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日中いぶこみ百景

Mao's collection 鸡血石 jīxuèshí

これは鶏の血を思わせるような真っ赤な色が含まれている石である。

その名も“鸡血石”という。

浙江省昌化玉岩山に産し,寿山石の“田黄”tiánhuáng,“ 芙蓉”fúróngとともに“印石三宝”yìnshí sānbǎoと称される。

“鸡血石”の採掘は明代に始まったとされ,清代には康煕,乾隆,嘉慶の皇帝に珍重された。

1970年代,日中国交正常化の際に中国を訪れた当時の田中角栄首相,大平正芳外相に周恩来首相はこの“鸡血石”を一対づつ贈り国礼とした。

私は昔買ったので50元ぐらいだった。80年ごろはまだ鶏血石も安かったのである。

最近は模造品も出てくるようになった。私は相原茂と縦に彫ってときどきこの印を使っている。

(朝日出版社刊:『話してみたい 中国語必須フレーズ100』より)

 

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著者略歴

  1. 相原 茂

    中国語コミュニケーション協会代表
    1948年生まれ。東京教育大学修士課程修了。中国語学,中国語教育専攻。80~82年,北京にて研修。
    明治大学助教授,お茶の水女子大学教授等を経て,現在中国語コミュニケーション協会代表としてTECCの普及に努める。
    NHKラジオ・テレビでも長年中国語講座を担当。編著書に,『はじめての中国語』(講談社現代新書)『雨がホワホワ』『ちくわを食う女』『中国語未知との遭遇』(ともに現代書館)『ときめきの上海』『発音の基礎から学ぶ中国語 新装版』(ともに朝日出版社)『「感謝」と「謝罪」はじめて聞く日中“異文化”の話』(講談社)『講談社中日辞典<第三版>』『講談社日中辞典』(講談社)など。

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