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朝日出版社メルマガ 第31号(2019/07/17発行)

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朝日出版メルマガ 第31号(2019/07/17発行)


今号のコンテンツはこちらです。

■新刊のお知らせ
■重版出来!
■今号のイチオシ電子版
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム1(第五編集部)
■イベント情報
■編集部リレーコラム2(第二編集部)
■Webマガジン「あさひてらす」
■あとがき(編集後記)

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■新刊のお知らせ

『初級者からのニュース・リスニング CNN Student News 2019[夏秋]』
「CNN ENGLISH EXPRESS」編集部 編(7月24日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255011264/


■重版出来!

『絵を見る技術 名画の構造を読み解く』 ☆3刷!
秋田麻早子 著
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011110/


■今号のイチオシ電子版

『まともがゆれる 常識をやめるスウィングの実験』
木ノ戸昌幸 著(2019年2月28日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010977/

親の年金でキャバクラに通い、そのたび落ち込んで引きこもっていた増田さん。
何をやっても自信が持てない、一応「健常」な施設スタッフ沼田君
毎夕、意味不明なワン切りを必ずしてくるひーちゃん。
「足が腐った」とか「定期をトイレに流した」とか、まばゆいばかりの屁理屈で仕事をサボろうとするQさん……。

障害福祉NPO法人「スウィング」に集う、障害を持つ人・持たない人たちの「できないこと」に
こだわらないエピソードと、心の栓を抜く、脱力しきった詩の数々
本書は、誰かが決めた「まとも」を見つめ直し、ゆらしたりずらしたりすることで、
それぞれの生きづらさを緩めるヒントとなる一冊です。

京都に行ったら、ただただ善意でバス案内をする「京都人力交通案内」のメンバーと
木ノ戸さんの姿を見つけられるかもしれません。
http://garden.swing-npo.com/?eid=1400672

現在、吉祥寺ブックス ルーエの花本武さんによる「本屋さんのブックレビュー」が
ウェブマガジン「あさひてらす」で掲載中です。
https://webzine.asahipress.com/posts/2168


■書評掲載情報

○『絵を見る技術』(秋田麻早子 著)
神戸新聞にて、片岡義博さんにご高評いただきました。
https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/entertainment/book/201907/0012487140.shtml
WEDGEにて、著者インタビューが掲載されました。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/16709


■編集部リレーコラム1(第五編集部)

5編の平野です。
先日の土曜日、『まとゆれ』著者の木ノ戸昌幸さんと、『ナイスガイ』編集長・橋本太郎さんのトークイベントがありました。
毎月、1誌のフリーペーパーにフォーカスし、その冊子のみを配布する『ONLY one FREE PAPER』という企画です。(主宰は『ONLY FREE PAPER』さん)

木ノ戸さんはすごく穏やか~な人なのですが関西人の血が騒ぐのか(?)、
イベントでは「少なくとも5分に1回は笑わせよう」みたいなたくらみを感じるのですが……。

今回は、スウィングが掲げる理念文のなかにある「幸田シャーミン」(元アナウンサーの女性ジャーナリスト http://urx3.nu/XGRN )について熱く語り場があたたまっていました。

トークの詳しい内容は、フリーマガジン『Swinging』最新号(目下制作中)で読めるそうなのですが、個人的におお、と思ったことがありました。

始業や就業時間すら厳密な決まりがないほど「ルール」というものが少ないスウィングに、新しいルールができた!と言うのです。
それは「生理的に受け付けない日は休んでOK!」という決まり。
最近何かと物議を醸している「生理休暇」、なんとなく言いにくいなら、女性だけじゃなく男性も平等に休めばいいんじゃん!ということだそう。
画期的で平和ですね。みなさんの職場も試しに導入してみてはどうでしょう。
生理は待ってくれないので、いいねと思ったら即行動でお願いします。

先週末は年に一度のお祭り「TABF」もありましたね!!
めちゃ混みで押し合いへし合い、なんとか全体を見て回りましたが商品を見るのも一苦労で、
お金を使う気まんまんで行ったのに、恥ずかしいことに1冊しか買えませんでした……(初めて来たという友人は0冊)。
みんな何を買ったんですか?
TABF上級者流の攻略法ってあるんでしょうか。とりあえず来年はプレビューの日にいこっかなと思ってます!

あと最近の「サ活」事情ですが、鶯谷の「ひだまりの泉萩の湯」へ行ってきました。
こちらは水風呂の温度も初心者にちょうどよく(19度くらいでちょいぬるめ)、半露天もあるのでかなり昇天できます。
初めて水風呂に長く入り、「のどの奥が冷えて息がスース―する」という体験(水風呂あるある)もできました。

さて、この日は友人とお風呂へ行っていたんですが、いい感じにととのい、サウナから出て美容にいいという湯に浸かっていると「ひらの、あさみさま~ッ!!!」と、
急に自分の名前が広~い風呂場でこだましたのです……ここ初めて来たし、何なら誰にも言ってないのに…?!と、
驚きと恐怖の入り混じるなか「はいっっ私です!!」と返事をすると、「いま銭湯に電話がかかってきててー、旦那さんが鍵を忘れて家に入れないみたいで……」。

その日はたまにはと、息子を夫に預けて外出した日だったんですが。こうなったら帰るしかないですよね。美容の湯からは一瞬で出ました。

そんな日々を過ごしています。


■イベント情報

○「第11回 BOOK MARKET 2019」 ☆いよいよ今週末!
7月20日(土)・21日(日) 浅草・台東館にて
日本全国から45の出展が、本当に面白い本を持って大集結。朝出版も5回目の出展です!
https://www.anonima-studio.com/bookmarket/

○『狂言を生きる』刊行記念・野村万作さんトークイベント&サイン入り書籍お渡し会
7月24日(水)19時~ 銀座蔦屋書店
https://store.tsite.jp/ginza/event/humanities/8009-1241430705.html


■編集部リレーコラム2(第二編集部)

こんにちは、第二編集部の大槻です。
雨が続いていて、ちょっと気持ちがしずみますね。
でも本など読むにはちょうどいい季節なのかもしれません。
天気がいいと、本を読むより散歩に行きたくなっちゃいますからね

今週末は、浅草・台東館にて「BOOK MARKET 2019」というイベントがあります。
https://www.anonima-studio.com/bookmarket/
も出店するので、もしよかったらあそびにきてください。
3冊以上購入で井上奈奈さんの超かわいいイラスト入りエコバッグがもらえます。
編集部の(お)と(す)も一部の時間ですが店番しますです。

(お)は最近は、積極的にお客さんに話しかけていくスタイルをとってます。
自分自身、ふだんは、自分が客だったら店員さんにはそっとしておいてほしいと
思ってしまうタイプの人間なので、迷惑かなぁ、引いちゃうかな、とも思うのですが、

せっかくイベント(お祭り)なのだし、対面なのだし、別に買わなくったっていいので、
表紙をじーっと眺めていてもわからない、本との「つながり」を見つけるきっかけになったらいいな、と思ってます。

「本の縁日2018」というイベントのとき、映画が好きだという60歳の女性に、『誰のために法は生まれた』をおすすめしてみたところ、
法の本なんてこういう機会がなければ絶対手に取らないわ~、とおっしゃりつつ、買ってくださいました。

後日、こんなおハガキをいただきました。
-----------
わくわくしながら読みました。中高生の授業とは信じられないくらい生き生きとした対話が繰り広げられ、挙げ句“人権”にたどり着いたときには、ああっ!と興奮しました。
ちょうど「近松物語」のデジタル修復作品が上映されていたので駆けつけましたが、「死ねんようになった!」に、人間の自由への希求を見る思いでした。今年の最高の本でした。
-----------
いやぁ、めちゃめちゃうれしかった。お話しできて本当によかったなぁと思いました。

毎日いろいろな本が刊行されていて、到底、読みきれないですよね
その中で、この本を読む、というのは、かなり偶然の出会いなのだと思います。

最近、本屋さんで、「わ!」と思ったのは、松井啓子さんの『くだもののにおいのする日』が新装復刊されてたことです。
2015年に出ていたもの。ぜんぜん気づかなかった…!
http://www.yumearusha.com/kudamono/

装画は闇に浮かぶくだもののみずみずしい断面図。急いで買い求め、ひび割れた大地に水が染み渡っていくような感じで(疲れていたのか? )読みました。

これは銭湯詩集でもあった! まず、新旧両方のあとがきに銭湯が登場するのです。
「どうしてだろう。お風呂では知らない人にも人見知りせずすらすら話せ、自分を、明るく礼儀正しい人のように感じる。又、もしあの世というものがあるとしたら、銭湯のようなところではないかと思うのだ。」

そして、表題作「くだもののにおいのする日」にも。少し引用させてください。
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(前略)

わたしは銭湯へ出かけ
髪を洗う女のひとの
長いながいしぐさを見ていた
まだ明るいうちの湯舟の色と
流れてたまる湯水を見ていた
夕立も長雨も
局地的な大雨も
小さな女の子の小さな局部も
長なすも丸なすも
ふたなりの動物も見たことがある

(中略)

にわかに雹が降り出して
なすや大ばこの葉が
つぎつぎに裂けていくのを
雨のまに草木が伸びて
はじめにあおいの花が咲き
つぎに除虫菊が咲き
それからクレオメの花が咲き
つぎつぎと夏の花が咲きついでいくのを
二階の窓から眺めていたことがある

わたしは銭湯へ出かけ
手を休めて
今朝の雷の意味と
誰かがわたしを
わたしが誰かを
どんな名前で呼びあっていたのだったかを
思い出しに行くのだ と言った
-----------
すごくいい詩だと思いませんか。
お風呂に浸かるとすこし日常から切り離されて、ふっと香る香りのように記憶が蘇っては消えていく。
あたたかい乳白色の湯水から、「小さな局部も/長なすも丸なすも/ふたなりの動物も」と不思議な世界へと続くところがいいです。

川上未映子さんが「松井啓子さんを読んだ時、これが詩だと思ったんです。それがはじめてでした」と書かれてて
( http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi142_kawakami/20131016_4.html )、
川上さん責任編集の『早稲田文学・女性号』にも松井啓子さんの詩「のどを猫でいっぱいにして」が収録されています。

ここで、そういえば、武田百合子が、夫の武田泰淳が亡くなってからお風呂屋にばかり行っていた、というエッセイを書いていたな、ということを思い出しました。
国会図書館でコピーをとったはず…… 見つかりました。
1983年『ミセス』5月号の「リビングエッセー お湯」。
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(前略)
畳に虫が這ったり陽があたってきたりするのを、キョトンとした心持で見ていると、不意に涙が出てきて、やっぱり悲しいだけだあ、と思う。そんなときは、お風呂にそそくさと入った。丸まってお湯に浸り、ケッと泣いた。
(中略)
とうとう、うちのお風呂だけでは物足りなくなり、電話帳を繰っては、渋谷、目黒、麻布、巣鴨と、料金の安いサウナを、せっせと試し回った末、東京駅構内の地下にあるサウナ浴場が気に入った。
お昼前にここへやってくるのは、大方が水商売のおねえさんたちだった。私などサウナ部屋の中ではくらくらになって、字など読むどころではないのに、おねえさんたちは至極丈夫だ。二日酔の体から塩と脂をしぼり出しながら、持ち込んだ女性週刊誌やマンガ本(原則では飲食物雑誌類持ち込み禁止なのだ)を読み耽り、読み飽きると何故だかお尻に敷き、今度は蜜柑などむいて、やったりとったりする。コーヒーまで飲む。
(中略)昨日易者にいわれた男運について、きっと買わずにはおかぬ四十万円のワニハンドバッグについて、お互いにつっけんどんな調子で、しかしのんびりとしゃべっている。
(中略)
知人や友人にねんごろにいたわれると鬱陶しく、あたりかまわぬ気迫に充ちたおねえさんたちに混っていると心地よかった。
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なにを読んでもすごいなと嘆息してばかりだけど、このエッセイも、 「ケッ」と泣く
ところとか、ところかまわぬおねえさんたちの様子とか、銭湯ぽくていいなぁと思うのです。


■Webマガジン「あさひてらす」

朝日出版の Web マガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
http://webzine.asahipress.com/

・南国科学通信/アリたちの晴朗な世界
https://webzine.asahipress.com/posts/2154
・16の書店主たちのはなし/旅行|ガイド 専門書店「タンチョウ書店」の店主のはなし
https://webzine.asahipress.com/posts/2127
・洪道場の白黒さんぽ/福岡航太朗初段の心の一局(1)「勝てば入段の一局」
https://webzine.asahipress.com/posts/1780
・同時通訳者・橋本美穂の「英語にないなら作っちゃえ!」/「八方美人」
https://webzine.asahipress.com/posts/1976


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

千駄木の往来堂書店さんが始められた不定期リレー連載「この本がヤバい!」にご縁があり寄稿させていただきました。

青弓・長嶺さんによる『沖縄アンダーグラウンド』評が第1回目となったこちらの連載、
主に出版担当者が最近読んだ本のなかから強くお勧めしたい本を紹介する、というものです。

バトンを受け取ったものの、どんなジャンルがいいのかななるべく新しいタイトルがいいよな……とだいぶ悩んでしまいました。

コミックにしようか、自本のイチオシにしようか、今こそ読み返したいあの名作にしようかとうーんうーんして決めたのは、絲山秋子さん『夢も見ずに眠った。』。

もっとうまくレビューできなかったものかと思いますが、どなたかの心に、手にしてみようかなと届けばなにより嬉しいです。
http://www.ohraido.com/archives/9662

 * * *

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ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
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