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朝日出版社メルマガ 第8号(2018/07/25発行)

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朝日出版社メルマガ 第8号(2018/07/25発行)

 

今号のコンテンツはこちらです。

■新刊のお知らせ
■これから出る本のお知らせ
■イベント情報
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■書店フェア、好評開催中!
■あとがき(編集後記)

━━━━━━━━━━━━━━━

■新刊のお知らせ

『誰のために法は生まれた』
木庭顕 著(7月25日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010779/


■これから出る本のお知らせ

『英米文学つれづれ草 ─もしくは、「あらかると」』
岡本正明 著(7月27日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010632/


■イベント情報

○『折る土偶ちゃん』刊行記念イベント、8月にたくさん開催します!
第1弾@早稲田:8月1日(水)18時開場/著者:譽田亜紀子さんトークイベント
http://www.wcoop.ne.jp/news_3/news_detail_467.html
第2弾@渋谷:8月2日(木)19時~・20時~(2回開催!)/COCHAE・武田美貴さんによる折り紙ワークショップ
https://www.shibuyabooks.co.jp/event/1974/
第3弾@上野:8月3日(金)11時~/譽田亜紀子さんトーク、COCHAE・武田美貴さん折り紙教室の2部構成
https://doguchan-vr.peatix.com/?lang=ja

◯『世界は変形菌でいっぱいだ』増井真那さん講演会「高校生のぼくといっしょにフシギでカワイイ変形菌の世界へ」
8月3日(金)14時~ 神奈川県茅ヶ崎市・長谷川書店ネスパ店さんにて開催します。
https://goo.gl/daWMQJ

○第10回「BOOK MARKET 2018」
7月28日(土)~29日(日)10時~17時
会場:台東館 6階北側会場 [〒111-0033 東京都台東区花川戸2-6-5]
日本全国の個性ゆたかな出展社が「本当に面白い本」を持ち寄る、本の産直市。
10回目・10周年となる記念すべき二日間、朝日出版社もブースで皆さまのご来場をお待ちしています。
http://www.anonima-studio.com/bookmarket/index.html


■今号のイチオシ電子版

『とんでもなく役に立つ数学』
西成活裕 著(2015年5月22日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_digital/9784255005751/

本書は “渋滞学”で著名な東大教授が、「数学で世界をより良くしたい」と本気で考え、
高校生とともに数学を使って世の中の問題を解決していこうと、アイデアを展開していく4日間の授業を収録したものです。

3万人が並ぶ東京マラソンをスムーズにスタートさせる、ひき逃げ犯人を捜す、宇宙のゴミを拾う……など
身近なところや意外なシーンでの活躍に、公式が大事、無機質で機械的――そんな数学のイメージがガラリと変わります。

数学は苦手!と思っている人こそ必読の「血の通った数学書」です。


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部の藤川です。

先日、上野の森美術館にて開催されている「ミラクル エッシャー展」(http://www.escher.jp)(7月29日まで)に行ってきました。

ほぼ日本初公開の作品と聞いていただけに、有名な騙し絵から、初期の風景画や広告、自画像など貴重な作品ばかり。

科学・聖書・風景・錯視……など8つのキーワードで作品を分類し、「エッシャーがエッシャーになるまで」の変遷をたどることができる内容でした。

現実には存在しえない「ありえない」世界を、実際に目にすることは、ただ「不思議」というだけでなく、とても緻密で美しく、
純粋に“視覚”だけで楽しめるような、言葉では語り尽くせないほどの魅力があります。

しかもエッシャーは「版画」にこだわり続け、細密な世界をすべて手作りで仕上げたという徹底した「職人」でもあったとか。

現代ならば、コンピューターで計算すれば、トリックアートなど簡単に生み出すことができるけれど、コンピューターのない時代に、
あの緻密な作品を手作業で、と考えると、それこそ「どうやって?」と不思議に思います。

スマホがひとつあれば、何でも調べられる、「知ったつもり」になってしまう時代だから、実際に作品や原画などに触れ、
自分の目で見るという機会は重要だなと思います。

ちょうど先月、京丹後の『森の中の家 安野光雅館』で開催されている「夏の日のローラ」展(http://www.wakuden.jp/mori/?p=597)に行き、
約1年ぶりに「小さな家のローラ」の原画を観ました。

もちろん何回も観ているし、本に描かれている絵と同じですが、綺麗に並べられたそれは、全く別のものとして目に映るようでした。

丁寧な、描く過程の積み重ねのようなものが見えてくるようでした。

物理的に見えているもの以外のものが見える、描かれた人の気持ちやモノ、自然、景色の様子、
やりとりや雰囲気など、いろいろなことが想像できます。

そして描いた人自身の思いも想像できる気がします。

読むことができる絵、言葉を描くことができる、という、エッシャーや安野先生の本物の絵を観て心豊かな時間を過ごすことができました。

というわけで、先月刊行した「赤毛のアン」の原画展を開催します!

期間は2018年9月5日(水)―12月3日(月)、『森の中の家 安野光雅館』(京都府京丹後市久美浜町谷764 )(公式サイト:http://www.wakuden.jp/mori/

さらに、10月5日から公開される映画「赤毛のアン 初恋」(http://www.anne-movie.jp)との共同企画も進行中です。

そちらは後日、新聞、雑誌、弊社SNSなどでお伝えせしますのでお楽しみに。

そこで、特別試写会&ポストカードプレゼントキャンペーンを行います。

詳しくはこちら↓
https://www.asahipress.com/ippan/news_detail.php?id=1213

原画、本、映像を通し、それぞれの良さを生かして、名作「赤毛のアン」の作品世界を、より深い理解へとたどり着くために、
そして、いつの時代も多くの人々に届きますよう、探っていきたいと考えています。


■書評掲載情報

○『神様の住所』(九螺ささら 著)
7月21日付・朝日新聞夕刊「ポップUP!」にて、かもめブックス・前田隆紀さんが取り上げてくださいました。
https://twitter.com/ayaminski/status/1020638084851830784
7月21日付・西日本新聞読書欄にて、歌人・松村由利子さんが取り上げてくださいました。
「この本は、そんな新種の花のような、誰も出会ったことのない読みものである」
「既存のいかなる書き手とも違う才能が、ここに開花したのだ」


■編集部リレーコラム2(第二編集部)

こんにちは。第二編集部の鈴木久仁子です。

暑いですね。私は夏が大好きなので嬉しい毎日ですが、みなさま、熱中症にはお気をつけください。

第二編集部の新刊、木庭顕先生の『誰のために法は生まれた』が発売になりました。小社の「高校生講義本シリーズ」の新たな一冊です。

本書は、2015年、編集部の同僚の大槻美和さん(以降〔お〕)が、木庭顕先生にお手紙を出したところから始まった企画です。

前回の編集部コラムでは、〔お〕さんが内容についてご紹介しましたので、今回は私から、制作の裏話をお届けしたいと思います。

木庭先生は、「一から疑って考えなおすということは、つねに、先端的であると同時に物事をわかりやすくする」
(『笑うケースメソッド 現代日本民法の基礎を問う』)という方で、高校生講義本シリーズにぴったりな著者の方だと思いますが、
つい先日も、木庭先生や以前の同僚の先生が、「なぜ高校生に私の授業をぶつけることを思いついたのか、そのひらめきは凄い」、
と何度もおっしゃっていました。

まわりの人にいろいろな話を聞くたび、この本を実現し、かたちにできたことが驚くべきことなのかもしれない……と感じる日々です。

当初、本書の企画を社内で伝えた際、「法学…?」という反応が生じ、編集部(といっても私と〔お〕の2名)の力不足で、
うまく伝えられていない感覚が、若干ありました。

私は高校生講義本に慣れていますし、それよりなによりこの大事な機会に勉強させてもらったほうがいいなと思い、
いつもの駄目生徒役として参加させてもらうことになりました。

2017年1月、木庭先生に最初にお会いしたのですが、お話をお聞きしていると、だんだん道が開けてくるような、
心が解放されていくような感覚を味わったことを覚えています。

桐蔭学園で行った講義は、2017年9月から11月にかけての計5回。

授業は、先生の問いと生徒の答えとで展開するソクラティック・メソッドで、一人ひとりを「個体識別」(顔と名前の一致を)して進められます。

名札もしていないのに、所属している部活、好きなもの、考え方などから、29名一人ひとりを、頭に入れていきます。

考えるより感じることが大事な講義で、木庭先生は「なによりエンジョイすること」とおっしゃっているのですが、
それが、すべての時間、空間に満ちていました。

一人ひとりが、自分の考え、自分の持っている問いを、木庭先生に、教室のみんなに、伝えたくなるのです。
教室で質問の挙手が絶えない、こういう光景を、私は初めて見ました。

紀元前の古典、日本の古典(映画)、そして現代の日本の判例を読んでいきますが、「なぜ人間はこういうことをする?」、
「○○っていうのはどういうこと?」という問いからどんどん深掘りし、紀元前の人たちが格闘していた問題、そして、彼らがつかんだ、
人間にとって大事な根本のルールのようなものを探り当てていきます。

授業では、咀嚼するのに時間がかかる、大切なこと、概念が、いくつも出てきますが、そのどれもが、
言葉で考えられ、イメージができて、その像をつかむことができるものです。

あとがきに「授業後の質疑応答は分量の問題で大幅にカットせざるをえなかった」とありますが、
カットされた内容は、領土問題、民族同士の問題、死刑などなど。

本書を読んでくださるみなさんも、さまざまなことに敷衍して考えていっていただけると思います。

生徒の発言は、すべて、実際の教室で話されていたもの、そのままです。

講義後の制作では、編集部が生徒役となり「○○なのはなぜですか?」と、知りたいこと全てお聞きし、
お答えいただいたのですが、そのお答え全ても予想を超えて面白いのです。

誤解のある至らない質問も、疑問の芽がどうして生まれるのかを捉え、根本から原稿でお伝えくださっていることを何度も感じました。
すごく楽しかったです。

木庭先生は、本作りの構想も面白く、編集部から提案したことを、いっそう魅力的なかたちで返してくださいます。

講義の内容は授業のままですが、講義部分以外のさまざまな届け方の工夫は、著者の構想によるものですので、そちらもお楽しみください。

本のタイトル『誰のために法は生まれた』は、木庭先生が長く温めていたタイトルです。

装丁は、鈴木成一さん、岩田和美さんにお願いしました。

ビジュアル方面については〔お〕さんのほうがこだわりがあるので、私はちょっとした整理とお願いのご連絡のみ、あとは見ていただけなのですが、
鈴木成一さんは、私たちより木庭先生の講義の大事な部分をつかんで、かたちで示してくださっている……と感じる場面が、
(今回も)何度も訪れました。

紀元前の古典を絵にする、という難題に取り組んでくださったのは、ササキエイコさんです。

ササキさんは、さまざまな素材を使って、コラージュとペイントで絵を描かれていますが、シャープな線と、
多くのモチーフを組み合わせる構図で描かれることが、今回の新たな試みだったそうです。
(ちなみに、カバーの作品は、以前、別の雑誌で描かれたもので「建物の中でラジオを聴く」というイメージで描かれた絵です。
鈴木成一さんがこの作品を、とご考案くださいました。見た人それぞれがイメージを呼び起こさせられる不思議な魅力に満ちた作品です)

木庭先生がおっしゃっている、「いちばん良いものが、いちばん伝わる」ということ、私もそう思っています。
そして、著者のみなさんのいちばん良い部分をお届けできるといいなと、いつも思っています。

一人ひとりが本当に自由になるにはなにが必要なのか。透明性はどうすれば生まれていくのか。言葉で問題を解決する。言葉で社会をつくる。

その土台となる本として、これから長い射程で本書を届けていきたいと考えています。


■書店フェア、好評開催中!

◯3人の研究者たちが深く楽しく案内する「“学びを促す”本たち」フェア
言語学とAI、変形菌の世界、動物行動学と心の進化学び……
それらに軸足を置きながら知識の領域を広げていくような本がたくさんです。
・青山ブックセンター本店さん
https://twitter.com/asahipress_com/status/1021660104385417217
・東京堂書店神田神保町店さん
https://twitter.com/asahipress_com/status/1021301163939909632


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

今週末、浅草・台東館で開催される「BOOK MARKET 2018」に二日間出店します。本の作り手・売り手と読者がつながる本の産直市。

今回は10回目となる節目の回、朝日出版社も4回目の参加です。

ブース設営するのもたのしいし、他の出店ブースをみるのも勉強になりますし、なによりお客さんと本を前にしてお話するのが幸せな時間。

「ジョンダリ」なる、台風12号の動きがとても気になりますが……特大のてるてる坊主をつくって祈りたいと思います。

出店社のひとつに、本の雑誌社さんもいらっしゃるのですが、新刊の『旅する本の雑誌』がすばらしく素敵な一冊でした。

一昨日、神保町の東京堂書店さんで見かけて即レジへ。

文芸担当者さんと、「いやこのペーパーバック感最高ですね、牧野伊三夫さんの装画が良すぎます」などと交わしました。

いろいろな町に行って、縁のある作家の本を読んだり、本のある空間に行ったり、小説の舞台となった場所に行ったり。

執筆陣の中には『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』に寄稿いただいた方々も多くいらして、嬉しく思いました。

ぜひ、書店店頭でお手にとってみてください。
https://twitter.com/asahipress_sake/status/1022034132015230977

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