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朝日出版社メルマガ 第22号(2019/02/27発行)

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朝日出版メルマガ 第22号(2019/02/27発行)

今号のコンテンツはこちらです。

■これから出る本のお知らせ
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■あとがき(編集後記)

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■これから出る本のお知らせ

『CNN Student News 高校生からのニュース・リスニング 2019[春夏]』
「CNN English Express」編集部 編(3月9日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255011066/


■今号のイチオシ電子版

『だれも知らないムーミン谷』
熊沢里美 著(2015年2月25日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255007786/

国立大学の二次試験も終了し、今年の受験シーズンも終盤となりました。
昨年のセンター試験の地理で「ムーミンは北欧のどこを舞台にしたアニメ?」という問題が話題になったのも記憶に新しいはずです。
正解はフィンランド。

日本でも大人気の「ムーミン」ですが、ムーミンたちが本当はどのような生き物で、彼らの住む谷はどのような場所なのか――。
実は、原作、絵本、いずれにおいても一切語られていません。
本書では、「ムーミンって何者?」「ムーミンたちの出生のひみつとは?」「ムーミン谷には “もう一つの世界”がある?」
「ムーミンによる“世界再生”って?」などなど、私たちの知らないムーミンの驚くべき謎と秘密が明らかにされます。

アニメーションや絵本で見慣れたムーミンとはまったく異なった、私たちの現在と未来に直接語りかけてくる新しいムーミンにきっと出会えるはずです。


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

第五編集部の仁藤です。今回は、これまで出会った本屋さんについて書いてみたい。

高校生の時、三多摩の昭島市の中神駅の近くにあった10坪ほどの長尾書店によく通った。
話好きのおにいさんがいたこともあり、本のことや仲間の近況など1時間近く話し込むこともあった。

2階には畳の部屋があったので、そこに上がり込んで続きの話をすることもあった。
近い世代の友人を集めて、閉店後にマイクをセッティングして私のライブをしたこともあった。
ゆで卵を最大いくつ食べられるかにチャレンジした人物もいた。
ここであったことは、おもしろすぎるので、いずれ物語にしてみたいと思っている。

おにいさんの父親である初老の店主が、注文に応じ1週間に1度、神田の取次店に本を買い付けに行っていた。

この頃、もう1軒よく行ったのは隣町の立川にあったオリオン書房だ。
ここは、わからないことがあったり、困ったことがあったときに必ず行き、
問題解決のヒントになる本はすべて買った。
親が本については出費を惜しまなかったので本好きになったようにも思える。

大学を卒業し三鷹にあった郵便局に就職したが、1か月で辞めてしまったので、
何か仕事をしなくてはと思い新聞の募集広告を見て決めたのは、浜松町駅から繋がっていた
世界貿易センタービルにあった山下書店だった。

時給は270円で当時としても安かったが、そこで本は段ボールに入ってやって来て、段ボールで帰って行くことを知った。
成田までのモノレールの駅のすぐそばでもあったので武田鉄矢と森進一がふらりと寄ったことがあった。

山下書店で1か月ほど仕事をして、フランス語・ドイツ語の教科書の老舗出版で欠員があると知り、
面接に赴き就職したのがアテネ・フランセの崖の真下にあった木造モルタルで、蔦が絡まる2階建ての会社だった。

その頃は、まだ福音館書店も水道橋にあり、近くに旭屋書店があった。
ここではおよそ給料5か月分くらいの本を買っていると思う。店舗も広く本の品数も多かった。
今は洋服の青山に替わってしまった。

結婚して住んだのが成城で、ここには江崎書店、駅の近くの成城石井の隣にあった、とても小さな書店にもよく寄った。
入り口付近に大岡昇平の『成城だより』と続篇のⅡと続々篇のⅢが並んでいた。

書店で懐かしいのは銀座にあった近藤書店。ここには洋書も置いてあったので、
あたかも異国にいるような思いになり、いつ行っても、ワクワクすることができた。

日本橋丸善にもよく行った。奥田元宋氏、辻邦生氏、安野光雅氏のサイン会に行くことができたのも、今では宝物のような記憶だ。

旅先で行った書店でいちばん印象に残っているのが京都の丸善本店だ。
リニューアル前に行ったとき、店頭にリリー・フランキーさんの『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が所狭しと並んでいた。
梶井基次郎の『檸檬』の舞台になった書店だと知り、入るたびに意味もなくドキドキした。

外国の書店では、リチャード・ドーキンスに会いに訪れたオックスフォードの書店がいちばん心に残っている。
とにかく理路整然としていてスマートなのだ。ドーキンスの本をそこで2冊買い、家にうかがった際、サインをしていただいた。

ニューヨークにも好きな書店が何軒かある。パリの書店は案外印象に残っていない。
韓国の書店で印象に残ったのが、昔渋谷のど真ん中にあった大盛堂書店のような、まるごとビルの書店だ。
20年ぐらい前だから今あるかどうかはわからない。階段がぐらぐらしていたのには驚いた。

ミラノのアルマーニのファッションビルにあった書店には度肝を抜くデザインの写真集があった。
これは、ブックデザイナーの鈴木成一氏にもお見せしたことがある

数日前、小石川植物園に梅見物に行き、帰りに住宅街を歩いていると突然現れたのがPebbles Booksだ。
大きいわけではないのだが、とても素敵なセンスで本が陳列されていてこれが自分が理想としている書店のカタチだと思った。


■書評掲載情報

『自殺会議』(末井昭 著)
週刊読書人にて、石井光太さんにご高評いただきました。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20190209-OYT8T50136/

『本の未来を探す旅 台北』(内沼晋太郎+綾女欣伸 著)
台湾最大手のネット書店「博客來」運営・読書サイト「OKAPI」に取り上げていただきました。
https://twitter.com/ayaminski/status/1099986660450684929

『まともがゆれる』(木ノ戸昌幸 著)
2月23日付・朝日新聞「折々の言葉」にて、本書掲載の言葉を紹介いただきました。
https://twitter.com/Swing_NPO/status/1099228294208151552


■編集部リレーコラム2(第二編集部)

こんにちは。第二編集部の鈴木久仁子です。
だんだんあたたかくなってきましたね。いかがお過ごしでしょう。
私は2月は、南の島でジンベエザメと泳いだり、何度目かの風邪をひいたりしていました。

日曜日は、岡本太郎記念館へ。
第21回岡本敏子賞を受賞した、弓指寛治さんの特別展示「太郎は戦場へ行った」を見に行きました。
(弓指さんは画家で、『自殺会議』に参加してくださっています)
一番大きな作品は、岡本太郎が戦場で見た、全身から真っ白にウジが吹き出している「白い馬」の絵です。
以前、お会いした際、「今回は数が決まってるわけじゃないけど、ウジ虫をたくさん描くのがとにかくたいへん」
とおっしゃっていましたが、
(ちなみに、敏子賞を受賞した作品は、岡田有希子さんの慰霊をテーマにした絵で、
 2016年の警察庁による自殺者数の速報値、21,764羽の鳥を描いています)
月に光る、いろんな淡い色のウジ虫は、とてもきれいでした。
https://twitter.com/uminekozawa/status/1099572662253150209


月曜日の朝は健康診断へ。超音波検査の検査技師さんが、
中央線のトラブルのことから始まり、ずっとお喋りする方だったのですが、
検査中、私は何度も褒められました。

「息を吸って…はい、止めて…すごく上手。呼吸が上手。すっごく綺麗に見える。
 みんな胸で吸っちゃうのに、腹式呼吸がほんとうに上手です。
 呼吸が上手な人は歌を歌う人や楽器をやる人、あと一番は運動選手ですね…はい、息を吸って…止めて、
 本当に呼吸が上手。前回は見えにくいと書いてあった膵臓もすごく綺麗に見える。たくさん撮っておきますね…
 (以降、少しずつ話題が移り変わりながら私の呼吸を褒める)」

数分のうちに8、9回、腹式呼吸を褒められました。こんなに褒められたのは久しぶりです。

その検査技師の女の人は、検査の順番が来た人を呼ぶとき、
「33番の方…急がなくていいですよ」と毎回、声をかけていたので、
きっと検査を受ける人、それぞれに、何か褒めたり、話したりしているんだろうな、と思いました。
(※出版健保なので、同じように褒められた方、いらしたら、ぜひ教えてください)


以前、とてもお世話になっている著者の方が、私に、伝えてくださったことがあります。
褒めるというのは相手を肯定することだから、呼吸するように褒めるんだ、と。
(私は、いま、頑張って、考えて、褒めてます…!というのが相手に伝わってしまうように褒めてしまい、
 言葉のバリエーションも少なくて、まあ、下手なんです)

呼吸するように、というのは、やろうとしてではなくて、
ふっと、意識せずに口から出てくる、ということだと思うのですが
まわりを見渡すと、確かに、ふっ、と褒める方、多いんです。

買ったばかりの赤いセーターを着て、末井昭さんとの忘年会にいったとき、
お会いしてすぐ、ひとこと、「赤、似合うんですね」と、言われました。

その赤いセーターは、実は、『自殺会議』の打ち合わせのとき、
女性のデザイナーさんが赤のセーターを着ていて、すごく似合っていて、なんて可愛いんだろうって、
その日の会社帰りにデパートへ寄り、つい、色を真似して買ったセーターでした。
試着室の鏡を見ながら、打ち合わせで見た○○さんと赤セーターとの組み合わせには遠く及ばないが、
ま、こんなもんか…と思いながら買ったのでした。

実際には、それほど私と赤が似合う、というわけではないのですが
「○○、似合うんですね」というその言い方、私もいつか真似して使いたいと思いました。


1月30日は、編集部の大槻美和さんが企画し、私も一緒に制作させてもらった
『誰のために法は生まれた』著者・木庭顕先生の、朝日賞の贈呈式へ。
一年間の活動を表彰する賞ですが、『誰のために法は生まれた』も、その対象となっていて
授業に参加してくれた桐蔭学園の生徒さんたちも、お祝いに来てくれました。

私は、式が始まる前、ロビーでお着物の加藤陽子先生と待ち合わせ
ロビーには、赤いバラがたくさん飾られていて、
加藤先生が「この前で写真を撮りましょう」と言ってくださり、赤いバラの前でふたりでパチリ。

木庭先生は、受賞スピーチのトップバッターです。
言論機関と時代のこと、1935年から45年の朝日賞は無残な姿をさらしてしまっていたということ、
(つづく是枝裕和監督も、木庭先生が触れたのでやめようかな、と思ったけれど、
 その時期に受賞した映画も同じだと話されていました)

そして、中高生たち、読者へのリスペクトについて。
「伝わらないというとき、レベルの落とし方が足りないと思わないことが大事だ」
「伝わらない場合は、メッセージのレベルのほうが低いのだ。十分に高度ではないから伝わらないのだ」
と、お話されていました。

私は、加藤陽子先生の隣の席で、みなさんのスピーチを聞いていました。
これまで、講演会などで、加藤先生とお隣になった際、
加藤先生が、よく笑ったり、ほおほお、などと小さな声で楽しそうにおしゃべりされているのは知っていましたけれど、
「頻繁に拍手する場」というのは、これまであまりなかったので、初めて気づいたのですが、
加藤先生の拍手は、常に人一倍、高らかに響いていました。
私の拍手は湿っていて、音の一員として、これでは弱くて力にならないじゃないかと、隣ですこし反省しました。

式の後の懇親会。
三谷太一郎先生と木庭先生がお話されている場面で、「鈴木さん!写真、写真を!」と加藤先生。
わ、わかりました、と撮った写真です。ちょっとブレていますが。
https://twitter.com/asahipress_2hen/status/1100397158006542337
そして、木庭先生と加藤先生。
https://twitter.com/asahipress_2hen/status/1100397250956554241
高校生たちは、木庭先生テーブルに来てくださった是枝監督に質問したり、一緒に写真を撮ったりしていて嬉しそうでした。
式のあと、木庭先生と高校生たち、みんなで写真を撮りました。
https://twitter.com/asahipress_2hen/status/1100397746781966338

さて、本日は19時から、紀伊國屋書店ベストセラー大賞、キノベス!、紀伊國屋じんぶん大賞贈賞式があります。
木庭先生のスピーチを聞きに、紀伊國屋ホールへ遊びにきてください。

そして夜はTOKYO FMへ。深夜2時からラジオJFN系の「ON THE PLANET」(パーソナリティ海猫沢めろんさん)に、
末井昭さんと画家の弓指寛治さんが一緒に出演します。
http://radiko.jp/#!/ts/FMT/20190228020000
夜遅い時間の特別自殺会議ですが、きっと、かなり楽しいです。よかったら、ラジオをつけてみてください。

また取り留め長くなりました。それでは、また次の機会に。

みなさんも、健康診断は忘れずに受けてくださいね。
来年の健康診断で、あの検査技師さんに、エコー検査で会えるとうれしいです。

最後に、もうすぐ3月ですが、いま、読みはじめている本は、安東量子さんの『海を撃つ』です。
文章が面白くて、とくに私は、安東さんが話している相手の表情や声の大きさ、トーンが
突然変わる場面がいくつかあるのですが、
そこで私も一緒に気持ちが動いて、ドキッとしています。


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。
2月も残すところ今日明日、あっという間に3月……花粉症対策をせねばの時期ですね。

ここ数日、『きみの町で』という本を書店さんから「客注」(お客さま注文分)としてたくさんご発注いただいています。

はっきりとはわからないのですが、どうやら(都内の?)中学校で推薦書として挙げていただいたようです。
『こども哲学』シリーズの「おまけの話」から生まれた本書。
重松清さんによる、8つの小さな物語とミロコマチコさんの挿絵からなる一冊です。

どのように薦めていただけたのかとても気になりますが、幅広く手にしてもらえていることがなにより嬉しく思います。

刊行時、全国各地の書店さんで原画展を巡回開催したことが懐かしく。
http://asahi2nd.blogspot.com/2015/07/blog-post.html

これからも各地の書店店頭を通じて、読者まで届くことを願っています。

 * * *

朝日出版メルマガ第22号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
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