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朝日出版社メルマガ 第18号(2018/12/26発行)

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朝日出版社メルマガ 第18号(2018/12/26発行)

 

今号のコンテンツはこちらです。

■発表! 紀伊國屋じんぶん大賞2019 ――読者と選ぶ人文書ベスト30
■これから出る本のお知らせ
■重版出来!
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■本屋さんのブックレビュー
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■あとがき(編集後記)

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■発表! 紀伊國屋じんぶん大賞2019 ――読者と選ぶ人文書ベスト30

第9回目となる「紀伊國屋じんぶん大賞」、2018年の人文書ベストとして『誰のために法は生まれた』(木庭顕 著)が
大賞を受賞しました。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/company/pressrelease/20181226120002.html

たいへんありがたいことに、弊は『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎 著)、『断片的なものの会学』(岸政彦 著)、
『戦争まで』(加藤陽子 著)と4回も大賞を受賞いただくことになりました。

読みつがれる人文書を、今後とも刊行できるよう励みたいと思います。心より感謝申し上げます。


■これから出る本のお知らせ
『沖縄問題、解決策はこれだ! これで沖縄は再生する。』
橋下徹 著(1月8日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010953/


■重版出来!

『対訳 21世紀に生きる君たちへ』 ☆25刷!
司馬遼太郎 著
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010441/


■今号のイチオシ電子版

『音声ダウンロード付き CNNニュース・リスニング2018[秋冬]』
CNN ENGLISH EXPRESS編集部 編(2018年10月6日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255010823/

2018年の日本スポーツ界の顔といえば、冬季オリンピックで男子フィギュア2大会連続金メダルの羽生結弦、
「そだねー」「もぐもぐタイム」で一躍国民のアイドルとなり、見事!日本初の銅メダルを獲得した
カーリング娘、大リーグでも堂々二刀流を披露し、新人王に輝いた大谷翔平など、
世界でも日本選手の活躍が目覚ましい一年でした。

なかでも、若干20歳で全米オープン優勝の偉業を成し遂げた大坂なおみ選手の活躍は記憶に新しいところです。
その大坂選手の満面の笑顔が表紙を飾る本書は、「大坂なおみ、全米オープン優勝の快挙!」……など
合計20本のCNNニュースを収録。

春と秋に年に2回刊行されるこのシリーズは、アメリカ英語(カナダ英語を含む)、イギリス英語、
オーストラリア英語のニュースをバランスよく配分。

世界標準の英語がだれでも聞き取れるようになる[30秒×3回聞き]方式で、シャドーイング、区切り聞き、
サイトトランスレーションといった効果的学習法を提供しています

新しい年に向けて、1本30秒のニュースで素早く世界を知る! 英語学習法、ぜひ始めてみてください。


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部 藤川です。

先週、『メアリ・ポピンズ』がほぼ出来上がり、来月下旬発売となります。
朝日出版 第五編集部ツイッター
https://twitter.com/asahipress_5hen/status/1077379789101494273 〉

今月発売した同シリーズ『あしながおじさん』も「森の中の家 安野光雅館」にて原画展がはじまりました。
〈森の中の家 安野光雅館 https://mori.wakuden.kyoto/910/ 〉

今回の展示は黒マット仕様で、コントラストがより際立っているようですね。
朝日出版 第五編集部ツイッター
https://twitter.com/asahipress_5hen/status/1070136168920973312 〉

前回の展示、赤毛のアンのときに、私も観にいきました。
その時のお話をしたいと思います。

「森の中の家 安野光雅館」は、京丹後市の和久傳の森の中にあります。
和久傳の桑村綾会長に、安野先生、大原美術館の大原謙一郎ご夫妻とともに、ご案内していただきました。

まずは和久傳の森を散策。
いろいろな植物を説明していただいたり、桑の実などそのまま食してみたり。
見たこともない植物や、普段スーパーで見かけるものの「生きている」姿に、自然のたくましさを感じました。

その後、食品工房の見学。
もともと旅館や料亭で知られる和久傳さんによる「おもたせ」が出来上がるまでを見ました。
一点一点手作業で混ぜたり包んだり。
私もよく買うのですが、多くの方に愛されている「れんこん菓子西湖」の出来立ては、格別の美味しさでした。

「おもたせ」は「お土産、手土産」という意味ではなく、
本来「想(思)いをもたせる」という意味ですと言う綾会長の言葉がとても心に残りました。

京丹後の土地で原材料から育て、四季折の恵みを生かし、贈ること、贈られることを想いつつ、届ける。
これは全て和久傳の綾会長の「想い」からなせていることだと思います。

その日は、桑村綾会長と一緒に和久傳の員寮(もともと旅館だったところ)に泊まりました。
入り口に入ると、すぐさま綾会長はどこからか百合の花をさっと一輪、私の部屋とお手洗いに挿しました。
部屋に入った途端、いい香りが。
本当に「おもてなしの人」です。

そして居間の軒下の戸を全開にし、庭へ。
輝く星が夜空にたくさん散りばめられいる美しい夜空を見ながら綾さんが一言。

「美しいでしょう。ここにくると、何もかもどうでもよくなってしまうようで」
とても印象的でした。
自然の美しさ、美しいものへの感動と畏敬の念を忘れてはならないと思いました。

もともと証券会社で働き、和久傳旅館へ嫁いだ綾さん。
地産の丹後ちりめんが衰退して、経営難だった頃、旅館業から再建を計ったのだそうです。

と、そんな話を聞きながら気がつくと夜中の3時?ほどでした。
(またこの話は別の機会でできればと)

翌朝も近くの旧旅館に連れて行ってくれました。
そこでは数人の地元の方々が包作業をしたり、簡単な手作業をしていました。

地元の雇用を増やすことも力を入れています。

まさに「自然と、人とともに、この地で生きる」ということを体現され、
おもてなしの道を一途に追求されている方です。

そして今年度「京都・あけぼの賞」を受賞されました。おめでとうございます。
〈産経新聞 https://www.sankei.com/west/news/181108/wst1811080016-n1.html 〉

年末年始、寒さが増しておりますが、自然に生かされている恵みに感謝をしながら、
京丹後に足を運んでみてはいかがでしょうか。
森の小さな家に招かれたような心地よさを感じながら、安野先生の美しい絵と、
時を超えても色褪せない名作の世界をお楽しみいただければと思います。

来年もよろしくお願いいたします。


■本屋さんのブックレビュー

○Vol.10『誰のために法は生まれた』
評者:代官山 蔦屋書店/宮台由美子さん
http://blog.asahipress.com/bookreview/2018/12/vol10-3616.html

○Vol.11『家族無計画』
評者:今野書店/水越麻由子さん
http://blog.asahipress.com/bookreview/2018/12/vol9-cb2d.html

○Vol.12『折る土偶ちゃん』
評者:早稲田大学生協戸山店/マツオ(あ)さん
http://blog.asahipress.com/bookreview/2018/12/vol12-5a96.html


■編集部リレーコラム2(第二編集部)

こんにちは。第二編集部の鈴木久仁子です。

2018年も残りわずか。私は小山あり小谷あり、でも楽しいことのほうが多く、かなり良い一年でした。
みなさんにとっても、嬉しいことがけっこうあったなぁ、という一年でしたら、と思います。

最近観た映画は、ひとりで『レディ・バード』友人と『ボヘミアン・ラプソディ』編集部ふたり映画部で『ギャングース』。
今年一番好きだと思った本は、齋藤陽道さんの『異なり記念日』です(理由は、後日つぶやきます)。

*

まずは、ありがたいお知らせから。

紀伊國屋書店さんのじんぶん大賞に、木庭顕先生の『誰のために法は生まれた』が選ばれました。
投票くださったみなさま、応援くださった書店員のみなさま、本当にどうもありがとうございました。
同僚の大槻美和さんが企画し、私も一緒に制作させてもらって、すごく楽しかった本です。
(以前書いた制作過程のことです↓)
http://blog.livedoor.jp/asahipress_sake/archives/52266644.html
映画や古典の原作と一緒にゆっくり味わってほしい本ですので、冬休みのおともに、ぜひお手に取ってみてください。

      *

末井昭さんの『自殺会議』を12月15日に発売し、先週あたりから、末井さんと書店まわりをしています。
(地道にまわっていきますので、「あ、うちにも来てもらったら」、という書店さんなどいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお声掛けください)

2013年に刊行した『自殺』はネット連載で、たくさんの読者のみなさんの感想に、末井さんが後押しされ、
そのエネルギーで執筆をつづけていったところのある本でした。
今回は、連載ではないので、末井さんと私、二人のやり取りになります。
私は、読者のみなさんのようには、著者を励ませなかったりするので、
こういうテーマではとくに、みなさんの感想って、気持ちを芯のところであたためてくれる力があるんだよなぁ、と感じていたのでした。

いま、『自殺会議』を読んでくださった方々の感想が、ぽつぽつ届きはじめて、
それによって、末井さんともども、ホッとしたり、
「えっ、こういう本だったの…!?」と知ったり、気がついたり、ドキドキしている毎日です。

書店まわりでは、私も、書店員さんに、すこし説明したりするのですが、
はじめは、ボソボソと自信なさげなところが出てしまっていたのが(18日、19日にまわった書店さんでの説明はダメでした)
みなさんのご感想に後押しいただき、それも一緒にお届けさせてもらったりして、
少しずつ、本の特徴を伝えられたかな…という感覚も、持てるようになってきました。

今日(12月25日)はお葉書を二枚いただいて、一枚目は、
「傷口に塩を塗り込むような輩しかいない世の中で、この本は傷口にすばやくかさぶたを作ってくれる、
限りなく優しい包帯のような存在になり得ると思います」
と。別の方からは、
「『自殺』も面白かったけど、こんどの本は、また別の「面白」さがあふれています」と。
『自殺会議』は、続編、というわけでもないし、その「別の面白さ」というものを、どう届けていけばいいのか、
まだ出来ていないよな……などと考えたりもしていて、模索中です

お読みいただけましたら、面白かったところ・印象深かったこと・面白くなかったところ・反感、
プラスマイナスなんでも、お気軽にお教えいただけますと、すごくうれしいです。


末井昭さんという人は、これは『本の雑誌』378号の末井さん特集のアンケートでも回答したことですが、
良い出来事はまわりの人のおかげにして、悪い出来事は自分のせいにして引き受ける、そういう人です。

また、ちょっとした振る舞いや、一言が、ほんのすこし、まわりの人の心の温度を上げたり、
まあ、カワかっこよかったりするんですね。

数年前のことですが、ある場面で、いろんな行き違いから、誤解が生まれて(後日、その誤解は解けました)
私が、あまり面識のない複数の人がいる場所で、ひとり青ざめる、そんな出来事がありました(ちょっとわかりにくいと思いますが、
大勢のなかで失態をおかしたとみなされる場面などをイメージください)。
その直後、すこし離れたところにいる末井さんのほうを向いたら、末井さんは私にウィンクを送ってくれました。
人からウィンクされるというのは、人生で初めての経験でした。

そのとき、私の心の中で(青ざめた)出来事に対する動揺が消えたわけではなかったですが、
ウィンクを送られたことに対する驚きのほうが、ほんのすこし上回っていたかもしれません。
ウィンクって、こうやって使うのか、ちょっと良いものだな…
いつか私も「気にすんなよ」って、人に送ってみたいな、と憧れたものです。

『生き心地の良い町』という本を書かれた岡檀さんが、
「ふつう、自殺の話をすると、どうしても肩に力が入っちゃうのに
どうして末井さんは、ふっと力が抜けた状態で話すことができるんですか?」
と言ってくださったことがあります。
これは、末井さんの不思議なことのひとつです。

取材に同行していますと、末井さんは、とにかくずっと人の話を聞いているということと、
なんとなく、その後も、その人に引きずられていくところがあるように思います。
執筆後、打ち合わせをしていても、「○○さんが」「○○さんは」と、
お話しした相手のことばかり考えて話している、そんな印象がありました。

『自殺会議』を読んでくださった方々の感想のなかには、「東尋坊の用心棒・茂幸雄さんがすごい」というものが多いのですが、
茂さんは、よくマスコミに登場される方ですけれど、末井さんが書く茂さんは、媒体での短い記事や放送とは、印象がかなり異なると思います。
(見回りドローンを飛ばそうとする茂さんと、それを見ている末井さん)
https://twitter.com/asahipress_2hen/status/1077500635778449410

インタビューで、茂さんはお酒がどんどん進んでいきますし、
お酒を飲んでいない末井さんも、だんだん目がまわっていきます。

なんといいますか、茂さんの行動と言葉が強烈で、圧倒されていきますし、
実際、末井さんと私が、気がついたら怒られているような……、
でも、茂さんなら仕方ないというか、当然だよなというような…。
(原稿からはカットしましたが、
「あんたの目的がわかんないんだよな~。何を知りたくて来たの?
――いや、目的は僕にもわからないんです。
というやり取りも、何度かありました)

これは余談ですが、私が茂さんに年齢を聞かれ(2017年7月の取材当時40歳)、結婚しているかどうかを聞かれ、していないと答えると、
突然、「そんなに戸籍を汚したくないのか~~!!」と、大きな声で怒られました。
驚き、一瞬、私はあまり人に見せない怖い顔をして、反論しようかと考えたのですが、
議論の先を予測したところ、対茂さんでは勝ち目なしと判断し、反論はやめました。

取材後、福井の居酒屋で、茂さんと東尋坊の夏の太陽にジリジリ照らされた末井さんとふたり、ふらふらしながら夜ご飯を食べていたとき、
私が「戸籍を汚したくないのかって、そういう言い方されたの初めてです」
と、ちょっと文句を言っていたら、末井さんは、
「茂さんは、誰に対しても家族みたいに接するんだね」と言っていました。
確かにそうなのだと思います。ある面で家族を超えているかもしれません。家族が見放した人にぶつかって引っ張り上げているのが茂さんです。
そして、末井さんの言葉を聞き、すべては捉え方だなあと思いました。

末井さんは茂さんの大ファンになりますし、こんなふうに、お話ししたみなさんのことを好きになっていくのです。

……『自殺会議』がどんな本なのかよくわからない、ぐだぐだ回になってしまいましたが、
それぞれの詳細は、ときどき、編集部アカウントでつぶやいていきますし、
また、本に盛り込めなかったお話もたくさんありまして、それは年明けのどこかで、ブログに掲載したいと思っています。

よろしければ、『自殺会議』も、冬休みのおともにお楽しみください。

それでは、どうぞ良いお年を。あたたかくしてお過ごしくださいね
私はこれから、編集部の(お)さんと豪華(!)あんこう鍋忘年会&お祝い会に行きます。


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

先週末急遽決まった、沖縄出張にきています。
正午過ぎに降り立った那覇空港、暑い! そして雨が降っていて湿度も高い……。

東京の冷え込みとのギャップに体がついていけるかわからないですが、1泊2日の弾丸出張、努めたいと思います。

ソーキそば食べたいなとるんるんしていたのですが、時間がまったくなくバス待ち時間のあいだでのコンビニ人間。
https://twitter.com/asahipress_sake/status/1077802730951831553

いま、沖縄市をめざす路線バス内でこのあとがきを書いている次第です。

沖縄県へ来るのは2回目で、1回目は新婚旅行で石垣島に行っただけなので那覇空港以外での沖縄本島は初めてとなります。

ゆっくり町歩きをする時間がないのが残念ですが、明日は第一牧志公設市場(市場の古本屋 ウララさん!)、
栄町市場(宮里小書店さん!)になんとしてでも行きたいと思っています。

あと、すこしは沖縄らしいものも食べたい。


すっかり、年の瀬ですね。できたことできなかったこと、たくさんありますが、「朝日出版(一般書)メルマガ」を創刊できたこと
今年の嬉しかったことのひとつです。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
皆々さま、よいお年をお迎えください。

* * *

朝日出版社メルマガ第18号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。

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