朝日出版社メルマガ 第41号(2019/12/25発行)
朝日出版社メルマガ 第41号(2019/12/25発行)
今号のコンテンツはこちらです。
■新刊のお知らせ
■書評掲載情報
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■Webマガジン「あさひてらす」
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■あとがき(編集後記)
━━━━━━━━━━━━━━━
■新刊のお知らせ
『岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~』
鷲田清一 著(12月19日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011417/
『2020大学入試 関正生が予想するファイナル時事英語』
関正生 著(12月20日発売)
https://www.amazon.co.jp/dp/4255011508/
■書評掲載情報
○『絵を見る技術』(秋田麻早子 著)
12月21日付・朝日新聞読書欄「売れてる本」にて、椹木野衣さんにご高評いただきました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S14302430.html
■今号のイチオシ電子版
『ぼくは0てん』
山縣良和 著(2019年12月5日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011455/
いつも「0てん」ばかりとっていじめられていた主人公の「ぼく」が、
「点数」「クズ」「ゆうめい」といった “レッテル貼り”“他人の評価”から自由になり、
自分の得意なことを見つけ出していく――。
本書のストーリーは、世界も注目するブランド「リトゥンアフターワーズ」の
ファッションデザイナーである山縣良和さんが、故郷の鳥取へ帰る深夜バスの中で思いついたもの。
勉強ができず自信を持てなかった子ども時代を過ごし、イギリスへと飛び立っていった自身の半生に重ねています。
5てん、12てん、38てん、68てん、78てん、85てん、100てん……など愛らしい「てんすう」たちのキャラクターが登場。
そんな仲間に囲まれて、くやしかったり、がっかりしたり、おちこんだり、心がおれそうになった「0てん」くんが見つけたじぶんの道とは?
現在、特設サイトで「じぶんの『ぼくは○てん』『わたしは○てん』をつくってみよう」
( https://www.asahipress.com/special/reiten/ )を展開中。
無料公開しているワークシートを使って、「◯てんくん」「◯てんさん」のキャラクターで
オリジナルのストーリーを作ることができます。
ワークショップや授業などさまざまな教育現場で活用でき、完成したものは投稿フォームからアップロードが可能。
作品の一部は新しい作例としてサイトで紹介する予定なので、どしどしご応募ください!
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
第五編集部の藤川です。
クリスマス、街の灯りが美しく映える季節になりました。
一昨日は照明デザイナー・石井幹子さん主催の忘年会でした。
今年は娘さんの石井リーサ明理さんもいらっしゃり、
拠点にされているパリの作品や報道の様子などを伺うことができました。
石井幹子さんはこれまで、東京タワーやレインボーブリッジなどのライトアップなどを手がけ、
照明デザイナーの先駆者・第一人者として世界で活躍されています。
今年は文化功労者にも選ばれました。
とくに印象的だったのが、
2018年、パリ・エッフェル塔のライトアップ。
テーマは「日本」そして「自由・美・多様性」。
純白に輝くエッフェル塔に、真っ赤な太陽が重々しく昇る作品は、
「日出ずる国・日本」を表現。
続いて青と赤の光が交差し照らされ、
日本とフランス、二国間の自由な交流と友情を演出しました。
次に、尾形光琳の『燕子花図屏風』をイルミネーションに取り込んだ日本の「美」。
金色に染め上げたエッフェル塔に、屏風絵がゆっくりと動きながら映し出されました。
当時、パリ市サイドも、
「エッフェル塔は骨組みだらけの構造物だから、映像を写しても見えるわけがない、
これまでもプロジェクション・マッピングは成功したことがないから無理だろう」と言われていたのだそう。
ただ、幹子さんも明理さんも、そんな言葉に臆することなく、
それまでの経験、ノウハウがあり、精密な計算をすればはっきりと映ると、
何度も掛け合い、仮の実験をして堂々と証明されたそうです。
ではどうやって「穴だらけの塔」に精緻な燕子花を描くことができたのでしょうか。
その鍵は「残像」でした。
静止画をパッと映しただけでは、骨組に映像が落ち込み、平面の画として認識できない。
映像をゆっくり動かすことで、見る人の目には「残像」が残り、頭の中で画像の全体像を再構築されるのだそうです。
人間の持つ能力もすごいけれど、
それを利用し様々な創意工夫と経験をもとに緻密に計算された人(石井さん親子)もやはりすごいなと、改めて思いました。
石井幹子さんは、
「高層ビルからもれる光は過度に明るい。
私たちは“暗みの美しさ”というのを忘れていると思う。
じっと目をこらすと見えてくる方が、本当はきれい。」
と言います。
2019年は特に、「写真映え」が注目された年だったと思います。
2020年、石井さんは、
東京の下町やオリンピック会場のそばにかかる橋などのライトアップを手がける予定です。
写真を撮るよりも、しばらく自分の目でじっと見ていようと思わせてくれるような作品をぜひ見に行ってみてください。
それでは、
来年も、美しく、優しい明かりが皆さまにも照らされることを願って、
ご挨拶とさせていただきます。
良い年末と明るいお正月をお迎えください。
■Webマガジン「あさひてらす」
朝日出版社の Web マガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
https://webzine.asahipress.com/
・洪道場の白黒さんぽ/新井満涌初段の心の一局(3)「憧れの棋士③」
https://webzine.asahipress.com/posts/2850
・日中いぶこみ百景/カラスのくちばし
https://webzine.asahipress.com/posts/2962
・16の書店主たちのはなし/詩歌専門書店「文鳥堂」の店主のはなし
https://webzine.asahipress.com/posts/2407
・ちょっと隣の芝を見に──職業イヤイヤ探訪記/シルバー人材センター小川さんとのペットボトルの思い出
https://webzine.asahipress.com/posts/2900
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
こんにちは。第二編集部の鈴木久仁子です。
ここ最近は、寒いけれど気持ちの良いお天気がつづいていますね。
この間、観た映画は『蜜蜂と遠雷』(映画館がお薦め。天才たちの互いを引き上げあう競演)
『天気の子』(私は前作がだめだったのですが、これには心が動かされました)
まだ誰にも話していませんが、どうしても見たくなって買った写真集は『Sincerely yours...』(笑顔がかわいいです)。
もうすぐ2019年が終わりますね。みなさんは、どんな一年でしたでしょう。
私は小山あり小谷あり、そして崖あり(10月末から視界不良になり、12月頭に転落)
いまは谷底にある草むらでピクニックをしている気持ちでいますが、
トータルでは、今年もまずまず楽しい一年でした。
崖というのは、どこにでもある、つまらない私事で恐縮ですが、恋人との別れで
私はこの17年くらいのあいだに、同じ人に7~9回、ふられています。
(と言っても、私が付きまとっているわけではないですよ…)
周期のはっきりしないオリンピックみたいにまわってくるのです。
しかもなぜか毎回、全力投球で「きみじゃないとだめだ!!」と訴え、
相手の人はそれを振り切る振り切る、清々しく散っています。
そんな近頃ですから、別れたやつはだいたい友達、
剛力彩芽を見かければ、あぁっ、剛力さん!…と近寄って見てしまうのですが、
「グータンヌーボ2」で剛力さんが「あんな人、あんまりいないから…」と話しているのを見て、
うーん…確かにそうかもしれないけど、でも…よかったのでは?
なんて思ってしまう、でも、人のことはそう言えるんですよね。
私の場合、二度あることは三度あるの上限を超え過ぎているので、
全力投球はいいけれど、この懲りなさ・粘り強さは仕事で使い果たしたほうがいいと思いますね。
* *
はじめて、著者に、本を書いてほしいという手紙を書いた日は、
一階にある、郵便物をまとめて置いているプラスチックのかご置き場を何度も見にいってしまいました。
封筒が風に吹かれて、どこかに飛んでいくんじゃないかと心配だったからです。
その人との本は、5年後にできあがりました。
だんだんわかってくるのですが、本のオファーというものは、ある時点まで、
引き受けてくださったのか、断られているのか、よくわからない状況のほうが多いです。
お返事をもらえないことも多く、それはお断りされているのでしょうね。
でも、返事をもらえなくても、その人が出るイベントなどに通っていると、時間をもらえることもあって、
それで、いま、お仕事している方もいます。
時間をいただいてお話ししても、私は、打ち合わせが苦手で人見知りでもあり、
初対面の人と話が弾むなんて、相手のおかげ以外はないので、
帰り道、「これは無理だ、無理だな…」と、気まずかった時間を思い返し、
「頑張って気持ちが伝わるように話せたのって20秒じゃない? もうちょっとはやろうよ…」
などと反省しながら会社に戻ることも多いのですが、その後、本をつくることになる、私はこのパターンが最多。
初めて連絡した人に、はっきり完全に断られることは、あまりないのですが、少し前、それがありました。
時間をかけて準備し、お手紙を書き、その方がお話する場所に行き、手紙をお渡ししたら、
翌週、メールでお返事をもらい、すぐに時間をとってくださいました。
緊張しながら会いに行き、まごまごと話し、それで…どうでしょうか…とお尋ねしたところ、
「私は、こういうことは明確にお答えするべきだと思っています。
いまの仕事状況で、鈴木さんから依頼された仕事に時間を割くことは不可能です。お断りします」
と言われ、…えっ?、ハッ…!と驚き、心が動揺して、ちょっと涙目になりかけました。
そのあとも、いろんなことを話してはくださるので、つい、こざかしく
「じゃあ、こういうかたちはいかがでしょう…」などと口にしてしまったのですが、
「条件闘争をしないでください」と眉毛をさげて○○先生、「あっ!、すみません!」と私。
その人は、文章を書きたいとは思われていて、自分でずっと書き続けているのですが、
(それは、私がお願いしたものとは違うもので)
誰か他人から求められるとか、出版社で本になるかどうかとか、そういうことはまったく関係がないのです。
それを聞いて、…うん、それでこそ○○先生だ…!、良いと思う、と思いました。
この面会の前、その週末に開催されるイベントへ「行きます!」と予告してしまっていたので、
数日後の土曜日、その会に出掛け、遠くからお話を聞いていました。
やっぱり面白いな、私がお願いした方向で本をつくるの、たぶん良いんだよな…とも思うので、
数年後、状況に変化があるかもしれないし、一年に一度くらい、連絡してみるかもしれません。
私は、仕事で苦手なこと第一位が、打ち合わせで話すということで、
以前、私が社内アナウンスをした(それは単純な人の呼び出しでしたが)その直後に
他の部署の部屋のドアをバッと開けたら、「相変わらず何言ってるかわからない」と
社内の人が独り言を言っている場面に遭遇したこともあります。
そんな私でも、ごくたまにですが、するっと引き受けてもらえる幸運パターンがあって、
最近、するっと(一応、話は、という段階ですが)引き受けてくださって嬉しかったのは、近藤滋さんです。
近藤滋さんは、さまざまな生物のかたちや、模様ができる仕組みを研究し、
そのロジックを解明しようとしている発生学の研究者です。
様々なもののかたちは、既にそんなふうにできている、しかも何万年も前から、そのかたちで存在するので、
どうしてそんなかたちになっているのか、わからないことばかり。でも、
“生物の「かたち」は千差万別、しかも、「ひとりでに」、「正確に」出来上がる。
設計図を基に「外から」作られたものではない。だから、おそらく背後にある仕組みは、単純に違いない――"
(生物の形づくりの謎を解く“カブトムシ角風船”より https://bit.ly/34W0n46 )
そう考える近藤先生は、骨はどんなふうにできていくのか、シマシマ模様は、ひびわれ模様は、貝のかたちは?と、
さまざまな生き物のかたちを探究されているのですが、
その解明の仕方、論理の確かめ方に、冒険心と遊び心があって、
しかも、「あ、こうなっているんだ!」と見てわかるような気がしてきて(難しいのですけれど)それが楽しいのです。
なんでこうなっているのか。どういう原理なのか。その原理がどう動き、それがどう展開していくか。
わかったことと、おそらくこうなのではないかという仮説。
それをつかむために世界へ出かけて見にいくこと。
異なるものが、どんどんつながって、すっと線が通っていく、その過程がスリリングで
「この宇宙をつくっている原理の一端」に触れたような気持ちに(『波紋と螺旋とフィボナッチ』より)なります。
11月末、広島大学で、近藤先生の2日間7コマの集中講義があり、自主勉強のためにお邪魔させてもらいました。
今回の授業の内容は、『波紋と螺旋とフィボナッチ』に続く2冊目の本(学研メディカル秀潤社さん刊行)に
入るものですが、近藤先生にOKいただいたので、ちらっとだけ触れますと、
https://www.fbs-osaka-kondolabo.net/blank
クマカサガイという貝は、放射状に他の小さな貝殻をつけて、かたちができあがっていくのですが、
これは一体どうしてできていくのか、貝のニーズを、貝のつもりになって考えてみたり、
カブトムシのツノの、脱皮する前の、しわしわの中身、
ぐちゃぐちゃに折りたたまれているものが、どうして、2時間ほどで、あのツノのかたちがバッと出来上がるのか、
しわしわの3D構造の謎を、数箇所に切り分けて検証していったり、
コスタリカのヨツコブツノゼミ。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/269653/030600050/
ものすごく小さくて、生まれてからほとんど動かない虫なのだそうですが、
とても複雑なかたちのツノを持っていて、それが20分ほどで、幼虫から羽化するときに突然あらわれるのだそうです。
これが解明できれば、あらゆるかたちの作り方の原理がわかるはず……と。
(詳しくは、近藤滋さんの研究室のHPをどうぞ)
私は、高校生の連続講義をお願いしているのですが、
近藤先生がいま、取り組まれている2冊目の本の執筆が終わったところで、
授業の組み立て構想がスタートしますので、しばらくは執筆が進みますように…とお祈りしているところです。
* * *
ふだんの仕事では、自分の話は(不要なので、テーマに関係すること以外)しませんが、
付き合いの長い著者2名と、面倒見のすごくいい訳者1名には、ちらっとだけ話したりもします。
それと、あともう一人、ミロコマチコさんは、出会いが、仕事ではなく、
牧野伊三夫さんという画家の方に、私が本の装画をお願いしていて、
そこにミロコさんも遊びに来ていて、一緒にお昼ご飯を食べ、トランプをして、
その後、時には私の謝罪や絵の追加のお願いが始まり、その様子を陰からミロコさんが見ている…
そういう出会い方だったので、たまにお会いできるとき、
ミロコさんとボソボソおしゃべりするのを楽しみにしています。
11月半ば、そんなミロコさんに、私の近況を話したところ、
「(相手の人は)奄美に来ればいいんだと思います」
と、ミロコさんが数ヵ月前から住み始めた奄美の話になる。
近所に住んでる、ちょっと素っ頓狂でかわいくて白いおばあちゃんの話、
絵に描いたような金持ちとのバーベキューのことなどなど、奄美の話おもしろい。漫画で読みたい。
ブロンズ新社さんの連載「ミロコあたり」は読むのがくせになりますが、
http://www.bronze.co.jp/serial/
ミロコさんが奄美生活に入ってから、書きたいことが次から次へと湧き起こるのだそうです。
私の元上司(いまはフリーで編集の仕事をしている赤井さんという人)は、恒例の忘年会で慰めてくれたのですが、
「(相手の人は)乗馬をして心身を鍛え直せばいいと思います」
と、乗馬の話になる。
乗馬を始めて何年かは確認し忘れましたが、元上司は上達して、いまや上級コースに。
赤井さんの先生が、600キロを超える馬を相手に、苦労しながら
気持ちと呼吸を通わせようと練習しているところを一人でじっと見学していることや、
1964年の(「いだてん」の)東京オリンピックに出て、2012年ロンドンオリンピックにも出場、
2020年東京オリンピックをも目指しているという法華津寛さん・78歳の話など(かっこいい!)、
乗馬の話、おもしろい。
https://www.nikkansports.com/olympic/column/edition/news/201902270000332.html
赤井さんは、私がぐるぐる回りながら、怒っていたりするとき、
たとえば、ある著者…トランペットを吹いてて、迫力があると思われているけど、とびきりチャーミングな著者に
「お寿司をおごります」と言われても怒っていたとき、
こうでこうで、ああでこうで、どうしてどうして○○○○○○○○と言っている私に、
「仕方ないでしょう。鈴木さんの仕事が遅いんだから」と。
えっ? それ、この話に関係ある…?と驚き、納得するわけではないのですが、
ぐるぐるしていたものが、思ってもいなかった方向からパサッと切られる感覚があります。
担当したある本が、もっとずっと、何倍も評判になっていい本なのに、
この本は○○○○○○○○、どうしてどうして、あの人もこの人も○○○○○○○と私が言っているとき、
「すごい本過ぎて、みんな軽々しく触れられないんだよ」と。
…え?
このときは、私のぐるぐるを切るために、本心ではないことを言ってみているのでは?
と確認してみました(否定されましたが)。
今回も、パサッと、風が切っていくようなことを言ってくれて、気持ちが晴れやかになりました。
(晴れやか効果は20時間ほど。でも切断効果はいまも持続。ありがたいことです)
美味しいご飯を食べ終わり、赤井さんと駅に向かって歩いているとき、
「でも、本は読んだほうがいいよ?」と言われました。えっ…? 知っていますが……あらためてどうした。
そんな一方的に世話になるばかりの元上司インタビューはこちら↓
https://webronza.asahi.com/culture/articles/2019120900002.html
末井昭さんと打ち合わせしたときは、
43歳で、これからまた新たにって…いやぁ…厳しい~、とこぼす私に、末井さんは
「5歳くらいサバ読むっていうのはどうですか?」と言いました。
その先になにがあるんだい?
1月16日(木)、青山ブックセンター本店で、雨宮処凛さんと末井昭さんの自殺会議を開催します。
http://www.aoyamabc.jp/event/kaigi/
ぜひお越しください。
先週は会社の忘年会でした。社長賞は『絵を見る技術』を担当した〔お〕さんです。
数年前の忘年会の最中、
「本当は、私は〔お〕さんが社長賞だと思うよ。社長賞じゃないの、おかしいと思う」
とボソボソ話していたので(その年も〔お〕さんがとても素敵な本をつくった年だった)
さすがに今年はね。よかったです。
〔お〕さんは、「鈴木さん、傷心ですし、社長賞でおごりますよ」と言ってくれましたが、
「いや、いいよ。私がもらったとき、そういうことしてないじゃん」と話したら、
「あっ、そういえば。確かにそうでしたね」と〔お〕さん。こんな先輩ですみません。
ふられたので、ちょっとだけ、のろけさせてもらうと(それはのろけになるの?)、
相手の人は、剛力さんの元恋人より、数歳年上で、
週4でバイトをし、月収は中3の年齢くらい、週4で働くことそれ自体に始終文句を言っていて、
本業はきれいなものをつくりだしている人で、
だから突然大金持ちになるかもしれないし、それは死後かもしれない。
見た目は宮本浩次を短髪にして、ひょろっと細長くした体型で、
(※言っておきたいですが、私が宮本浩次を心から好きなのはこの話と全く関連がありません)
人前ではサービス精神旺盛、気遣いと愉快な人ですが、ふだんは大抵いじけています。
ね、これはかわいいでしょう。まあ、7~9回までは、しかたないですね。
また取り留めなく、長くなりました。
このメルマガは、いまのところ、会わない友達に手紙を書いているみたいにしか書けなくて、
直接的な仕事相手は一人も読んでいないことをいいことに、秘密通信みたいな気持ちで書いています。
秘密通信を書いていると、これから一度も会うことのない人にであれ、ちょっと心を開くことになるので、
末井さんが「ブログを書くと、心にふっと風が通る」とおっしゃっていたのが、少しわかるようになりました。
ですが、もうちょっと役立つ情報もお届けできるようになりたい、とは思っています。
(いつにもまして今回はごめんなさい。しかもクリスマス配信なのに。今回は心が動くことが限定されて、これ以外は無理でした)
いま、書きながら決めましたが、来年から、4回に1回は、下手ですけれど本の感想を中心に書きます。
少し前、時々会ってる高校の友人、元バトミントン部4人のグループラインに、
ひろみちゃんから、「昨日誕生日だったよね? ☆Happy birthday☆ 何もらったかなー?」
とラインが入り(☆は本当はハートマーク。昨年の元恋人からのプレゼントは小さなサボテン。
しかもサボテン謎の2回目。私はサボテンが特に好きなわけではありません。友人はそれを知っているので)
あ、実は…と伝えたところ、数回のやり取りのあと、
「別れといえば。母が先月亡くなったの。」という文字を見て、椅子に座りなおす。
突然の心臓発作だったようで、12月1日に葬儀を終えたばかりだといいます。
ひろみちゃんは、8月、学校の夏休みの宿題で編集部を職場訪問してくれた、中3のさとちゃん(仮名)のお母さんです。
さとちゃんの職場訪問レポートは満点だったそうで、ホッとしました。
さとちゃんへ、冬休みお薦め本があったら教えてほしいとのこと、
夏は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』にしたので、今度はどうしようかな、
さとちゃんはなんでも読めるから、『夏物語』にしようかと考えています(『ヘヴン』は伝え済み)。
立教大学に2本並んでいるクリスマスツリーは、大きくて立派で、素朴な可愛らしさがありました。
https://drive.google.com/file/d/1KI6mD0S2Nq_HGkXu83pYEIWHZXeGdTBF/view?usp=sharing
あたたかくして、楽しいクリスマスをお過ごしくださいね。
少し早いですが、この一年、どうもありがとうございました。年末年始は、カニをたくさん食べる予定です。
みなさんも美味しいものをたくさん召し上がって、良いお年をおむかえください。
(彩芽ちゃん、来年も、いろんなこと楽しもう!)
■あとがき(編集後記)
営業部の橋本です。
当メルマガも年内最終号、一年間お付き合いくださりありがとうございました。
今年は長かったというか、山あり谷あり(それも超急勾配)で、あと四日で仕事が納められると思うと深い安堵のため息がでます。
体調を崩したり、仕事で実績を残すことができず苦しんだりもしましたが、『絵を見る技術』という素晴らしいタイトルが社から生まれた年でした。
先週の土曜日の朝、どきどきしながら朝日新聞を開き、読書欄までぱらぱらと。
「売れてる本」コーナーで椹木野衣さんがこれ以上ないというようなレビューを書いてくださっていて、
魂が震える思いになりました。
オンライン書店の在庫はあっという間になくなり、週明けには全国各地の書店さんから追加注文のご連絡がたくさん。
その日のうちに7刷の発注が決まるという、師走に大きなプレゼントがやってきました。
本が売れるというのはなにより嬉しいことです。
自分もたくさん読んで、そして届けていけるように、来年も努めたいと思います。
* * *
朝日出版社メルマガ第41号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。