朝日出版社メルマガ 第13号(2018/10/10発行)
朝日出版社メルマガ 第13号(2018/10/10発行)
今号のコンテンツはこちらです。
■新刊のお知らせ
■これから出る本のお知らせ
■重版出来!
■今号のイチオシ電子版
■編集部リレーコラム1(第二編集部)
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
■イベント情報
■あとがき(編集後記)
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■新刊のお知らせ
『エンタテインメントの科学』
湯山茂徳 編著/苧阪直行 著/明和政子 著/佐藤由香里 著(10月6日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010670/
『CNNニュース・リスニング 2018[秋冬]』
「CNN ENGLISH EXPRESS」編集部 編(10月6日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255010823/
『ゆっくり学ぶスペイン語』
西川喬 著(10月6日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255010816/
■これから出る本のお知らせ
『糖質OFF こんにゃく料理レシピ』
金丸絵里加 著/こんにゃくパーク 監修(10月17日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010809/
『脱! 暴走老人 英国に学ぶ「成熟社会」のシニアライフ』
谷本真由美 著(10月26日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010830/
■重版出来!
『神様の住所』 ☆2刷!
九螺ささら 著
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255010519/
■今号のイチオシ電子版
『ペーパームービー』
内田也哉子 著(2015年3月4日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255960043/
結婚一周年を迎えた父が、ロンドンから母へ宛てたエアメール。
大切に本棚にしまわれていたその手紙を、母親が亡くなって初めて目にしたとき、
「今まで想像すらしなかった。勝手だけど、父から母への、感謝と親密な思いの詰まった手紙に
わたしはしばし絶句してしまいました」
「そして、長年心のどこかで許しがたかった父と母のありかたへのわだかまりが、
すーっと解けていくのを感じたのです」
先月15日に75歳で亡くなった樹木希林さんの告別式で、娘の也哉子さんが語った言葉だ。
娘にとってずっと不可解だった、離れていても夫婦生活を続ける両親の姿。
本書は、父に内田裕也、母に樹木希林という「ハゲシイ」環境で育った著者が、若干19歳のときに書き下ろしたエッセイ集である。
自身の生い立ち、結婚するまでの19年間、母親と2人きりの生活、ユニークな留学経歴、
夫・本木雅弘との出会いなど……まさに「メクルメク日々」が手紙のように綴られている。
あれから二十数年を経て、いまや3人の子どもの母親となった也哉子さん。
「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」――生前に母が残したこの言葉は、
愛娘だけでなく、彼女の心の変化を知った私たちの胸の中でもずっと生き続けることだろう。
■編集部リレーコラム1(第二編集部)
こんにちは、第二編集部の大槻です。もう10月なんですね。
「光陰矢の如し」と「好事魔多し」で韻が踏める……それはともかく、もうすっかり秋の空気です。
『誰のために法は生まれた』ですが、書店員さんからの応援がとてもありがたいです。
9月15日付・西日本新聞「カリスマ書店員の激オシ本」にて、丸善博多店の徳永圭子さんにご紹介いただきました。
また、9月16日付・埼玉新聞では、ブックデポ書楽の書店員T・Oさんより、「国内最高峰の知の授業、
それを受けた彼らにとって、この5日間はかけがえのないものになっただろう」と、うれしいお言葉をいただきました。
木庭先生の小冊子付き、関連の古典を読もう、というブックフェアも、慶應義塾大学生協さんほかで開催中です。 https://twitter.com/asahipress_com/status/1046655136083234816
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
その小冊子に「基本中の基本です」とあるボッカッチョの『デカメロン』、 不勉強で読んだことがなかったので、
この夏、ちまちま読んでいました。
デカというのは「10」という意味だそうで、7人の淑女と3人の青年紳士が、ペストが猛威を振るうフィレンツェを離れ、
気持ちのいい田舎の別荘で、かわるがわる小話を披露して気晴らしをする、というのが全体の枠組みになっています。
10人×10日間なので、ぜんぶで100話。
話の中身は艶笑譚、滑稽話、与太郎話、うまくやり返した話、失敗談……いかに機転をきかせて首尾よく逢瀬を楽しんだか、
みたいな話が多く、かなり露骨な下ネタとかもある。ペストでバタバタ死んでいくような世界だけれども、
笑っていこう、楽しいことをしよう、生を肯定しよう、ということなんですね。
第1日第1話からして、嘘をつくのが好きな大悪党が死ぬ前に嘘の懺悔をして、その嘘があまりにみごとだったので
みんな信じて死後聖人とまで言われるようになる、という話で、「おおっ」と唸りました。
それを語り手は「私は彼が神様の御前で福者の境涯を楽しんでいる可能性を否定しようとは思いません」と、肯定的に語る。
よくないですか?
とくに印象に残った話ベスト3を紹介します。
【第3日第8話 】
嫉妬深い夫をもった奥さんが僧院長に夫のやきもちをなおしてくれと相談する。
僧院長は「それをなおすには夫に煉獄に行ってもらわねばならぬ」と奥さんに言い、さらに関係をもちかける。
ひどい僧院長だ(笑)。奥さんは戸惑うが結局ほだされてしまう。
僧院長は夫に秘伝の睡眠薬をのませる。まわりには死んだものと思われた夫は、こっそり地下に運ばれる。
そのうち目を覚まして「ここはどこですか?」と尋ねるが、僧院長の部下の僧侶は、
お前は嫉妬深いから煉獄に落とされた、やきもちをなおさないと生き返れない、と言ってしたたか打擲する。
夫はなんと10ヵ月も煉獄にとめおかれる。その間、僧院長と奥さんはすばらしい夜をすごす。
煉獄にいると信じ切って、復活したあとは勝手に美しい物語をつくって吹聴する夫が面白い。
こういうのは落語になりそうだと思った。粗忽者カランドリーノがだまされる話とかもなりそう。してほしい。
【第5日第8話 】
この話はサディスティックなので印象に残った。ナスタージョという若者は、さる美人を熱愛するが
相手につれなくされて絶望している。ある日、彼が松林の中を歩いていると、死に物狂いで見知らぬ裸の女が
かけてくる。そのうしろから大犬と、黒馬に乗った騎士が追いかけてくる。女は殺され、心臓を犬に食われる。
「だがしばらくすると女は、こうしたことが何も起こらなかったかのようにすばやく立ち上がり、海の方に向かって逃げ出した」。
このヴァーチャルリアリティ感!
騎士が言うには、自分は女に冷たくあしらわれたために自害した、それが罪で自分に薄情であった女は
毎金曜日くりかえし惨殺されるのだ、という。
そこでナスタージョは、意中の女とその家族を食事会に招待して、この惨劇を見せることを思いつく。
めずらしく残酷な話だけど、幻想が目に鮮やかだ。
【第7日第9話 】
年寄りに嫁いだリューディア夫人は美青年の小姓に惚れ込む。しかしあぶない橋渡りたくない青年は、
「主人の目の前で彼が大切にしている鷹を殺すこと」「髯を一房切り取ること」「彼のいちばんいい歯を
届けること」という難題を出す。夫人はこれを受け入れたうえ、さらに、主人の目前でお前さんと
いちゃついても平気の平左であるところをみせましょう、とまで請け合う。
さあ、どうするか。「しかしリューディアは頭のよく切れる女で、その頭が愛情でさらに鋭く研ぎ澄まされたものだから、
こうすればできるという方法をついに考え出した」。理性と感情は相反しない。
やるなリューディアと舌を巻くこと間違いなし。他にもこういう話は多いけど、これがいちばんうまくて笑えた。
ということで、「神さま 、わたくしたちにも同じように愛の楽しみを存分におあずけくださいませ」
(第7日第9話末尾)と私も祈ることにしましょう。
■書評掲載情報
○『誰のために法は生まれた』(木庭顕 著)
『週刊東洋経済』(10月13日号)にて、兵庫県立大学大学員客員教授・中沢孝夫さんにご高評いただきました。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/19016
○『折る土偶ちゃん』(譽田亜紀子・COCHAE 著)
『nina's』(11月号)にて、ご紹介いただきました。
https://twitter.com/asami_hirano/status/1049506707418767360
■編集部リレーコラム2(第五編集部)
こんにちは、第五編集部の仁科です。
今回からリレーコラム担当に加わることとなりました。宜しくお願いします!
気候が夏と秋を行ったり来たりしているせいか、先日訳もなくむしゃくしゃした日がありました。
とてつもない悪事を働かせたいという衝動がどうしても止まらなく、
現時点で考えられる“人間として”一番悪いことは何だろうかと一人で考えていました。
熟慮の結果、世紀の大発明!だと思いついたのが、映画「カメラを止めるな!」(通称カメ止め)の「ネタバレ検索」です。
日頃生き急いでいるため、時短のために映画のオチを調べて(どんなサスペンスミステリーだろうと)
2時間節約できたことにお得を感じて生きている、私・にしなであっても、さすがに世間を賑わせている
カメ止めに対してはそんな愚挙を思いついたこともなく、早く見に行かなくてはと公開からの100日を迎えていた矢先でした。
検索窓に「カメラを止めるな ネタバレ」と打ち込む際、指からは汗が滲みだし、それはものすごい罪悪感との闘いでもありました。
(男子高校生が好きな女の子をSNSでネットストーキングするときの心情と似ているのでしょうか。)
低予算無名ながらも情熱だけでブームを巻き起こした監督をはじめスタッフ陣のありあまる映画愛への冒涜
過度のネタバレが厳禁なエンターテインメントにもかかわらず、トリックのタネを大型スクリーンの
前ではなく、自分のスマホの小さい画面でしかも文字情報で探ってしまう禁忌
今後50年は現れないかもしれない、脳に刺激と斬新さを与えてくれる優良コンテンツを十分享受できる
環境にいるにも関わらず(健康面、金銭面、アクセス面、言語面すべてにおいて)、それを自ら潰えてしまう奇行
そのすべてが私に襲い掛かってきました。今でも後悔はしています。おすすめは全くしません。
一つだけ言えることは、日本中でカメ止めを見に行って、周りに勧めたくなった人間はあまりにもたくさんいます。
しかし、ネタバレを知ってから見に行くような人間はほとんどいないと自信をもって断言できます!!!
多大な犠牲を払い、社会のマイノリティになることができました。
近々、映画を見に行き、<なんとカメ止めはネタバレを知っていても面白かった映画だった>ということを
自らの体で証明してこようと思います。
さてそんな私の腐った心を浄化してくれたのは、生涯作品全35点中9点もの作品が東京・上野の地に集まっているという
皆既日食並みの奇跡の重なりでもある「フェルメール展」でも、何もかもかわいすぎてずっとかわいい!と、
知らないマダムと共鳴していた黒柳徹子さん×田川啓二さんの「もっとSU・TE・KI展」でもなく、
推し(自分が支持したり愛好したり信仰したりする対象を指す)のオフショット動画でした。
そんな、推しの偉大さと尊さ、題して<私は推しに何をしてあげられるのか>についてはまた次回!!
■イベント情報
○『神様の住所』刊行記念「短歌みくじ告げタロー」、早稲田大学生協戸山店さんに10月末頃まで設置中です。
ぜひ、ガチャガチャを入り口に、短歌に親しんでください。
https://togetter.com/li/1275170
○【名古屋】10月20日(土)・21日(日)「円頓寺 本のさんぽみち」に出店します。
名古屋で最も古い商店街の一つ、円頓寺商店街での本の産直市です。東海地方の皆さま、ぜひ足をお運びください。
https://hon3pomichi.localinfo.jp/
○【大阪】梅田蔦屋書店さん独自選書企画・読書の学校 第二講「日々是好日」
東西11社の出版社とともに一つのテーマを掘り下げるフェア、朝日出版社も参加させていただいています。
http://real.tsite.jp/umeda/event/2018/10/post-637.html
○11月3日(土)「しのばずくんの本の縁日」に出店します。
「一箱古本市」の不忍ブックストリートによる、本好きも地域の方も楽しめるブックイベントが本年で3回目の開催となります。
http://sbs.yanesen.org/?p=5154
■あとがき(編集後記)
営業部の橋本です。
ひょんなことから、弊社刊『死刑』(森達也さん著)の書店担当者さんへの営業実演を人前ですることになり(今夜なのですが)、
本書の内容の振り返りと近年の死刑執行状況など先週末調べていました。
2008年1月刊行なので、ちょうど10年経っているのですが、その間にも「粛々と」死刑執行は積み重ねられていきました。
今年はオウム真理教事件で死刑判決を言い渡された、13人が死刑執行されました。
世界各国でも大きく報道され、どのような目で見られているのかなと考えてしまいます。
大杉漣さんの最後の主演作となった映画『教誨師』も先週末から全国で封切となりました。
近く、観にいこうと思います。
死刑制度の是非について、この場で触れるつもりはありませんが、
考える・向き合い続けることの必要性ははっきりと感じます。
本書がそのきっかけとなれば。ぜひ、書店店頭や図書館などで手にしてみてください。
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255004129/
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朝日出版社メルマガ第13号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
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