Q.147「実例で学ぶ!前置詞と冠詞!!」
新しい部署に配属されて、英語を使うようになったのですが、「at」、「in」、「on」の使い分けがよくわからず苦労しています。「by」と「With」もどう使い分けたらよいのか、ずっと謎です。学校ではごまかしてやってきましたが、仕事などで使っていると相手が「?」となることもあり、きちんと克服したいなと考えています。うまく使い分けができるように、コツのようなものはありますでしょうか。又、冠詞も難しいなと感じています。初めて出てきたものはa/an、二度目以降はtheで使っていますが、同僚に指摘されることもあり、どうしたものかと思っています。こちらもうまい使い方を教えてもらえましたら幸いです。(りん、会社員)
前置詞と冠詞は基本ルールを学習した後、実例から学ぶ
新しい配属先では英語を使用するということなので、英語使用のプレッシャーもあると思います。前置詞も冠詞も使い分けるのはかなり難しいので苦戦するのも納得です。いずれも用法が複雑なので、ここですべてをまとめることはできませんが、基本的な使い分けと、今後の学習方法についてご紹介させていただきます。
前置詞の使い分けについて説明する前に、とても大切なポイントがあります。それは話し手が伝えようとしている内容のイメージです。この内容によって前置詞の使い分けをしているので、日本語から英語に訳すのではなく、必ず伝えたい内容をイメージすることが重要です。たとえば、「ホテル」という名詞ですが、ニューヨークに旅行に行ったときに、ニューヨーク市内の「ホテルに」滞在したことを伝える場合、一般的に思いつくのが、
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I stayed at a hotel in New York. (ニューヨークのホテルに滞在した。) |
という文になります。これは、話し手のイメージが、ニューヨークの地図上にあるあるホテルを指さして、ここに滞在したというイメージを伝えているからです。一方、
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I stayed in a hotel in New York. (ニューヨークのホテルにいた。) |
という文も可能です。この場合、たとえば、ホテルの中にあるプールやレストランで楽しんだことを強調するために、ホテルの外ではなく中にいたことを主に伝える文になります。このように、話し手の意図が重要な意味を持つので、日本語から英訳するのではなく、伝えたい内容を具体的にイメージすることが大切です。
それでは、それぞれの前置詞が持つ意味やイメージを説明させてください。まずatですが、ピンポイントにものを指さしているイメージです。先ほどの例にもあった、
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I stayed at a hotel in New York. (ニューヨークのホテルに滞在した。) |
ですと、話し手の頭の中に地図があって、その地図上のホテルのことを話していることが分かります。他には、
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I had breakfast at 7 this morning. (私は今朝7時に朝食を食べた。) |
ですと、7時という時間を表すのにatが使われています。これは時計の針が7時を指しているイメージがピッタリなので、atが使われます。さらに、
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John was surprised at the speed of the car. (ジョンはその車のスピードに驚いた。) |
という文では、ピンポイントにスピードに関する驚きを表していますし、
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Gina laughed at the joke. (ジーナはそのジョークに笑った。) |
では、笑いの的がジョークになっています。これらの文からも分かるように、atは何かピンポイントに何かを指している、矛先が向かっているイメージを表すときに使用する前置詞です。
それに対してinは話し手の頭の中のイメージでは、なにかに囲まれていることを表します。たとえば、先ほどの例文で使用した、
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I stayed in a hotel in New York. (ニューヨークのホテルの中にいた。) |
という文ですと、壁に囲まれた空間の中という意味でin a hotel、ニューヨーク市という広い空間の中という意味でin New Yorkと表現されています。これとは対照的にatを使用して、
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My brother arrived at New York. (弟はニューヨークに着いた。) |
という文では空間としてのニューヨークではなく、ピンポイントに到着した地図上の場所、たとえば駅や空港などを指すことができます。さらに、時間を表す表現では、
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The next concert will be held in April. (次のコンサートは4月に行われる。) |
のように、月を表すのにinが使用されますが、これはよくあるカレンダーで月は1ページ全部を使うことが多いのでその囲まれた範囲内のどこかでというイメージです。それほど具体的に日が決まっていない場合には、この広い範囲で表現することができますし、もちろんさらに広い範囲の年も、たとえば、
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My sister graduated from Canada University in 2020. (妹は2020年にカナダ大学を卒業した。) |
のように、具体的な日をイメージするというよりは、1年分のカレンダーの中のどこかというようなイメージで、inが使われます。さらに、分野を表すのにもinが使われます。
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I major in Engineering. (私は工学を専攻しています。) |
という文では、inという前置詞が、工学という分野つまり学問の領域を表しています。このように、壁に囲まれた空間だったり、隣の町との境界線に囲まれた空間だったり、カレンダーの月や年という枠に囲まれた範囲だったり、学問などの領域を表したり、何かに囲まれているイメージを持つのがinです。
そして、onが表すイメージはずばり接触です。たとえば、
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The book is on the desk. (その本は机の上にある。) |
という文では、本が机に接触しているため、onが使われます。このonという前置詞はよく「~の上に」と訳されることがありますが、接触していれば横でも下でもonを使用するので、たとえば、
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The clock is hanging on the wall. (その時計は壁にぶら下がっている。) A spider is crawling on the ceiling. (クモが天井を這っている。) |
のように、壁や天井であっても、接触していればonを使用します。また、日付や曜日もonを使用しますが、たとえば、友人の誕生日を忘れないために、壁にかけてあるカレンダーに印をつけるのをイメージするといいと思います。月ではなく日に印をつけますし、印はカレンダーに接触しているので、onを使います。また、何かの効果や影響が他のものに与える場合、イメージとしては、影響を与えられたものに接触しているから効果があったと考えられるので、
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The new medicine had positive effect on skin. (その新薬は肌にいい影響を与えた。) |
というように、onで効果が出た部分を表します。
また、onとinはいずれも乗り物を表す名詞とともに使用されますが、大きな違いは乗り物に乗っているときに立っていられるかどうかです。以下の例文のように、比較的大きく、立ち上がって、乗り物の中を歩いて移動できるような乗り物に乗っていることを表すときには、通常onを使用します。立てば必然的に人と乗り物が接触すると考えるといいでしょう。
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My family met a famous actor on the plane. (私の家族は有名な俳優に飛行機で出会った。) The student was studying on the train. (その学生は電車で勉強していた。) |
これらとは対照的に、比較的小さく、立ち上がって歩くようなスペースのない乗り物の場合には、
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The student was studying in the car. (その学生は車で勉強していた。) The study was studying in the taxi. (その学生はタクシーで勉強していた。) |
のように一般的にinを使用します。
そして、byとwithですが、これは方法や手段を表すときのbyとwithはとても似ているので混乱するのも仕方ありません。この場合のbyとwithの違いは、道具などを表すかどうかです。たとえば、
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The boy wrote a letter with a new pen. (その男の子は新しいペンで手紙を書いた。) My father made pasta with a pan. (父はフライパンでパスタを作った。) |
のように、withの後には使用した道具がきます。これらはそれぞれ、「書く」「作る」という動作を行う中で使用した道具を表しています。一方、
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My mother goes to work by car. (母や車で通勤しています。) |
のように移動の手段を表す際にはbyを使用します。また、道具を使った場合にも、
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My father made pasta by using a pan. (父はフライパンを使ってパスタを作りました。) |
ということができますが、この場合には、ただ作ったのではなく、「フライパンを使った」という道具ではなく手段を強調していて、この場合にはbyを使用します。
冠詞の使い分けとルール
そして、とても難しいのが冠詞です。冠詞のうち不定冠詞aとanを使用する場合には、まず名詞が数えられるものを表す名詞であることを確認することが重要です。すべての名詞についてここで述べることは難しいのですが、基本的には、たとえば、a pen, a table, a bookのように絵に描けるようなものは数えられると考えていいでしょう。これらの物がひとつある場合には、aが必要です。一方、例えばwaterのように、水道から出ている様子やコップに入っている様子など他のものと一緒になっている形でしか絵に表すのが難しいものは数えられません。これは具体的な大きさや形が様々なので、数えられないという考え方で、この数えられない名詞の前にはaやanはつきません。数えられないので、それがひとつあるか複数あるかの区別が不要なので当然といえば当然です。
そして、数えられる名詞につくaですが、母音の前にくるとanになります。これは例えば、an appleのように名詞の最初の発音が母音の場合はもちろんですが、an old penのように冠詞と名詞の間に形容詞がきても、その形容詞の最初の発音が母音であればanを使用します。
さて、冠詞で難しいのはtheの使い方です。これは基本的には、話し手と聞き手、あるいは書き手と読み手の間で、共通の特定のものを指す場合にはtheを使用するというのがルールです。その物が単数であっても複数であってもtheを使用します。この定冠詞と呼ばれるtheは、基本的には特定のものをさすために使われるので、たとえば、the tableという言葉が登場した瞬間、聞き手や読み手は、どのテーブルのことを言っているのか理解している必要があります。以前にこのテーブルの話をしたことがある場合も考えられますし、あるいは、二人がいる部屋にはテーブルが一つしかないという場合も考えられます。その場面によって条件は異なることはあっても、聞き手、読み手にとって、明らかにどのテーブルを指しているのかわかる場合にしかthe tableとはいいません。最初に登場した場合にはaを使用して、二回目以降はtheを使用するという考え方は間違いではありません。ただし、はじめて登場する場合でもtheがつくケースがいくつかあるので紹介させてください。
・ひとつしかないものやひとりしかいない人
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You should not look at the sun directly. (太陽を直接見ない方がいいですよ)。 |
・その文脈では一つしかないもの
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We go to the beach every time we visit our uncle’s house. (叔父の家に行くたび、私たちはビーチに行く。) |
・最上級とともに使われる
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This is the newest building around here. (これはこのあたりで最も新しい建物です。) |
・システムやサービスを表す
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You should report to the police. (警察に届けた方がいいですよ。) |
前置詞にしても冠詞にしても、用法が複雑すぎて、ルールで覚えようとするのは大変ですから、今後英文を読む際には、どのような場面でどのような前置詞が使用されているのか、a, an, theがどのように使用されているのか注意してみることを強くおススメします。基本を押さえた後は、英字新聞などから正しい用法に触れて、どのように使い分けされているのか分析するのがとてもいい学習になるので是非試してみてください。
★編集部より★
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