朝日出版社ウェブマガジン

MENU

英語学習お悩み相談室

Q.31「海外経験がなくても、英語はペラペラになるの?」、Q.32「どうして英英辞典を使うの?」

この連載では、英語学習に悩みを抱える読者の方のご質問に、横本先生が懇切丁寧にお答えしていきます。

先生へのご質問はこちらから。お気軽にご応募ください。
英語お悩み相談室 質問受付フォーム

 
Q.31「海外経験がなくても、英語はペラペラになるのか?」

 会社の後輩に英語がすごく出来る後輩がいるのですが、話を聞いてみると、留学経験は全くなく、学校の勉強と独学でTOEIC900点やTOEFL100点などを取得したそうです。本当かなと思ったのですが、事実海外旅行も含め、英語圏には一度も行ったことがないそうです。正直なところ、「本当かなぁ」と疑ってしまうのですが、そういう海外経験がなくても、英語の出来る人は他にもいるのでしょうか。先生も長年英語を教えられていて、そういった方に出会われたことはありますか?(けんいちろう、33歳、会社員)

 

「継続して英語を使う環境がカギ」

英語が流暢に話せる方は大勢いらっしゃいますが、その大半は、幼少の頃のご家族の都合で海外で生活していたいわゆる帰国子女であることが多いです。あるいは、学生時代に積極的に留学した方も英語が堪能ですよね。一般論で言えば、流暢な英語を話す日本人のほとんどは、ある程度期間を海外で生活した経験のある方が多いのは確かです。しかし、かなり稀ではありますが、日本国内にいながらも、大変な努力をされて、かなりの英語力を身につけた方にお会いしたことがあります。

TOEIC900点以上やTOEFL100点以上というような、かなりのハイレベルな英語力に該当する方に限定すれば、人数はかなり限られてしまいますが、海外経験といっても海外旅行レベルだけで、非常に高いレベルの英語力をお持ちの方がいます

その方は、英語学習に非常に貪欲な方です。大きな目標を立てるというよりは、例えば、TOEICなどでいえば2か月で50点アップというような、小さな目標を立てて、その目標を達成するために、明確に学習内容を決定して、決められたメニューを必ずこなすというような継続学習をしたそうです。大学生の頃から英語に関しては高い関心があったそうですし、英語に関する課外活動もされていたそうですし、仕事上英語を使っていらっしゃる方なので、一般化することは難しいかとは思いますが、今のレベルに達する前に限らず、現在でも、英語を使う環境を作り出す努力をされていることは確かですし、それだけ英語に触れる時間を確保することに力を入れていらっしゃいます。

逆に、英語圏で生活するのには、それほど高い英語力を要求されません。病院に行ったり、自動車事故にあったり、何かのトラブルに出くわさない限り、英語を避けて生活することも可能です。実際に、英語圏で数年以上生活していても、それほど高い英語力を身につけずに帰国する方々も多く見てきました

日本国内、英語圏という場所が英語力アップに必要なのではなく、英語で考え、英語で情報を得て、英語で意見を発信することを続ければ、少しずつではありますが、英語は上達していくことには間違いありません。英語を使う環境作りと継続が成功には不可欠なので、国内でできる最大限の努力をしてみてください。

 

 

Q.32「どうして英英辞典を使うの?」

高校生のあさみと言います。この間、学校の先生に「英和辞典だけでなく、英英辞典も引いたほうがいい」と言われたのですが、単語を調べるときは、毎回必ず英英辞典も引いたほうがいいのでしょうか?先生に言われて引いたりしているのですが、正直なところ、二度手間に思え、めんどくさく感じるときもあります。英英辞典を引いていると、どんな力がつくのでしょうか??(あさみ、18歳、学生)

 

「訳さずに英文を解釈するための英英辞書」

高校の先生が英英辞典も引いた方がいいというのは、その先生が、翻訳して英文を解釈するのを避けるためだと思います。

日本で出版されている英和辞典は大変素晴らしく、それぞれの対訳(日本語の意味)、発音記号、用法の説明、例文すべてにおいて、それぞれの単語を学習する上で必要な情報が網羅されています。ですが、折角の重要な情報も使用する側が正しい使い方をしなければ、無意味なものになってしまう危険性があります

英文を解釈する際に、英和辞典で対訳のみを調べ、その対訳を英文の下に書き込んで意味を理解したとします。これでその英文を理解したと思っていませんか?この時に理解しているのは英文ではなくて、和文です。英文を訳した和文で理解したものは、和文の理解でしかありません。英和辞典に頼って、訳して理解することを続けると、この和文の理解をしたところで英語学習を終わらせてしまうことになりかねません

確かに英和辞典を使用して英文の理解をすることにすれば、学習に必要な時間は少なくて済むかもしれませんが、日本語に訳してから解釈したのなら、英文に戻って、英文だけを見て、英文としてその文の意味を理解できているか確認するべきです

英英辞典の使い方のおすすめとしては、英英辞典をまず使い、英文の理解をします。英文が理解できたと思ったら、そこで英和辞典の力を借りて、英文の解釈が合っていたかどうか確認するという作業です。英英辞典を引くことで、訳すということをする危険性が低くなり、英語を英語のままで解釈するということができるようになります

大学受験などでは、訳す問題が出題されると思います。訳すというのは英文を理解するというのとは違うスキルなので、それはそれで学習が必要です。つまり、受験では英文を解釈するという問題と訳すという問題があるので、それぞれの学習が必要だということです。それを踏まえて、英和辞典と英英辞典をうまく使い分けてみてはいかがでしょうか。

バックナンバー

著者略歴

  1. 横本 勝也

    上智大学 言語教育研究センター講師
    カリフォルニア州立大学サクラメント校大学院 修了(MA in TESOL)
    専門は、第二言語習得、英語発音教育。
    著書に、『TOEIC TEST鉄板シーン攻略 文法・語彙』(Japan Times)、『究極の英語ディクテーション Vol. 1』(アルク)、『2カ月で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト 730点! 残り日数逆算シリーズ』(共著、アルク)、など

ジャンル

閉じる