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教えて、先生!英語学習お悩み相談室

Q.51「返答が”OK”ばかりになってしまう…」、Q.52「映画で英語を勉強する時の方法は?」

この連載では、英語学習に悩みを抱える読者の方のご質問に横本先生が懇切丁寧にお答えしていきます。先生へのご質問はこちらから。お気軽にご応募ください。
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Q.51「返答が”OK”ばかりになってしまう…」

 英会話教室に通っている社会人です。先生と会話していて、相手の言っていることは理解できるので“OK”と答えがちなのですが、どうしても返答がOKばかりになってしまいます。洋画などを見ていると、答え方は様々で“Fine”や“All right”などの返答もあると思うのですが、どうしても咄嗟に日本語でもよく使うOKを使ってしまいます。

 もちろんその時の会話の状況によって受け答えは変わると思いますが、もう少しネイティブっぽくバラエティに富んだ返答が出来るようになりたいです。

 どうしたら良いでしょうか?また、先生がよく使う答え方があれば教えて下さい。(みちこ、28歳。会社員)

 

シチュエーションに合わせた表現を!

 OKという表現は日本語でも使えますし、どうしても多用してしまいます。私も実は知らず知らずのうちにOKをかなり多用しているようです。時々、研究のために自分の授業を録画して見るのですが、見る度にOKという言葉を発する回数が多いことに驚きます。だから言うわけではないですが、まず、OKという言葉を頻繁に使うことは決して悪いことではないので、あまり避けようとしなくてもいいと思います。

 

そうとはいえ、他の表現を学習することはとてもよいことなので、いくつか紹介させてください。

 

相手の話が何か嬉しくなるような内容の場合:

(That) sounds great!

(That) sounds fantastic!

などと言えるといいと思います。

 

また、相手の話している内容が特に笑える場合:

Oh, that’s funny!

Oh, that’s hilarious!

などと言って一緒になって笑うといいでしょう。

 

逆に、相手の話していることが変な内容で同意する場合:

Oh, that’s strange.

Oh, that’s absurd.

などと言うことができます。

 

また、相手の話している内容が何かの指示のような場合:

So, do you want me to …?

So, should I …?

のように指示内容を確認する受け答え方をするといいでしょう。

 

あまり深い意味のない相づちのような場合:

(That’s) interesting.

Is that right?

などで切り返すと無難です。

 

また、内容が少し驚くような内容の場合:

You must be kidding!

That can’t be true!

などと言い返すと驚きの気持ちが伝わります。

 

そして、提案などを受け入れる場合:

(That) sounds great!

(That) sounds like a plan!

などのように提案に対してそうしましょうという意味の返答になります。

 

 このように、OKというのは、シチュエーションによって意味が変わってしまうので、それぞれのシチュエーションに合わせて言葉を選んで返事できるように少しずつ練習していきましょう。 

 咄嗟に出る表現は流暢さに関わるのですが、繰り返し練習することで自動的に決まり文句が口から出てくるようになるので、シチュエーションとセットで練習できるようにしておきましょう。映画やドラマを見ていて、役者の台詞に対して自分の答えを言ってみるなど、工夫して瞬発力を鍛えて実践に備えていきましょう!継続することで必ず口から咄嗟に出るようになります。一つずつでいいのでレパートリーを増やしていきましょう!

 

Q.52「映画で英語を勉強する時の方法は?」

洋画が好きでDVDをたくさん持っているので、それらを使って英語の勉強をしたいと考えています。字幕あり(日本語or英語)で学習したり、字幕なしでディクテーションをするなど、方法は色々あると思うのですが、英単語の勉強・リスニング・スピーキングを強化するには、どのような方法・順番で勉強するのがおすすめですか?

 

決まった方法を続けてみましょう!

 好きな題材を使って学習できるというのは継続に繋がるので、それだけでも効果的だと思います。ただ闇雲に取り組むより、やはり決まったやり方で取り組む方がいいと思うので、私なりに効果的だと思う方法を提案させてください。

 まず英単語学習から始めるといいと思います。英語の字幕ありで映画を観ながら、知らない語句があれば、一時停止して単語ノートに書き取るなどしましょう。辞書を使ってその語句の意味、発音、用法、例文などをしっかり学習しておくことを強くオススメします。語彙の学習が終わったら、字幕なしで観て、学習した語句が登場するシーンが理解できるようになっているかどうか確認します。意味を忘れることも、単に聞き取れないこともあります。いずれにせよ、繰り返し行うことで、意味も発音も定着して、理解できるようになります。

 次にリスニング練習をするといいと思います。発音がわからないと聞き取れないので、単語の発音をしっかりチェックしておきましょう。辞書で発音記号を使ったり、音声機能あるいはDVDの中で実際に使われている発音を聞いたりする学習でも構いません。声に出して発音練習するのも効果的です。ネイティブのような発音を目指すというよりは、それぞれの単語の持つ強弱のリズムをしっかり捉えることがリスニングの学習に繋がります。 

 一通りの単語の発音が分かれば、全体の映画を字幕なしで観てみましょう。どうしても聞き取れない箇所もあると思います。その部分は英語字幕ありで観て、台詞をチェックし、全力で高速音読を約10回やってみてください。聞こえなかった箇所も聞こえてくるようになると思います。高速でやることと10回繰り返すことがポイントで、実際の台詞より自分のスピードが速くなったときに効果を発揮するので、全力で高速を出してください。

 ここまでの英単語とリスニングの学習で、意味がしっかり理解できるようになったら、スピーキング練習をしましょう。ここではシャドーイングをオススメします。シャドーイングというのは、その名の通り影のように、台詞の後を離れないようにしっかりついて行きながら、その台詞と同じスピード、同じイントネーションでそっくりまねする練習です。最初は英語字幕ありでシャドーイングにチャレンジしてみてください。字幕ありでできるようになったら、字幕なしでもできるようにチャレンジしてみてください。

 この方法で語彙学習、リスニング、スピーキングの練習になると思います。何より継続が大切なので、お好きな映画で取り組んでみてください。応援しています。

 

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著者略歴

  1. 横本 勝也

    上智大学 言語教育研究センター 特任准教授
    カリフォルニア州立大学サクラメント校大学院 修了(MA in TESOL)
    ブリストル大学TESOL/Applied Linguistics博士課程修了 (教育学博士)
    専門は、第二言語習得、英語発音教育。
    著書に、『TOEIC TEST鉄板シーン攻略 文法・語彙』(Japan Times)、『究極の英語ディクテーション Vol. 1』(アルク)、『2カ月で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト 730点! 残り日数逆算シリーズ』(共著、アルク)、などがある。

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