食をめぐる「いぶこみ」
コロナウイルスの発生元をめぐっては,米中でつばぜり合いを演じているようだが,中国発のニュースでは,次の様な情報が興味を引いた。題は「食用野生動物の産業チェーンを断つ」(中国力斩野味产业链)というものだ。
「新型コロナウイルスによる肺炎が発生し、野生動物の食用と,それが公衆衛生にもたらす巨大なリスクが,社会から広く注目を集めている。全国各地の公安・林業部門,市場監督管理部門は、野生動物の違法な捕獲,販売,食用という産業チェーンの取り締まりを開始した。現在,野生動物を食べる消費者が多く,密猟に高額の利益があり,鑑定の難度やコストが高いなどの問題があり,これが野生動物密猟の利益循環が地下で回っている理由である。これに対し,第13期全国人民代表大会常務委員会第16回会議では,「野生動物の違法取引の全面禁止,野生動物食用の悪習排除,人民の生命・健康の安全の確実な保障に関する決定」を通過させた。(『聴く中国語』2020年6月号,NEWS FOCUSによる)
訳文も『聴く中国語』によるが,同紙には原文も載っている。訳文の「野生動物を食べる消費者が多く」という下りは原文は“目前,野味消费群体庞大”であり,「多く」というところは「膨大である」と“庞大”を使っている。また「密猟に高額の利益あり」というところは「利益は驚くべきものだ」と“利润惊人”という原文だ。
いずれも,広く,深く,野生動物の肉食の風が蔓延していることが伺える。
我々も,「南方では,空を飛ぶものは飛行機以外は食べ,地を這うものは机以外を食べる」などというのを聴いたことがある。
中国北京での第2波と見られる感染が、武漢とおなじく,またしても食料市場から起こったことも気になる。