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教えて、先生!英語学習お悩み相談室

Q.150「英会話での沈黙...気まずい雰囲気を好転させるには?」

長く海外生活をしていた友人がアメリカ人の旦那さんと結婚し、日本に住むことになりました。彼はほとんど日本語が話せないので、英語で会話することが多いのですが、しばしば沈黙ができてしまい、悩んでいます。私自身、留学経験はないのですが、英語に苦手意識はなく、わからない単語はスマホで調べつつですが、言いたいことをきちんと伝えられるように努めています。日本語だとフランクな会話もできるのですが、英語だとそうもいかず、日々模索しています。何かコミュニケーションの際の心構えだったり、使える表現はありましたら、お教えいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。(さち、会社員)


 

沈黙が訪れたら、どうするか!

身近に英語の先生ではないネイティブスピーカーがいて、会話をする機会があるのは本当に稀なことだと思います。この機会をぜひ有効活用したいですが、そのように英語で話す機会が多ければ多いほど、沈黙の時間があると余計に気になってしまうかもしれません。お互いのことをまだあまり知らないために沈黙が多くなってしまうのは、ある程度は仕方ないことではあります。ですが、それほど心地のいいものではないとお察しします。ここでは、沈黙になりそうな時に使える切り抜き方をいくつかご紹介させてください。

 

はじめは日本のことについて話してみよう

相手の方が日本人と結婚されたとはいえ、日本の文化についてはまだまだ話すことがあると思われます。そこで、まずは日本のこと、たとえば生活のことついて紹介してあげるのはいかがでしょうか。日本のことについてある程度詳しいようでしたら、日本の歴史、古くからある有名な寺院、あるいは歌舞伎などのような伝統芸能について説明するのも、おそらく興味を持って聞いてくれると思います。ですが、カジュアルな会話の中で話題に上がるようなものではないので、最初はかしこまってそうした日本の伝統を伝える必要はないと思います。もう少し気楽に考えて、たとえば、日常の生活の中で起こり得る日本独特の暗黙のルールなどについて話すのもおすすめです。そのアメリカ人の方が、実際にそのような場面に出くわした経験もあるかもしれませんし、これから経験する可能性もあります。実際に経験しそうなことについて紹介するのが、内容的にも話しやすいでしょうし、聞き手も実用的な情報を得られるという利点があります。

 

相手の経験を尋ね、フォローアップ質問をする!

いずれにしても、どのような話題を話すにしても、話の展開があるので、まずクッション言葉を使って、スムーズに話題を変えるといいでしょう。

新しい話題を始める際には、以下のような表現があります。

 

・By the way, …

 (ところで… )

・Totally unrelated, but …

 (全く関係ないんですが、…)

 

また、何か話していた内容に関連した話題に変えていく際には、

 

・Speaking of which, …

 (そういえば、…)

・That reminds me, …

 (そういえば、…)

 

などの表現が便利です。

そして、クッション言葉の後に続ける話題ですが、日常生活のことを話す際には、経験について尋ねることが多いので、現在完了形を使用した疑問文から話し始めるといいでしょう。また、英語では大まかな内容を話してから詳細へと移っていくほうが自然な話の流れになるので、まずは大まかな質問からするといいでしょう。

 

・By the way, have you been to restaurants in Japan?

 (ところで、日本のレストランに行ったことはありますか?)

・Totally unrelated, but have you separated garbage?

 (全く関係ないけど、ごみを分別したことありますか?)

 

たとえば、お風呂の話をしていたとして、

 

・Speaking of which, have you been to public baths?

 (そういえば、銭湯に行ったことありますか?)

 

といったように、まずは大まかな経験を聞く質問をしていきましょう。

そこからすこし詳しい話へと変えていきたいのですが、その際に重要になってくるのがフォローアップ質問です。このフォローアップ質問が使えるようになると、うまく会話が続いていきます。

最初の大まかな質問に対する返答次第ですが、たとえば、先の例文の「日本のレストランに行ったことはありますか?」の質問に、「レストランに行ったことがある」と答えた場合ですと、

 

・Have you used tablets or QR codes to order at restaurants?

 (レストランでタブレットやQRコードで注文したことはありますか?)

・Did you find it difficult to order?

 (注文するのは難しかったですか?)

・Which do you prefer, using tablets or asking servers to take orders?

 (タブレットを使用するのと接客係に注文するのではどちらが好きですか?)

 

といったように、さらに詳細を聞き出す質問をしていくことができます。

例文のゴミの分別の話をさらに続ける場合ですと、たとえば、

 

・Have you had difficulties with separating garbage?

 (ごみの分別で苦労したことはありますか?)

・Do you know packages have waste sorting labels?

 (パッケージにゴミ分別の表示があるのを知っていますか?)

・Which kinds of waste are difficult to sort?

 (どの種類のごみの分別が難しいですか?)

 

というようにさらに詳しく聞くことができます。また、先ほどの例文の銭湯について話を続けた場合ですと、

 

・How was your public bath experience in Japan?

  (日本の銭湯の経験はいかがでしたか?)

・Was there anything surprising about the public bath?

 (何か銭湯のことで驚いたことはありましたか?)

・Did you notice any differences between Japanese and American baths?

 (日本とアメリカの風呂には何か違いがありましたか?)

 

というようなフォローアップ質問ができると思います。このような質問をしていくことで、少しずつ話を展開していくことができ、沈黙も少なく済ませることができるでしょう。

 

詳しく尋ねる練習を、隙間時間に!

また、フォローアップ質問の利点は、相手の話に興味を示すことができる点です。日本語で話をしているときには、何も考えなくても自然とフォローアップ質問が出てくるのではないでしょうか。その話題についてもっと聞きたいという意志表示がうまくできる方でも、英語となると、英語で理解すること、英語で話すことそのものに集中してしまって、うまくフォローアップ質問ができないことがよくあります。

ちょっとした隙間時間で構いませんので、フォローアップ質問を英語で考える練習をすることをおすすめします。楽しみながら毎日やることが重要なので、たとえば「2分間にいくつフォローアップ質問が思いつくか」という練習を毎日一回やるだけでも十分です。それを繰り返していけば、どのような話題だとフォローアップ質問がうまくできるのか、自己分析ができるようになり、今後の会話に役立ちます。

 

Yes/Noで終わらない質問文で趣味を聞いてみよう

ここまでは経験についての話題でしたが、日本での滞在が長くなればなるほど、経験についての話題も尽きてしまうと思います。そういう場合にも役に立つのが、趣味の話です。お互いのことをよく知るためには、趣味、あるいは趣味とはいかなくても興味のあることについて聞くことも重要になります。

たとえば、“Do you like sports?” のような比較的簡単なYes/No疑問文を使用しても、相手はネイティブですから、スポーツ関連の話を付け加えて、詳しく説明をしてくれることが多いと思います。この場合、沈黙にならずに済むかもしれません。ですが、答えがひと言では終わらない疑問文を使用すると、相手も話を続けやすくなります。趣味の話の場合でも、やはり最初は大まかに、

 

・What do you like to do in your free time?

 (時間のあるときには何をしますか?)

 

と聞くと、趣味の話に入りやすいでしょう。これによって、相手の方が何に興味があって、休日の楽しみ方などが知ることができるので、さらなる質問がしやすくなります。たとえば、野球が好きというような話になったら、

 

・Which team do you follow?

 (どのチームをフォローしていますか?)

・Have you watched baseball games in Japan?

  (日本で野球の試合を見ましたか?)

・What do you think about professional baseball in Japan?

 (日本のプロ野球についてどう思いますか?)

 

というようなフォローアップ質問が使えます。

また、もし相手が趣味で旅行するのが好きだと分かったら、

 

・How often do you travel?

(どれくらい頻繁に旅行にいきますか?)

・Where have you traveled recently?

  (最近はどこへ行きましたか?)

・Among the cities you have been to, which one would you recommend the most?

 (これまで行った都市の中で、どこが一番おすすめですか?)

 

というように話を盛り上げていくことができます。このようにフォローアップ質問を使うと、さらに詳しい内容の話ができ、会話の盛り上がりが期待できます。

 

詳しくない事柄こそ、積極的に質問を!

ところが、最初の質問に対する返答によっては、相手の趣味について、自分があまり知らない場合もあります。その場合、とっかかりが分からないので、フォローアップ質問をするのは、かなり難しくなるかもしれません。そうした場合には、まず興味を持って、相手の話を聞き、しばらくしたら次の話題に転換していくといいでしょう。

興味を持って相手の話を聞くというのは、英語力に関係ありません。まず、アイコンタクトや身振り手振りでその姿勢を示すことがとても重要です。相手の趣味の話なので、おそらくとても楽しそうに話すと思います。それに合わせて、できれば自然な笑顔で、相手の話を聞くことがとても大切です。また、日本語で話す際にも同様ですが、共通の趣味の話ではない場合には、どうしても話すほうがその分野に詳しく、聞くほうが理解できないことが話に登場することが少なくありません。そのような場合には、遠慮しないで質問しましょう。もちろん、英語力が原因で理解できない場合もありますので、その場合にも相手の話を理解したいという意志を示すという意味でも、積極的に質問することが重要になります。

たとえば、そのような時には、

 

・What did you just say?

 (今何と言いましたか?)

・Sorry, but I’m not sure what XXX is.

 (すみませんが、XXXが何かよくわかりません。)

・What does XXX mean?

  (XXXはどういう意味ですか?)

 

以上のようなフレーズを使ってみてください。このように理解できなかったことを放置せずに質問してみるというのも、相手の話に興味を示す方法として、コミュニケーション上とても重要なスキルとなります。

そして、ある程度新しいことを学んだら、別の話題に移るのがよいでしょう。たとえば、

 

・That’s interesting. I should learn more about XXX. Thank you. What else do you like to do in your free time?

 (面白いですね。XXXについてもっと学ぶべきですね。ありがとうございます。他に時間のあるときにすることは何ですか?)

・That’s good to know. Anyway, I was thinking about YYY….

 (それはいいことを知りました。それはさておき、YYYのことを考えていたんですが…。)

・I’ll have to think more about that. On a different note, ….

  (それについてもっと考えないといけませんね。話は変わりますが…。)

 

このように、まず今の話していることに関して簡単なコメントをしてから、次の話題に移るのがおすすめです。この際、相手に別の趣味について聞いてもいいですし、自分の趣味について話し始めるのもいいと思います。

 

比較を通してsmall talkの引き出しを増やそう

このようなコミュニケーション上のテクニックは話題に限らず使用できますが、話題の引き出しを増やすことも重要になります。相手がアメリカ人なので、日本とアメリカの比較ができるようになると、会話がスムーズに進められるようになると思います。

たとえば、車の運転を話題にしても、日本では右ハンドルで、ウィンカーは右側、ワイパーは左側についていますし、左側通行をしています。ですが、アメリカではすべて逆なので、運転のときに多少混乱することもありますから、その経験について話すのも日常的なsmall talk(世間話)として十分成り立ちます。日米の比較をすると、身近なことでも面白い話題に発展することも多いので、ぜひ普段から意識的に話題の引き出しを増やそうとしてみてください。

冒頭にも書きましたが、英会話の先生とは違う、いわゆる友人としてのネイティブの方と話す機会は本当に貴重な機会です。いろいろなsmall talkを楽しみ、友人関係も深めつつ、英語力もアップさせましょう。

 


★編集部より★

英語学習に質問やお悩みのある方は、ぜひ横本先生にご質問をお寄せください。一人で考えて答えが出る悩みもあれば、悩み続けて時間が経ってしまうことも多いと思います。ご質問はこちらから。ぜひお気軽にお聞かせください!

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著者略歴

  1. 横本 勝也

    上智大学 言語教育研究センター 准教授
    カリフォルニア州立大学サクラメント校大学院 修了(MA in TESOL)
    ブリストル大学TESOL/Applied Linguistics博士課程修了 (教育学博士)
    専門は、第二言語習得、英語発音教育。
    著書に、『TOEIC TEST鉄板シーン攻略 文法・語彙』(Japan Times)、『究極の英語ディクテーション Vol. 1』(アルク)、『2カ月で攻略 TOEIC(R) L&Rテスト 730点! 残り日数逆算シリーズ』(共著、アルク)、などがある。

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