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朝日出版社メルマガ 第40号(2019/12/04発行)

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朝日出版社メルマガ 第40号(2019/12/04発行)

今号のコンテンツはこちらです。

■新刊のお知らせ
■これから出る本のお知らせ
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第二編集部)
■Webマガジン「あさひてらす」
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
■あとがき(編集後記)

━━━━━━━━━━━━━━━

■新刊のお知らせ

『ぼくは0てん』
山縣良和 絵・文(12月5日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011455/


■これから出る本のお知らせ

『岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~』
鷲田清一 著(12月19日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255011417/

『2020大学入試 関正生が予想するファイナル時事英語』
関正生 著(12月20日発売)
https://www.amazon.co.jp/dp/4255011508/


■今号のイチオシ電子版

『ぼんごのおにぎり』
右近由美子 著(2019年10月25日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/ISBN978-4-255-01143-1/

昭和35年創業、「世界一のおにぎりが食べられる」と噂の老舗「ぼんご」。
多くの外国人も並んで行列を作る大塚駅近くの人気店は、近年、
「マツコの知らない世界」(TBS)や「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ)などのテレビ番組で絶賛され、
SNSでの口コミが倍増中。
56種類のバリエーション豊富な具材に加え、女将さんの人柄に惹かれ、通い詰める人が急増している。

本書はそんな「ぼんご」の公式本として、60年の蓄積ともいえる、握り方から具材の作り方までを一挙公開。
「家庭でできるぼんご風おにぎりレシピ」も掲載した、美味しいおにぎりをどこまでも追求した一冊だ。

「突撃!隣の晩ごはん」でおなじみのヨネスケさんも、「私が、日本でおにぎりが一番美味しいと思うお店。
本当にふわふわのおにぎりで、美味しいおにぎり屋です。一度食べに行ってください」とツイッターで紹介。
思わず全種類の具を制覇したくなってしまうぐらい、「おにぎり」の奥の深さが本書から味わえます!


■編集部リレーコラム1(第二編集部)

こんにちは。寒くなってまいりましたね! 第二編集部の大槻美和です。

私はさいきんは、全卓樹先生の本に入れる図版をあつめておりました。
この本は、「短い時間、日常のあれこれを忘れて、科学の発見とか、宇宙とか、
あるいは、人の世をすべる法則とか、そういう遠くの硬いことを考えてみませんか?」
というお誘いの本です。

いまは、もう、閉じましたが、7割くらい「あさひてらす」で公開したものなので、
なにか、プラスアルファがあったほうがよろこんでもらえるのではと思い、
版権の切れた古い本の図版をあつめて、本に入れたいと思ってます。

それで、海外の図書館・博物館のアーカイブをいろいろ探していたのですが、
まぁ、なんというか、たくさん貴重な本や写真を公開してくれているところがあり、
ありがたい、ありがたい…
と、厖大な、無名の作業を担った人々と、潤沢な資金と、
何でも公開しておこうという思想と、 インターネットに、日々感謝していました。

その作業のなかで知ったことなのですが、ヨーロッパで最初に雪の結晶について絵に残した人は、
オラウス・マグヌス(Olaus Magnus)という、16世紀中頃の北欧の細かい地図を作ったことで
知られるお坊さんで、『北方民族文化誌』に次のような絵を残しています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Olaus_Magnus_-_On_the_Varying_Shapes_of_Snow.jpg

これを見ると、上部に描かれた雲から、花のようなもの、
やじりのようなもの、月のようなもの、 眼のようなもの、 手のようなものが盛大にふってきているのです。
雪の結晶といえば六角形、という固定観念がないからこそ描かれた、味わい深いスケッチです。

この絵は中谷宇吉郎の『雪』(岩波文庫)にも取り上げられています。
宇吉郎は冬の北海道で3千枚もの雪の結晶の写真をとって、その分類をした人ですが、そのときに気をつけたのは、
いかにもきれいな六角形の雪だけではなくて、不定形のものも含めて公平に記録するようにしたことだと書いています。

なるほど、『雪』を見ると、芥子粒のような雪の素が成長してふってくるときの
湿度と温度によって、鼓型のものとか、三角形のものとか、針が重なったみたいなのとか、
いろいろな形になるようです。

そうすると、オラウス・マグヌスさんは、雪は六角形だと正確に指摘した人に比べて、
鋭くはないが地理学者らしい素直な眼をもった人だったのではないか、
素直に雪の結晶を見たときに、それは眼の形や手の形に見えるのではないか、と思いました。

オラウス・マグヌスさん の次に雪の研究をした人は、なんとあのヨハネス・ケプラーで、
「六角形の雪について」というエッセイを、
「無を好む主人にふさわしい新年の贈り物」として、パトロンや友人に配ったそうです。
いまちらっとネットで読んだところ、ラテン語の「雪(nix)」というのがちょうど、
ケプラーのドイツ方言で「nothing(無)」という意味らしく、
パトロンが十分にお金をくれないので贈るものがありませんから
その代わりに雪について書きましょう、というシャレなんだとか。

このケプラーのエッセイの一部が、荒田洋治さんという方のブログに転載されています。
https://yojiarata.exblog.jp/17174325/
ケプラーの雪の結晶に対する驚きが感じられ、冷たい新鮮な空気を吸ったような気持ちになるのでした。

ではでは、雪が振りそうな寒さですが、みなさんどうぞあたたかくおすごしください…。

あ、さいきん見たもの聞いたものだと、先週末に千葉市美術館で行われた
「目 [me] 非常にはっきりとわからない」展とトークがおもしろかったです。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_01.html

えーと、展示自体は、私、見ているときに隣の人が話しているのが聞こえてしまい、
ちょっとスポイルなのでしたが、(わかる…けど…できれば黙っていてほしい…)
たしかに「非常にはっきりとわからない」というタイトルが、言い得て妙だと納得。

そして、この感覚はどこかで味わったことがあるぞ、と記憶をひっくり返し、
ああそうだ、以前、ホテルに上着を忘れて、
カードキーを返してしまったあとだったが、なぜかドアは空いていて、
部屋に忍び込んで上着を取ってきたことがあった、
そのときに感じた奇妙な「犯罪的な感じ」と似ている、と気づきました。
つまり、白昼堂々すべてが明らかになっているのに、どうしようもなく
なにかを見過ごしているのではないか、という気がしてくるのです。

今度こそ、ではでは。


■Webマガジン「あさひてらす」

朝日出版社の Web マガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
https://webzine.asahipress.com/

・英語学習お悩み相談室/Q.25「音読のススメ」、Q.26「効率の良く英文メールを書くには?」
https://webzine.asahipress.com/posts/2856
・洪道場の白黒さんぽ/新井満涌初段の心の一局(2)「憧れの棋士②」
https://webzine.asahipress.com/posts/2808
・夢をデザインする―夢の世界の住人―/あなたは毎晩見る夢を楽しんでいますか?
https://webzine.asahipress.com/posts/2407
・16の書店主たちのはなし/児童書専門書店「絵本のペンギン堂」の店主のはなし
https://webzine.asahipress.com/posts/2754


■編集部リレーコラム2(第五編集部)

五編の平野です。

近頃は、今月発売予定の鷲田清一さん著『岐路の前にいる君たちに』の制作中です。
明日校了したいのですが、どうなるか……。

この本は、鷲田先生が大阪大学・京都市立芸術大学の学長を務めた8年間の入学・卒業式で学生たちに贈った「式辞」を集めた一冊です。

哲学者・鷲田清一とはどんな人なのか?ということについて勝手に書きたいと思います。
鷲田先生は、私のなかの「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ランキング一位です。
鷲田先生とは最初メールでのやりとりだけで、せんだいメディアテークでの藤原辰史さんとのトークイベントへ伺い、
初めて実際にお会いしたのですが、急にやって来た、どこの馬の骨ともわからない私の話を、
イベント後のごちゃごちゃのなかきちんと聞き入れてくれ、そのあとの打ち上げにまで呼んでくれました(お刺身美味しかった)。
トークには高校生の参加者も多く、彼らにはワッシーと呼ばれていたり……めちゃくちゃ開いている方なのです。

毎日の朝日新聞連載(「折々のことば」)の原稿もあり、大佛次郎賞や毎日出版文化賞の選考委員などを
務めるため朝まで候補作を読んだりと、ぎょっとするくらい忙しそうで、深夜や明け方にメールがとんでくることもしばしば。

70歳をすぎてこんなに世の中から求められる人って、一体何でしょう。
そしてまったく分け隔てをしない、こちらが無茶なお願いをしても全然怒らない、
むしろいつも謝ってくださる……さまざまな著者と接してきて思うのは、ほんとうにすごい人って偉ぶらないなと。
そんな姿勢を間近で見させてもらい、目指したい大人像がまたひとつ増えました。目指すのはタダですしね!

以前、ある著者に初めて会った際に「いつもこんな飛び込み営業みたいなことしてるんですか?」と
真顔で言われたことがあるんですが(悪気はないと思います)、確かに、
最初はメールとか電話で見ず知らずの人に(しかも相手はけっこう偉かったりする)、
アポを取って話を聞いてもらうって、そのままですよね。

モノは売りつけないけど迷惑はかけるし(さまざまな確認とか原稿とか)。
そう気づいてから道端でマンション売ってる営業の人を無下にできない自分がいます。
飛び込み営業も頑張って生きています!

さて話はかわり、ここからはもちろんサウナのことです。笑
先週末は義父の一周忌でした。人が亡くなった瞬間を見たのは初めてだったのですが、
最後に目玉が上を向き、干からびた喉仏が降りたの瞬間を見た衝撃から、もう一年経ったのか……。

法要で一通り唱え偲び、蟹会食を食べ、親戚たちも帰ったので、夜に家族で「らくスパ(名古屋)」という温泉施設へ行きました。

お風呂ありサウナあり、岩盤浴あり、マンガと本読み放題!の至れり尽くせりなところです。
古き良き銭湯もいいけど、いわゆるスーパー銭湯的な、広い施設もたまらない~。

ここは館内着で岩盤浴やロウリュサービスありのサウナに入れるのが特徴。とくに友達連れでいくと楽しい所かと。
漫画や本もたくさんあります。ちょっと体調が悪くサウナは試せなかったんですが、
義母はここで女友達と仕事終わりの夕方に集合し、夜中までおしゃべりしているそうでうらやましい。
調べてみると、けっこう全国にあるのでぜひ(都内だと神田にありました)。

今回、たぶん今年最後のメルマガですね。来年はもっと刺激的なネタを盛り込めるよう頑張ります!


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。
気づけばもう師走。2019年も過ぎ去っていきますね。

このあいだの土曜日、中目黒で開催された「Books&something 2019」に
丁稚(販売補助員)として行ってきました。

昨年スタートした、独立系出版社が集まるブックイベントで、本を編集したひとたちから
内容や制作過程のエピソードなどを聞きながら本を手にすることのできる、とてもたのしい場。

コンビニで一万円札を崩し、お買いものはこの分までにしようと自制していたのですが、
魅力的な本をたくさん目の当たりにして、まんまと諭吉さんがもうひとり旅立っていきました。

どこで手にしても本の内容は同じですが、その場や手渡してくれたひととの時間が
重ねられると、また見え方が変わることがすごく好きです。
(つい先日、知人の編集者からふだん自分が考えていることをメッセージでもらって
 嬉しかったのを思い出しました)

なんだか本屋さんに行きたくなってきました。
退社したら大きいお店、小さいお店とはしごしたいと思います。

* * *

朝日出版社メルマガ第40号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。

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