Q.17「子供にはいつから英語を習わせるべき??」、Q.18「TOEIC® S&Wテストの勉強方法とは?」
この連載では、英語学習に悩みを抱える読者の方のご質問に、横本先生が懇切丁寧にお答えしていきます。 先生へのご質問はこちらから。 |
Q.17「子供にはいつから英語を習わせるべき??」
最近ネットやテレビなどで、子供に英語を習わせるべきといった意見を多く見たり、近所に住んでいる子も英語の塾に通っていると来たりしているので、うちの4歳になる息子にもそういった塾に通わせてみようかなと考えたりしています。でも、子供に英語を習わせることの反対論も聞いたり、お金もかかることなので迷っています。幼い子供に英語を習わせたほうがいいのでしょうか?
(さき、34歳、主婦)
A:子供の反応から早期学習のメリットを生かせるかどうか判断する!
子供に何歳から英語を学ばせるかというのは親なら誰でも悩むものですよね。実は、私も、子供が幼い頃に英会話に通わせるかどうか迷いましたが、結局学校以外の英語は何もしないで終わりました。
私は、英語教育が早ければ早いほどいいという意見には賛成しません。英語嫌いを生み出す原因となる可能性もあるので、早期英語教育には注意が必要だと考えています。
早期教育の最大のメリットは発音の習得にあります。典型的な例を使って説明すると、英語にはLとRの発音がありますが、いずれも日本語にはない音です。日本人は日本語の音のカテゴリーの中にこれらの音を当てはめようとします。たまたま近い音がラ行だったので、日本人にはLもRもラリルレロのいずれかの音に聞こえてしまいます。
この音のカテゴリーは思春期頃までにできてしまうので、日本語の音のカテゴリーができてしまう前に、英語の音のカテゴリーも作ってしまえば、比較的苦労せずに、聞き取りもでき、発音もよくなるというのが早期学習のメリットです。
また、幼い子供は、活字に頼る学習をしないので、音だけで英語を学びますから、素直に聞こえた通りにマネができます。思春期頃から恥じらいが強くなったり、文字に頼るようになるので、このような学習方法が難しくなります。これも幼い子供の発音が比較的きれいなことの理由だと考えられます。
しかし、英語の音のカテゴリーを作り出すのにも、音だけに頼って英語を学ぶのにも、かなりの量のインプット(聞き取り)が必要となります。研究者によるとCDやビデオなどのただの聞き取りではなく、人とのやり取りの中でのインプットが必要だと言われています。子供が会話や遊びの中で聞こえてくる英語の量が必要だということです。週に1回1時間の英会話にそれを期待するのは万人向けの方法とは言えないのが事実です。
そして何より大切なのは子供が楽しむことです。一度体験や見学に行ってみて、子供が無邪気に楽しんでいることが確認できたら、それでも多少の効果はあるかもしれません。親として色々期待しがちですが、早期英会話をやったからといってバイリンガルになるわけでもないですし、やらなかったとしても流暢に話せるようになるチャンスを無駄にするわけではないので、子供の正直な反応を見て決めてみてはいかがでしょうか。
Q.18「TOEIC® S&Wテストの勉強方法とは?」
こんにちは。都内のメーカーに勤める者です。私が働いている会社では、昇進の要件にTOEICのスコアがあり、これまでTOEICL&Rテストのほうの勉強をやり、先日ようやく730点を超えることが出来ました。ですが、自分で話したり書いたりすることはまだ出来ず、次はTOEIC S&Wテストの勉強をしようかと考えています。ですが、大きな本屋さんを見ても、なかなかこれという参考書や問題集がなく、どうやって勉強したらいいのか迷っている状況です。もし、おすすめの勉強方法があったら教えて頂きたいです。
宜しくお願い致します。
(徹、32歳、会社員)
A:同じトピックを反復練習して、高い発信力を身につけよう!
TOEIC®L&Rでは730点を超えたことはすごいことです。おめでとうございます。このスコアは基礎ができていないと取れないスコアですし、語彙力もコミュニケーションには困らない程度は身についていると思います。それでもまだSpeakingやWritingとなると勝手が違いますよね。でも練習すれば、ListeningやReadingのように必ず目標達成できるので、これまで通りコツコツ学習してください。
さて、TOEIC®S&Wの勉強をするとのことですが、スコアでレベルが表示されるテストなので、目標スコアを設定して学習を続けるのには良いかもしれませんね。いずれにしても、一度受験して現レベルを把握することをおススメします。スコア表に書かれている説明を参考に弱点を克服するのもいいと思います
Speaking力、Writing力を上げるためにはテキスト選びよりも反復練習です。同じトピックについて書いたり話したりすることを最低でも3回はしましょう。Speakingの練習では、練習問題を使い、自分の声を録音して、それを聞いて、自分で修正したい箇所を考え、もう一度録音し、それを再度聞いて、もう一度録音するという作業を繰り返すことで、語彙の使い方、発音、イントネーション、文法に至るまで学習効果が期待できます。Writingも同様に、同じトピックについて最低3度は書くようにしましょう。1度書いたら、翌日以降にそれを読み、どこを修正すればさらに分かりやすくなるか、語彙の間違いはないか、文法に修正は必要かを考えて書き直す。そして、このプロセスを最低2回はやるという反復練習で、SpeakingもWritingも伸びてきます。
730点以上の英語力があるからこそできる練習法ですが、自分の話した内容を聞いたり、書いた文書を読むときに色々気づきがあるはずです。その気づきによって、SpeakingもWritingもうまくなるので、継続して学習してみてください。