朝日出版社メルマガ 第48号(2020/04/15発行)
朝日出版社メルマガ 第48号(2020/04/15発行)
今号のコンテンツはこちらです。
■新刊のお知らせ
■これから出る本のお知らせ
■今号のイチオシ電子版
■書評掲載情報
■編集部リレーコラム(第五編集部・綾女)
■Webマガジン「あさひてらす」
■あとがき(編集後記)
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■新刊のお知らせ
『CNNニュース・リスニング 2020[春夏]』
「CNN English Express」編集部 編(4月11日発売)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255011769/
■これから出る本のお知らせ
『図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣』
鎌田實 著 (※発売を5月20日に延期いたしました)
https://www.amazon.co.jp/dp/425501177X/
■今号のイチオシ電子版
『英語は楽しく使うもの<2020 完全版> 無料サイトを活用する最新英語習得法』
松本青也 著(2019年12月20日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/25550071500000000009/
長きにわたり大学で英語教育に従事してきた著者は、2006年に書籍版『英語は楽しく使うもの』を刊行。
世界中のサイトから英語学習に絶対役立つものを厳選し、端的な解説付きで紹介した本書は、
以来、年度ごとに電子書籍版で最新の情報を更新しています。
このたびの社会状況に際し、家から外に出ることのできない方たちに活用していただければとの
著者の意向を受け、5月6日まで期間限定でこの電子書籍を無料公開中。
現在、アマゾンのkindleでは英語・無料部門でランキング1位の支持を受けています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B082XYKDWQ
他の電子書店でも随時無料公開されます。
見出しをクリックするだけでそのサイトへ飛べる、電子書籍ならではのリンク機能付きによって、
誰でも、どんなところに住んでいても、インターネットにさえ接続していれば、
無料で毎日楽しく英語が使える最新「楽」習ガイドです。
各サイトの紹介には、PC用/スマホ専用の区別や、難易度の区別もなされており、
自分に最適のものが見つけられるように工夫されています。
さらに、単に英語のサイトの紹介だけでなく、inputやoutputなどの理論的背景から、
英語の4技能(リスニング・リーディング・スピーキング・ライティング)能力を
いかに伸ばすかについてわかりやすく説明しています。
ぜひ、 学習にお役立てください!
■書評掲載情報
○『銀河の片隅で科学夜話』(全卓樹 著)
4月4日付・朝日新聞読書欄にて、須藤靖さんにご高評いただきました。
https://twitter.com/asahipress_com/status/1246243922055065600
『週刊読書人」(4月10日号)にて、加藤夢三さんにご高評いただきました。
https://dokushojin.com/article.html?i=6888
4月11日付・毎日新聞読書欄にて、渡邊十絲子さんにご高評いただきました。
https://twitter.com/mainichi_books/status/1248768698585731072
○『岐路の前にいる君たちに』(鷲田清一 著)
4月4日付・西日本新聞「カリスマ書店員の激オシ本」にて、ブックスキューブリック・大井実さんにご高評いただきました。
https://twitter.com/ayaminski/status/1249629716551593986
『婦人公論』(4月28日号)にて、渡邊十絲子さんにご高評いただきました。
https://twitter.com/ayaminski/status/1249875718747459584
■編集部リレーコラム
春、春、春。夏の鼻はどこにある?
夏、夏。秋の口はどこにある?
秋、秋。冬の目が見えたら、
春が来るんだって。
(Lucid Fall「Spring, Summer, Autumn, Winter」)
でもその年は、冬の目が見えても、春は来なかった。
春はすべて夏の先に繰り越されて、どこかへ消えてしまった。
別れと出会いの季節が春なのだとしたら、
人びとは別れと出会いとも別れなければならなかった。
つながりをなくそうとすることが、いかにつながってしまっているのかを証した。
増えていくものよりもなくなっていくものが注目されるなかで、
花はいつもよりも早く咲いて誰にも見られることなく散っていった。
それでもいつもどおりに風の強い日があって、雨が打つごとに暖かくなっていく。
目に見える風景は間違い探しのように刻一刻と変化して、
探せるうちはまだそのことに正気を預けている。
「すでに」と「まだ」と「もう」と「いつか」のどれが今日は多かっただろう。
朝目覚めると外の光に何事もなかったように錯覚するけれど
ーー異国の旅先で眠りから覚めて一瞬ここがどこかわからなくなるようにーー
次第に、音声が、文字が、すでに起こっていることが起こってしまっていることを告げる。
変えているのは目に見えないものなのだから、
その年の春を見つけるには注意深く音を聞かなければならなかった。
「相手の姿を見るためには、目の前にいなければならない。
でも声は、後ろからあなたに呼びかけることもあるし、
あまりに遠くからで、その声がどこから来ているのかわからない時もある」
(関口涼子「声は現れる」)
目の前を逃げていく春を呼びもどすために、目を閉じて、呼びかける。
春の耳へと向けて。 (綾女)
■Webマガジン「あさひてらす」
朝日出版社のWebマガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
https://webzine.asahipress.com/
・CNN English Express-編集部が見た等身大のアメリカ/日本人が思い描くアメリカ、それはシカゴ
https://webzine.asahipress.com/posts/3412
・洪道場の白黒さんぽ/岩田紗絵加初段の心の一局(4)思いがけず届いたメール
https://webzine.asahipress.com/posts/3338
・夢をデザインする―夢の世界の住人―/夢を見やすい眠りの長さ
https://webzine.asahipress.com/posts/3398
・朝日出版社メルマガ ~Back Numbers~
https://webzine.asahipress.com/categories/860
・何を読んでも何かを思い出す/川と恋人(大塚真祐子)
https://webzine.asahipress.com/posts/3359
■あとがき(編集後記)
営業部の橋本です。
なかなか集中して本が読めない日々が続きますが、最近読めて嬉しかった本がいくつかあります。
とある版元の方と、お手紙をする中で自社本をいくつか勧め合いましょうということをして、
エーリヒ・ケストナー『点子ちゃんとアントン』を挙げてもらいました。
週末に部屋でごろんとしながら開いた岩波少年文庫。
とびっきりの友だちである、裕福な家の娘・点子ちゃんと貧しい家の子・アントンを中心に
ストーリーは進んでいくのですが、章の終わりごとに著者からの声掛けが、
まるで小さな声で語り掛けられているかのように、小さな文字で記されています。
それぞれの章で起きたことを、登場人物の気持ちになったり、その振る舞いはどうだったのかを
ちょっと俯瞰して考えるような示唆です。
これは絶対にこうだ! こんな思いやりのないのはダメだ! と声高に言うのではなく、
誰しもこういうことがあり得るのでないか、読者の皆さんも自分の心に問うてみるのが
いいのではないかとそっと肩に手を置かれるような。
読んでいて、小社刊『こども哲学』シリーズのことが浮かびました。
アプローチは同じではありませんが、さまざまなことを、自己と他者、個と社会といったように
異なりを理解したうえで共生していくことを考えていく。
あわせて読んでもらえるといいな、読みたいなと思っています。
ちなみに自社本でお勧めしたのは、蓮實重彦さん『フランス語の余白に』と内田也哉子さん『ペーパームービー』。
後者をすぐに読んでもらえました。こういうお手紙のやりとりは嬉しいものですね。
昨日から開き、もうすぐ読み終わりそうなのがキム・エラン『外は夏』。
数ヶ月前に、西荻窪の今野書店さんをお伺いした際に「担当者お勧め本」として
並んでいるのを見かけ、レジ打ちしてもらった一冊です。
喪失や断絶をテーマとした七篇が収録されていて、ゆっくり目で追っていると
自身の来し方と行く末に向き合うような感覚になります。
ちょうど先週、この担当者さんにお手紙をしたためたタイミングだったので、
感想と手にする機会をいただいた感謝をまた伝えようと思います。
* * *
朝日出版社メルマガ第48号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。