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日中いぶこみ百景

食をめぐる「いぶこみ」

コロナウイルスの発生元をめぐっては,米中でつばぜり合いを演じているようだが,中国発のニュースでは,次の様な情報が興味を引いた。題は「食用野生動物の産業チェーンを断つ」(中国力斩野味产业链)というものだ。

 

「新型コロナウイルスによる肺炎が発生し、野生動物の食用と,それが公衆衛生にもたらす巨大なリスクが,社会から広く注目を集めている。全国各地の公安・林業部門,市場監督管理部門は、野生動物の違法な捕獲,販売,食用という産業チェーンの取り締まりを開始した。現在,野生動物を食べる消費者が多く,密猟に高額の利益があり,鑑定の難度やコストが高いなどの問題があり,これが野生動物密猟の利益循環が地下で回っている理由である。これに対し,第13期全国人民代表大会常務委員会第16回会議では,「野生動物の違法取引の全面禁止,野生動物食用の悪習排除,人民の生命・健康の安全の確実な保障に関する決定」を通過させた。(『聴く中国語』2020年6月号,NEWS FOCUSによる)

 

 訳文も『聴く中国語』によるが,同紙には原文も載っている。訳文の「野生動物を食べる消費者が多く」という下りは原文は“目前,野味消费群体庞大”であり,「多く」というところは「膨大である」と“庞大”を使っている。また「密猟に高額の利益あり」というところは「利益は驚くべきものだ」と“利润惊人”という原文だ。

 いずれも,広く,深く,野生動物の肉食の風が蔓延していることが伺える。

 我々も,「南方では,空を飛ぶものは飛行機以外は食べ,地を這うものは机以外を食べる」などというのを聴いたことがある。

 中国北京での第2波と見られる感染が、武漢とおなじく,またしても食料市場から起こったことも気になる。

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著者略歴

  1. 相原 茂

    中国語コミュニケーション協会代表
    1948年生まれ。東京教育大学修士課程修了。中国語学,中国語教育専攻。80~82年,北京にて研修。
    明治大学助教授,お茶の水女子大学教授等を経て,現在中国語コミュニケーション協会代表としてTECCの普及に努める。
    NHKラジオ・テレビでも長年中国語講座を担当。編著書に,『はじめての中国語』(講談社現代新書)『雨がホワホワ』『ちくわを食う女』『中国語未知との遭遇』(ともに現代書館)『ときめきの上海』『発音の基礎から学ぶ中国語 新装版』(ともに朝日出版社)『「感謝」と「謝罪」はじめて聞く日中“異文化”の話』(講談社)『講談社中日辞典<第三版>』『講談社日中辞典』(講談社)など。

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