千葉県)
game-changing voice
理由:議論などを一気に決定づける一言という印象だったので、ゲームを大きく変える一言と捉えました!

ノブやん(東京都)
thunder from heaven
理由:天からの厳しい一矢という意味。

Kuksaさん(奈良県)
Mom’s decision
理由:母が絶対正しい!

阿部季美さん(愛知県)
a crack-of-thunder voice
理由:雷のような声というイメージで。

はるさん(千葉県)
lion’s decision
理由:百獣の王のライオンの決定が影響力を持っていることから。ライオンの一言で他の動物が従うさまを表しています。

ぶっさん(大阪府)
voice bomb
理由:すべてをだまらすパワー!

Dazzleさん(静岡県)
thunder conclusion
理由:雷鳴が聞こえると誰しも従わざるを得ない(避難せざるを得ない)から。

むっくさん(東京都)
a decisivoice
理由:職場の同僚同士が、結局は鶴の一声だよねと、おどけたり自嘲気味に使うのをイメージしました。

Tomさん(東京都)
a roar of a lion
理由:英米人にはライオンのうなり声の方が迫力がある。

棚辺富士雄さん(兵庫県)
lethal-weapon voice
理由:「これで決まり!」です。lethal weaponは「凶器、殺傷兵器」の意。

Tommy.Cさん(大阪府)/とーるちゃん(埼玉県)
what Simon says
理由:「船長さんの命令」ゲームの英語バージョン“Simonsays” から思いつきました。Simonの言うことには従わなければならないので。(Tommy.Cさん)/子どもの頃にやった“Simon Says”という遊びが、まさに「鶴の一声」のようだと思ったため。(とーるちゃん)

 


さて、橋本美穂さんは一体どのように「鶴の一声」を表現したのでしょうか?

橋本美穂
私ならこうしちゃいます

 a lion’s roar

理由:有力者の一言を意味する「雀の千声 鶴の一声」。そのままone thousand chirps of sparrows, one cry of a craneと訳したところで、日本古来の昔話や俳句に登場する鳥たちのニュアンスが外国人に伝わるかどうか。

むしろ千と一の対比に注目すると、a picture is worth a thousand words(百聞は一見にしかず)という故事成語が思い出され、この文体でa lion’s roar is louder than a thousand meowsという格言を作っちゃいました!

実際に使うとしたら、“The matter was settled with the roar of our lion. It’s louder than a thousand meows!”という感じです。「え、そんな表現あるの?」と聞かれたら、「あるよ。日本では鶴と雀だけどね」とトリビアを加え、会話を楽しんでくださいね。

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著者略歴

  1. 橋本美穂

    アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンで出生。東京都で幼少期を過ごし、6歳で再び渡米。サンフランシスコにて小学校時代を過ごし、帰国後は兵庫県神戸市で中学・高校時代を過ごす。慶應義塾大学総合政策学部卒。

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