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朝日出版社メルマガ 第55号(2020/08/05発行)

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朝日出版社メルマガ 第55号(2020/08/05発行)


今号のコンテンツはこちらです。

■新刊のお知らせ
■今号のイチオシ電子版
■イベント情報
■編集部リレーコラム(第二編集部・大槻)
■Webマガジン「あさひてらす」
■あとがき(編集後記)

━━━━━━━━━━━━━━━

■新刊のお知らせ

『初級者からのニュース・リスニング CNN Student News 2020[夏秋]』
「CNN ENGLISH EXPRESS」編集部 編
https://www.asahipress.com/bookdetail_lang/9784255011929/


■今号のイチオシ電子版

『世界婚活』
中村綾花 著(2020年6月8日配信開始)
https://www.asahipress.com/bookdetail_norm/9784255006949/

長引くコロナの影響で、人と人が交流する機会が激減。
20歳以上の未婚男女467人を対象に行なったある調査によると
コロナウイルス感染症拡大前と比較して「以前よりパートナーが欲しいと思いますか?」という質問に対し、
8割近い人が「パートナーが欲しいと思うようになった」と答えているそうです。

そんななか、オンライン婚活パーティー、オンライン合コン、オンラインお見合いなどが注目を集めていますが、
本書は、閉塞した日本の恋愛に大きな風穴を開けたラブジャーナリストの婚活奮闘記です。

結婚はいつかしたい…でも、婚活がうまくいかない!
そんな悩みを抱えていた著者が、
ちょっと視点を変えて「日本に相手がいなければ、世界で探せばいい」と日本を脱出してみたら……!?

アメリカ、韓国からバングラデシュ、モロッコ、フランスまで恋愛リサーチ&婚活の旅を続け、
ついにパリでフランス人男性とゴールイン。32歳のときでした。

世界婚活を経て、悟ったこと――それは、まず自分自身に「私はどうあれは幸せになれるのか?」を
考えることだと言います。
「結婚=幸せ」のように、つい惑わされがちな世間一般の基準や他人の基準ではなく、
「自分はどうありたいのか?」をまず自分に聞いてみることが一番大切だと断言しています。

結婚というものにしっくりきていない人、婚活に疲れてしまっている人……、
この本をきっかけに、立ち止まってじっくり考えてみてはいかがでしょうか。


■イベント情報

○『本の読める場所を求めて』刊行記念・阿久津隆さん×菊池良さんトークイベント
~「読む」と「場所」を求め続けて、何が見えてきた?~
【配信】8月8日(土)19時~
http://bookandbeer.com/event/20200808b/


■編集部リレーコラム

こんにちは、第二編集部の大槻です。長かった梅雨もあけ、ようやく夏本番ですね。
いかがお過ごしでしょうか。

先日、このメルマガを読んで『銀河の片隅で科学夜話』をご購入いただいたという方から読者ハガキをいただきました。このような各人が好き勝手書いているものを読んでいただいているとは汗顔の至りというか申し訳ないです。どうもありがとうございます。

私の方は特に浮いた話もなく、毎日毎日、絨毯の写真を見て暮らしています。いま、キリムからの流れで、部族絨毯にハマっておりまして……アフガニスタンは戦争の国ではなく、大変素晴らしい絨毯を作る国なのだと認識が改まりました。いつか買いに行きたいです

浮いた話……浮いた話といえば、ときどき一緒に山に登る友人のSさんに彼氏ができ、ちょっと遠くのK市に引っ越しました。
十年以上暮らしたアパートを退去するとき、大家さんにカギを返しながら、思い余って泣いてしまったそうです。大家さんは引いてたそうです。(だよね…)

引っ越し先のアパートの大家さんは元大工で、二人で隣同士の部屋を借りて、「ここ(部屋の中)にドアがあったらいいのにねえ」と冗談を言っていたら、壁をぶちぬいて本当にドアを作ってくれたそうです。アパート自体、建て増し・建て増しですごいことになっているとか。

先日は「バスタブが余った」ため、大家さんが余分のバスタブをくれたそうで、そのバスタブはベランダにおき、土を盛って小さな畑にして、ミョウガでも育てたい、と言っていました。
大きなバスタブに小さなミョウガが点々と植えてあるのを想像すると笑えてきます。
彼らに幸あれかし!



コロナがちょいと落ち着いていた時期に、久しぶりに奥多摩の三頭山に行ってきました。
麦山浮橋をわたってヌガサス尾根から三頭山に登り、都民の森に降りるルートです。
ヌガサス尾根は植林と自然林が道の左右できれいに分かれていて面白いし、明るくてなかなかいい尾根でした。最後が急登気味で息が切れる…。
アオバトのアーオウ、ウウウアーオウという間抜けな鳴き声がずっと聞こえていました。

都民の森には「三頭大滝」という滝があって、車でもバスでも来れるのでおすすめです。
(駐車場からは少しだけ歩きますが、道にはずっとウッドチップが山盛りに敷かれ、ペルシャ絨毯の上を歩くようなフワフワな道になってます。贅沢すぎてたまげる!)
吊橋がかかっていてなかなか立派な滝です。少しだけ登ると滝の落ち口を後ろから眺められます。これは初めて見たので興奮しました。こういう、道やなんかが途中で断ち切れているイメージに弱いです。グッと来ます。

もし、武蔵五日市駅からバスで来るか、車で来る場合、ちょうど武蔵五日市駅と都民の森の半分ぐらいのところを少し上に行ったところにある「神戸岩」に立ち寄るのもおすすめです。
https://www.travel.co.jp/guide/article/29319/
ジュラ紀の岩壁が左右にそそり立つ狭い渓谷を鎖づたいに渡るという、ちょっとスリリングな体験ができます(ハイキングの格好なら安全に渡れるようになっています)。

また、都民の森からバスで少し下ったところには、「数馬の湯」があり、温泉にも入れます。
数馬には、「日本秘湯を守る会」にも加入している、茅葺き屋根の「蛇の湯温泉
たから荘」もあるのですが、私が行ったときはコロナのためか、お休みしていました。ぜひ今度行きたいと思っています。
https://www.hitou.or.jp/hymbrrsv/hymbr_pg01.html?yc=tt100

都民の森で今回発見だったのは、桂(カツラ)の木。
この木から、砂糖醤油のようなにおいがただよってくるのです。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-889
まんまるの虫食い穴がところどころ空いた、それ自体まるい形の、黄葉した葉っぱを拾って、クンクンかいでみると、まぎれもない「おばあちゃんのぽたぽた焼」のにおいです。

このにおいの元となる物質がなんの役に立っているかは、まだよくわかっていないとのこと。
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3148
街路樹でもよく植えられているそうですが、ぜんぜん気づいてませんでした。
これはすごいぞ、と思い、記念に葉っぱを拾って帰りました。



自宅作業推奨になってから、せまいベランダを植物の鉢が占拠しつつあります。
トケイソウ(パッションフルーツ)、オリーブ、バジル、タイム、ミント、マダガスカルジャスミン、その他その他。

トケイソウは大変のびが速く、少し水が足りないと葉っぱがしょげーっとして水をほしがります。
いとうせいこうさんの『自己流園芸ベランダ派』の中に、
「ツルのある植物は他の植物に比べてIQが高いというのが俺の持論で、育てている感じからすると、もはやペットに近い」
という一節があるのですが、まさにまさに、です。

最近育て始めたのはジュエルオーキッドと呼ばれる、葉っぱに金色の葉脈が走る不思議なランの一種です。
https://www.shuminoengei.jp/?m=pc&a=page_s_imaatsu_015
これもけっこうすくすく伸びてきて楽しいです。なぜ葉脈が光るのか、意味不明なところがいいです。

そんなわけで、小さなアパートで150の植物を育てている佐野祐一さんに「植物の育て方」をマンガで教えてもらうという連載がスタートしました。
まだ第一回のご挨拶の回だけなのですが… よろしかったらどうぞ。
https://webzine.asahipress.com/posts/3817



みなさんは本に書き込みをするほうですか?
私はあるときから宗旨変えして、蛍光マーカーで線を引きまくり、わからないところには「?」を乱れ打ちするというスタイルです。そうすると、本というのは「!」と「?」のまだらでできているなあと思います。

そんな、「あの人はどう読んでいるのかしら?」という好奇心を満たしてくれるのが、
さいきん本の雑誌社から刊行された、山本貴光さんの『マルジナリアでつかまえて』です。

本の余白――マルジナリア――に何を書き込んでいるか、見てやろう、という本なんですが、何刷りになっても細部に手を入れる石井桃子さん、
「モーパッサンは馬鹿にちがいない」など、イキイキと書き込む夏目漱石、
本文より書き込みのほうが多いモンテーニュの「エセー」等々、
爆笑必至でありつつ、全編が一種の読書論にもなっている好著です

最後には「自分で索引を作りながら読む」という読書法も紹介されています。
速読の反対の「遅読」、本はゆっくり読まなきゃ意味がないんだ、と山本さんは言います。
新幹線のように過ぎ去っていく景色は、それはそれ。ゆっくり歩いた景色はまた違う。
本当にそうだなと思うし、もっと早く気づきたかったとも思います

まったく蛇足ですが、私がこれまで出会った「マルジナリア」で印象に残っているのは、
駅の本交換コーナーに置いてあった武者小路実篤の最後に「新しき村」の記事が貼り付けてあって、「私も武者小路先生のようにまっすぐに生きていきたい」という趣旨の言葉が署名入りでページいっぱいに大書してあった、というものです。

また、いちばん笑った書き込みは、古書店でもとめた『やさしい男性の描き方』というヌードデッサンの教本に、せっかく曖昧に処理していたのに、懇切丁寧に、見落としなく、見えそうなところにはすべて、ボールペンで「あれ」が書き加えられていた、というものです。
あれというのは、本来葉っぱなどで隠さなければならない、ギリシャでは小ぶりのほうが望ましかったときく、ミケランジェロの最後の審判ではハレンチだと言われ後世ズボンが書き加えられた、あれのことです。
非常に上品に書き加えられてあり、最初気づかなかった(最初から描いてあるのかと思った)のですが、よくみるとボールペンの照りが印刷とは違い、あ、と気づいたときは、涙が出るほど笑いました。いまでも大事にとってあります。

暑さが本番となってまいりましたが、みなさまどうかご自愛ください。


■Webマガジン「あさひてらす」

朝日出版社のWebマガジン「あさひてらす」は、 いま話題のテーマ、エッセイ、小説などをお届けします。
https://webzine.asahipress.com/

・何を読んでも何かを思い出す/入院とバッタの脚(大塚真祐子)
https://webzine.asahipress.com/posts/3859
・夢をデザインする―夢の世界の住人―/国や文化が違っても見る夢は同じ(松田英子)
https://webzine.asahipress.com/posts/3867
・文士が、好きだーっ!!/なにを見てるの!? 鱒二さんっ☆★☆(坂上友紀)
https://webzine.asahipress.com/posts/3884
・洪道場の白黒さんぽ/芝野虎丸名人の心の一局『リーグ残留をかけた戦い』(3)
https://webzine.asahipress.com/posts/3647
・マンガでわかる 植物との暮らし方(佐野裕一)
https://webzine.asahipress.com/posts/3817
・優雅な貧乏生活/貧しさと恥(安田登)
https://webzine.asahipress.com/posts/3788
・答えは風のなか/おばあちゃんのメモ(重松清)
https://webzine.asahipress.com/posts/3776


■あとがき(編集後記)

営業部の橋本です。

発売からおおよそ三週間となった『本の読める場所を求めて』ですが、
Twitterなどに感想が多くあがっていて、一つひとつ見るのがたのしく、嬉しいです。

刊行記念フェアとして<「読む」と「場所」のあいだ>も企画、
全国の書店さんへご案内し、開催検討いただいています。

著者・阿久津隆さんによるリード文がとても好きなのでご紹介を。

* * *
家、カフェ、酒場、公園、図書館、電車。
極めて高いポータビリティを備えた本は、いつでもどこでも開かれる。
どんな「場所」も、誰かにとっての「読む」のために開かれている
愉快で楽しい「読む」が生じるとき。「場所」が生き生きと輝くとき。
そのあいだが上手にチューニングされて接続されたとき、
個々それぞれの「本の読める場所」が生まれると思います。
そんな考えのヒントになる本を選んでみました。
* * *

全28点のブックリスト、本書とあわせてぜひ手にしていただけますように。
(書店さま、ぜひとも展開をお願いいたします!)

そして今週土曜日には下北沢・本屋B&Bさんでの刊行記念イベントがオンライン配信されます。
トークのお相手は『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』が大きな話題となった菊池良さん。

「本/読む/場所」についてのお二人のお話がとてもたのしみです
http://bookandbeer.com/event/20200808b/

 * * *

朝日出版社メルマガ第55号、最後まで読んでくださりありがとうございました。
ご意見やご感想などお寄せいただけると励みになりますので、よろしければ以下アドレスまでお願いいたします。
 → info@asahipress.com

 

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