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朝日出版社メルマガ 第53号(2020/07/02発行)

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朝日出版メルマガ 第53号(2020/07/02発行)
https://www.asahipress.com/


今号のコンテンツはこちらです。

■新刊のお知らせ
■これから出る本のお知らせ
■重版出来!
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム(第五編集部・綾女)
■Webマガジン「あさひてらす」
■あとがき(編集後記)

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■新刊のお知らせ

『TOEIC(R)テスト YBM超実戦模試リーディング500問Vol.1』
YBM TOEIC研究所 著 (6月27日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255011882/


■これから出る本のお知らせ

『本の読める場所を求めて』
阿久津隆(「fuzkue」店主) 著 (7月16日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011875/


■重版出来!

『銀河の片隅で科学夜話』 ☆5刷決定!
全卓樹 著
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011677/


■今号のイチオシ電子版

『おとぎの国の夢折り紙』
川崎敏和 著(2016年12月16日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255009759/

新型コロナウィルスの感染拡大でステイホームを余儀なくされ、みなさんはどんな「おうち時間」を過ごしましたか。
オンライン飲み会やあつ森に夢中になったり、運動不足解消のために15年ぶりに復活した
「ビリーズブートキャンプ」で汗を流したり(息を切らしたり)、
Netflixの韓国ドラマ「愛の不時着」に胸キュンするなど……、さまざまな過ごし方をしたことでしょう。

「料理」「運動」「映画・動画鑑賞」「ゲーム」「読書」「断捨離(家の掃除)」などが
上位を占めていますが、マスクをはじめ「手作り」にハマった人も多いはず。

本書は、「カワサキローズ」で有名な著者が、絵と物語の世界で楽しむ立体折り紙のノウハウを
絵本仕立てで表現した一冊です。
こよなく愛する『星の王子さま』に登場するヒツジやバオバブ、気位の高いバラ、
そして王子さまに「大切なこと」をおしえてくれたキツネ……。
絵本をめくるように楽しみながら色紙を折ると、まるで博士の呪文にかかったように「ヒツジ」が、
「薔薇」が、「キツネ」が、立体的に立ち上がってきます! 

その他にも、ブロック感覚でつくる「銀河鉄道」や「シンデレラのお城」などの超大作など、
魔法のファンタジー折り紙が満載です。

7月の「営業部員がおススメする今月の本」は「手作りで夢を広げる! 折り紙特集」です。
ぜひ、お気に入りの一冊を見つけてお楽しみください!
https://www.asahipress.com/special/kongetsu-no-hon/202007/


■編集部リレーコラム

第五編集部の綾女です。

なにかの地雷を踏んでしまったのか、このところ鳥取のカナに困っています。「カナ」というのは、鳥取出身の自分を定期的にフォローしてくるHなアカウントのことで、たとえばこんな感じです。

カナこりん★不倫妻鳥取
“20代人妻・お互い割り切ってセフレになれる人募集です・・愛人募集エロ垢作りました♪エロい人と繋がりたい・・もちろんリアルに会ってHしてくれる男性希望だよー! 誰かいないかな?”
なにかの地雷を踏んでしまったのか、このところ鳥取のカナに困っています。「カナ」というのは、鳥取出身の自分を定期的にフォローしてくるHなアカウントのことで、たとえばこんな感じです。

※このテキストだと絵文字が表示されず以下を想像で補ってご覧ください……
(kk)=星3つのキラキラ (oo)=目を丸くした驚き顔文字 (h)=振動するハートマーク
(hh)=目がハートの顔文字 (lp)=厚い唇キスマーク (ss)=汗汗汗 (um)=馬

カナこりん★不倫妻鳥取
“20代人妻(kk)お互い割り切ってセフレになれる人募集です(oo)(oo)愛人募集エロ垢作りました♪エロい人と繋がりたい(h)(h)もちろんリアルに会ってHしてくれる男性希望だよー! 誰かいないかな?”

かなな(oo)不倫妻鳥取
“定期的にHできる人募集~まずは相性確かめよ(hh)(hh)(lp)不倫妻あまり大きな声じゃ言えないけど、わたし、昔っからエッチなことが大好きなの(oo) こういう場くらいしか言えなくて……。最近、いろいろ溜まっていて、一人じゃ我慢できない(ss)良ければ今から誰か大人の関係ありであってもらえません?”

カナぴょん(kk)裏垢鳥取
“お互い割り切ってセフレになれる人募集です(oo)(oo)(lp)(lp)(lp)愛人募集即会いHしてくれる男性を探してるよ(h)相性と性格重視(kk)(kk)(kk)

と、いまこうして自分で一字一字打ってみると「即」「割り切って」「顔は気にしない」のが共通する性格のようですが、こちらの第一印象は「いま俺いるの、鳥取じゃなくて東京なんだけど……」でした(もちろんそういう上京者を見越して「帰省したら」というケアも完備されていたりすることに後に気づきます)。

各アカウントのツイートは「誰かお願いしたいなぁ。。。」「性欲強いので会ってセックスしてくれる人募集だよ」「今暇なので会える人いたらDMください」といった要請で、もちろん「いいね」をしてる人はほとんどいないのですが、気になるその若干名のフォロワーを見てみるとこれも「かなりん▲愛人募集鳥取」「カナっぺ★不倫妻鳥取」とかでどうやら地産地消率が高め。そういったフォロワーの中に「鳥取カレー研究所/鳥取カレー研究所は、カレールウの消費量日本一(最近の調査では2位)の鳥取市を中心にカレーによる地域おこしを行ってきた……」という県民なるほど情報が眠っていることもごくたまにあるので見逃せません。

とにかく定期的にこうしたカナのフォローを見つけてはブロックするのを繰り返してはいるのですがそれが止む気配はなく(フォローしてくるタイミングにはアルゴリズムがあるようで、外出自粛要請の強かった時期には活動がおとなしくなるというのもなかなかリアルな感じでした。いや、逆でリアルに活発だったからなのかも)、@zL7OzyUYVRcK5zとか@rPgGA5LFlLpIT0cとかのドコモの携帯の初期設定のようなアカウントで「Twitterを利用しています」のもその月から、プロフィール写真はインスタ盛り盛りな明るめのものばかり(どこから写真を取ってくるんだろう……)リサーチとはいえ即DMを出して即渦に巻き込まれる割り切りがまだ湧いてきません。

でも、どうしてカナなんだろう? マナじゃダメなんだろうか?(マナカナファンの方、すみません)と思って「島根 不倫」とツイッター検索してみると出てくるのは「カナピー(hh)不倫妻島根」「カナまる▲不倫妻島根」「カナ▽不倫妻島根」(……と以下すべてカナ)、あれっ?と思って「宮崎 不倫」と打っても出てくるのは「かなにゃ(hh)不倫妻宮崎」「かなにゃん(um)不倫妻宮崎」(←馬の絵文字にご当地感)「カナきゅん(oo)不倫妻宮崎」(……と以下すべてカナ)、「山形 不倫」でも「カナちゃま(h)不倫妻山形」「かなちゃん▼不倫妻山形」「かなめる(lp)不倫妻山形」(←捕まえる意の「しぇめる」という山形弁に関係あるのかな)「カナぷー(hh)不倫妻山形」(……と以下すべてカナ)と、隣(島根)も西も東も「首都大学東京」みたいなノリでカナでワンチームなのにはびっくりしました。

47都道府県すべてで「◯◯ 不倫」と打つほどの検証はまだまだこれからなのですが、これは世のカナさんたちは怒っていいのかもしれない(いや、別に怒らなくてもいいのかもしれない)、というか世の妻の方々は怒っていいのかもしれない(いや、それも別に怒らなくてもいいのかもしれない)……と、親から「名前を最初『かな』にしようと思っていた」と告げられた妹のいる自分としてはちょっと複雑な気分です。

でもそんな検索をしているとそんなアカウントのフォロー襲撃に連動しているのか、微かな異常を検知して見てみれば「綾井叶」「泡丸可南」に立て続けにフォローされていて、声に出して読めば「……やっぱりカナじゃん!」と、今度は裏垢戦国時代に突入するのでありました(そしていま検索したら両アカウントは消えていました)。それでも、

「今知っていることがほんの一部だっていうのを、ちゃんとわきまえておかなくちゃいけないと思う。」

と、ウィトゲンシュタインの「語りえないことについては、沈黙しなければならない」と対になりそうな哲学的なツイートをカナぴょんがたまにするものだから、いつか『別レイヤーで生きるためのときめき裏垢名言集』みたいなものがつくれないかと、せっせとスクショするのです。こういう真空を見かけて思い出すのは、ときたま新聞に踊る「すごい… みなぎる活力。あふれる自信。 150万箱突破!!」「“イナズマ級”の男性力 たちまちやってくるのは“グングン”突き上げる「高揚感」」といった謎サプリメントの広告とロラン・バルトの『表徴の帝国』との関連性なのですが、これはまた今度……。

   *   *   *

ところで来月、スタッフたちと一緒に編集担当した本が発売されます。初台と下北沢で、「本の読める店」とうたう「fuzkue(フヅクエ)」を営む阿久津隆さんの新著、『本の読める場所を求めて』。

日々の読書の喜びを綴った浩瀚な『読書の日記』(1冊目は1000ページ超え!2冊目も700ページ弱)で知られる阿久津さんですが、今回の本は「本はあっても、落ち着いてゆっくり読める場所が街のどこにもないじゃないか!」と気づき、行く果てはそんな場所(店)を自分で作ってしまったその思考と実践をなぞる一冊です。安心の288ページ。
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011875/

しかし本は新刊だけで毎日200冊近くも出ているのに、みんな、いつ、どこで、どうやって読んでいるんだろう? という問いもその答えも考えてみれば、先ほどのカナぴょんの無知の知ツイートのごとく、真空です。自宅で夜、浅めのお風呂に浸りながら、という人もいれば、日中のドトールでないと読めない、という人もいる。音楽が流れていると読めない、という人もいれば、プログレをがんがん聴きながらページをめくる人もいる(おそらく)。布団の中うつ伏せになって読むのが至福な人もいる。

僕の場合はわりと自宅の机と椅子で律儀に派なのですが、みなさんはどうでしょうか。洗濯機を回しては干しコンビニにお使いに、などなにかと落ち着かない自宅を飛び出した阿久津さんは、ブックカフェを手始めに、カフェ、喫茶店、バー、パブ、図書館と「本の読める場所」を求めて街をさまよいます(それがほとんど小説のように、軽妙に語られます)。が、どこも確実な打率で読むことはできない。では、「じっくりゆっくり、心ゆくまで」本を読むためには、どんな条件が必要なんだろう――と、場の設計を考えることから「読書という行為」の本質が浮かび上がってくる。いわく、読書とは排他的で過剰に非生産的(あるいは生産的)なおこないゆえに「不気味な行為」である、と。

その先に、店づくりとともに展開される「読めるための条件」の話は、結婚式での聖書からの唐突な引用に異議を唱える阿久津さんが登場するくらいですから、いち読書論、本や本屋の話を超えて、「ともにある」ことはどのように尊重されるのか、と会の公共性にまで広がっていきます。今回の世界的な自宅生活を経て再発見された「場」の持つ力、さらには「場」を超えたあらたな公共の可能性……へと考えは広がって、そして笑える。余韻あふれる素敵なイラストは田渕正敏さん、本の佇まいをデザインくださったのは有山達也さんと山本祐衣さん(アリヤマデザインストア)。俳優の片桐はいりさんに推薦文をいただき、帯の裏側には、本文から阿久津さんの言葉をこう引きました

「ただ本があって、光さえあれば。だから僕たちはいつだってどこでだって本を読みたい。」

本の中で、阿久津さんが祖母の葬儀の際、火葬場の控え室で本を読んでいて、あとで親戚に「あれはないと思うよ」とたしなめられたというエピソードが出てきたので、ゲラのその箇所に「自分も大学で試験監督したときに本を読んでいたらあとで教務室に呼び出しくらいました」と書き入れたのですが、阿久津さんの赤字は「それは仕事を放棄していたからでは笑」と冷静。あ、そうか!と納得。はしたものの、昔、試験中に教壇を「本の読める場所」化して読書していた教授っていませんでしたか……?

とにかく、「本の読める店」fuzkueは初台店も下北沢店も、本をゆっくりなんの気兼ねもなく読めるとても素敵なお店なので、近隣の方はぜひ本を片手に夏の週末、いかがでしょうか(その本が『本の読める場所を求めて』だったらさらにうれしいです)。近隣でない方も、「#自宅フヅクエ」でいまツイッター上に広がる「本の読める場所」に参加できます。本は7月15日ごろから順次、本屋さんに並ぶ予定です。村上春樹さんの新著の横に置かれないかな……。


■Webマガジン「あさひてらす」

朝日出版のWebマガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
https://webzine.asahipress.com/

・出張版 備忘録『手の内を知る相手』(2)
https://webzine.asahipress.com/posts/3644
・文士が、好きだーっ!!/鱒二の言語センスはすごいでがす!
https://webzine.asahipress.com/posts/3758
・日中いぶこみ百景/行政単位を考える
https://webzine.asahipress.com/posts/3695


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

今週月曜日より開催されている「書店向けWeb商談会β版」に出展しています。
https://dms838.wixsite.com/web-shodankai

“書店さん、オンラインで商談してみませんか?”をコピーに、出47が出展。
書店員であればどなたでも無料参加できる、あたらしい取り組みです。

実行委員の方からお声掛けいただき弊も出展することができ、
本日までの四日間で19の商談を終えました。

以前よりやりとりのある、ひさしぶりですねの商談も、
はじめましてのきりっとした商談もとてもありがたく思います。

不慣れなもので初日はイヤホンを付けずに臨んでいたら、
お相手の声を聞きとるのに意識を集中させ過ぎて披露困憊状態に。

二日目はイヤホン装着で快適聞きとり、三日目にはマイク付きイヤホンに進化しました。

「そんなの基本装備でしょ」という真っ当なご指摘が裸耳に入ってくるようで痛しですが、
何事もまずやってみることだなと本日までの所感です。

オンラインで完結するものとは露ほども思いませんが、画面越しにでもお顔を拝見しながら
商品のご案内、意見交換をできるのはすごく嬉しいです。

次はお伺いして本の紹介をし、展開提案をするぞと今たのしみに思っています。
ご好評をいただき、開催期間が2週間延長となりましたので、全国(全世界?)の
書店員さん、ぜひご参加お待ちしています。

オンラインブースでは新刊のご案内、売行き良好書のご案内から新規取引相談、
漠然とした本・書店まわりの雑談まで大歓迎です。
(もちろん、いただいたお時間の分、売上がでるよう努めます!)

 * * *

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ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
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