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日中いぶこみ百景

Mao's collection 盒子 hézi

なぜか箱ものに惹かれていた一時期があり,このようないろいろな小さな容れ物を求めた。

わが書斎の戸棚にはこういうものが数十個ころがっている。

銅製の小箱にはたいてい詩が彫ってあったり,絵が施してある。

赤い堆朱のものもあるし,古い陶片を蓋にはめ込んだ小物入れもある。

小姐の指輪入れだったか,あるいは君子の薬入れだったか。

一番手前のものは墨が入っていて硯がわりに使ったものらしい。

戸棚の前を通りかかり,ふと目にするとなぜか手が伸びる。

一つひとついじり回しているといつも半時ほど過ぎてしまう。

いまだ誘惑力をもった小物たちだ。

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著者略歴

  1. 相原 茂

    中国語コミュニケーション協会代表
    1948年生まれ。東京教育大学修士課程修了。中国語学,中国語教育専攻。80~82年,北京にて研修。
    明治大学助教授,お茶の水女子大学教授等を経て,現在中国語コミュニケーション協会代表としてTECCの普及に努める。
    NHKラジオ・テレビでも長年中国語講座を担当。編著書に,『はじめての中国語』(講談社現代新書)『雨がホワホワ』『ちくわを食う女』『中国語未知との遭遇』(ともに現代書館)『ときめきの上海』『発音の基礎から学ぶ中国語 新装版』(ともに朝日出版社)『「感謝」と「謝罪」はじめて聞く日中“異文化”の話』(講談社)『講談社中日辞典<第三版>』『講談社日中辞典』(講談社)など。

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