Q.152「TOEICのリーディングを早く読むには、日常でどんな練習すればいいか?」
今までTOEICを重視して勉強をしてきました。今のスコアはリスニング350、リーディング310です。リーディングが苦手で、特に最後のPart7まで結構必死に解いていて、ぎりぎりに終わるか、勘で解いてしまうことも少なくありません。英文を早く確実に読めるようになりたいのですが、どのように練習していったら良いのでしょうか。TOEICの勉強にすこし飽きてしまったことと、これまでに読んできた英文の絶対量が足りないと思い、洋書(ビジネス書)を買って読んだりしているのですが、読むのにとにかく時間がかかり、あまり効率的ではないかなと感じています(内容は面白いです)。TOEIC対策をするなら、やはり技能別の対策本をこなしたほうがよいでしょうか。日常的にできる良い方法はありますでしょうか。
語彙力をつけながらスピードアップのトレーニングを!
TOEICの学習を長くされているのでしょうか。合計660点を取得されていらっしゃるので、英語の基本的な文の構造などはすで理解しているのだという前提で、今回はリーディングの学習方法についていくつか紹介させていただきます。
TOEICリーディングの位置づけと現在の実力
TOEICのリーディングは問題数も相当ありますし、読む量もかなりありますから、最後までしっかり読んで問題を解くとなるとかなり高いレベルのリーディング力が必要になります。これまでもTOEICというテストの特徴について何度か説明させていただきましたが、TOEICには、たとえば、リーディングセクションで100点を取得する受験者が正解できる問題から、490点を取得する受験者でも正解できない問題までが混在しています。したがって、現在のスコアが310点ということは、全問題のうち約6割を正解している、つまり全体の4割程度は理解できていない可能性が高いということになります。どれだけ高い目標があっても、理解できない難しい教材を使用し続けるのはそれほど簡単なことではありませんし、TOEICで扱われる内容は、必ずしも読んで楽しめるものではありませんから、飽きるのも仕方ないと思います。それでも、TOEICのスコアアップを目指すという目標があるのであれば、やはりTOEICの教材で学習することをおすすめします。仕事上で英文メールを読むことが多い方や、英語で書かれたイベントの案内や広告を日常的に目にするというのは、日本にいながらでは難しいので、TOEIC用の教材を用いることが直接対策に繋がることは否定できません。
テスト対策だけでは届かない「実践的リーディング力」
ただし、実践的なリーディング力アップということを考えると、TOEIC対策だけでは物足りないかもしれません。もちろん読むという作業をしますから、TOEIC対策だけでもリーディング力が多少はアップすると思いますが、TOEICには、実社会では少なからず目にするあまり平和ではない暴力的な出来事や、人の怪我や死、あるいは政治や宗教に関する内容は一切登場しません。テストですから、人を傷つけない内容ばかりが厳選されているのは仕方のないことですが、新聞、雑誌、ニュースなどに登場する内容には、残念ながらあまり平和ではないことや、政治的な内容が含まれることも多いので、TOEIC対策だけでは、実社会に出回っている英文を網羅するのは若干無理がありそうです。したがって、今すぐ目標スコアが必要でない場合には、楽しみながらリーディング力を上げて、その後TOEIC対策の学習をするのも悪くありません。リーディング力、特に読むスピードを底上げするためには、いくつか重要なポイントがありますので、ここで紹介させてください。
語彙力アップのための「時間差復習」
最初にやることは語彙力をアップするこです。これはリーディングに限りませんが、語彙力が上がれば必然的に総合的な英語力が上がりますし、もちろん文の理解力も読むスピードも上がります。人によって語彙の覚え方は様々ですが、これまでの学習経験からご自身に合ったと思われる方法で継続的に語彙学習をしてみてください。英文を読んで、知らない単語や熟語などが登場したら辞書などを用いて調べて、語彙ノートに書き込むのもいいですし、単語カードを作成するのもいいですし、最近では単語学習用のアプリもありますから、気軽に語彙学習ができます。電車での移動時間などでも、風呂あがりの10分間だけでも、この語彙学習を毎日継続すると、かならず成果が出ます。
語彙学習で重要なのは、時間を空けて復習することです。短時間に詰め込むことも悪くはないのですが、よほど記憶力が優れた方でない限り、すぐ忘れてしまいます。学習した語彙の記憶を定着させるために、少し時間を空けて復習することによって学習効果を高められます。まだ覚えたての単語に関しては2~3日空けて復習して、覚えているかどうかチェックします。覚えていなかったら、その場で再度覚えて、2~3日後にまた復習し、覚えていたらさらに長い時間を空けて1週間後に再度復習して、そこでも覚えていたらさらに2週間後にチェックというように、少しずつ復習するまでの期間を延ばしながら反復するのが効果的です。例えば最初に覚えた日が、1月1日だとします。最初に覚えた日にはその単語の隣の余白に「1/3」とメモをしておきます。1月3日には「1/3」と書いてある単語だけを復習し、覚えていたら、今度は「1/10」とメモを残し、覚えていなければ「1/5」とメモをしておきます。1月5日の復習の際には、この「1/5」と書いてある単語だけを復習するというように、覚えていたかそうでないかによって、次に復習する日付を変えてメモしておくと、次復習する際に、その日の日付があるものだけを復習すればいいことになりますから、おすすめです。
語彙と構文を丁寧に確認する精読のすすめ
この語彙学習で使用する語彙は、精読する読み物から得るのが望ましいです。精読というのは、一字一句丁寧に読み込んでいくリーディングの学習方法です。ここでは、わからない語彙をしっかり調べて理解して、文の構造なども併せて学習していきます。中学や高校の英語の授業では教科書にあるパッセージを使用して、新出単語や文法事項を学習したと思いますが、まさにそれが精読です。今お読みになっているビジネス書は内容が面白いとのことでしたので、じっくり時間をかけてそれを読むのもいいと思います。ただし、1冊分精読を続けるのはかなり時間がかかりますし、抵抗があるようでしたら、オンライン上で読めるニュースの記事などもおすすめです。ニュースでなくても、たとえば、睡眠の質を上げる方法についての記事や、幸福度をあげるためのコツに関する記事など、あらゆるトピックの記事があふれていますから、何か一つダウンロードして、それを使うのもおススメです。ご自身の興味のある内容の記事がいいので、キーワードで検索して、タイトルを見て、全体をざっと見たところ面白そうな内容の記事を使用すると、それほど苦にならずに学習ができると思います。精読を通して語彙学習をしたいので、難しいと感じるレベルの記事を使用するといいでしょう。
精読する記事が決まったら、そのページを保存しておくか、ワードなどに張り付けて、再度その記事を読めるようにしておくことが重要です。記事を読み進めながら、知らない語彙が出てきたら、しっかり調べて、語彙ノート、単語カード、あるいはアプリなどに書き入れていきます。この際、記事には直接なにも書き入れないのがコツです。再度読み返すときに、メモ等があると、それを頼りに読んでしまうので、学習効果が半減します。先ほど紹介した語彙学習で覚えた語彙が、記事の中で使用されている状態で再度読むということが重要なので、語彙学習を終えたら、メモ等がなにもない状態の記事を最低1度は読んで、文意をしっかり理解できたかどうか確認してください。
辞書を引かずに「大量に読む」トレーニングも!
そして、読むスピードを上げるには、精読と同時に多読も是非取り入れてみてください。多読というのは単語等を調べなくてもスラスラ読めるレベルの読みものを大量に読む学習方法です。知らない単語が登場しても調べることなく読み進めることで学習効果が期待できるので、1ページの中に知らない単語がいくつも登場するような読みものは多読の学習には不向きです。1ページ内に知らない単語が、多くても1~2語ぐらい程度の読みものを探してひたすらたくさん読んでみてください。内容理解が難しくないので、どんどん読み進められますし、初級者用、中級者用の多読用の教材は比較的短いので、何冊も読めるはずです。よく多読で使用される教材では「Graded Readers」というものが市販されています。手に取ってレベルの確認をしたいので、洋書を多く取り扱っている書店に行って実際にレベルを確かめるといいと思います。オンライン上で読めるものもあるので、とにかく簡単なものを大量に読むことが重要です。この「Graded Readers」を読む際にはそれほどじっくり読むというより、スラスラ読み進めると学習効果が期待できます。
そして読むスピードを上げるためには、時間を測って練習することが重要です。Readingのスピードを上げるために作られた教材で、あらかじめ語数がほぼ一定の読みものを集めたテキストもあります。一般的に教材には読解問題がついているので、時間を測って、読解問題をやってみて、実際に理解できていたか確認もできます。そして各読みものの語数がほぼ変わらないので、読むスピードを計算しなくても、読むのに要した時間だけを記録すれば、自分のスピードがどのように伸びたか把握できるという利点があります。
そのような教材を使用しなくても、1分間当たりに何語ぐらい読めるのかを計算して記録をつけていくことで十分学習は進められます。読む記事が何語含むのかが把握できれば、スピードに関しては記録できます。ただし、読むスピードは記事の難度に依存しますから、オンラインの記事などを使用する場合、使用されている言語のレベルをある程度一定にしないと、学習効果を上手く実感できないこともあります。できれば、様々なトピックについての多くの記事が掲載されているウェブサイトなどがいいでしょう。たとえば、無料のオンライン新聞で「The Guardian」がありますが、「The Guardian」全体で、使用言語のレベルがある程度統一されているので、単語数さえわかれば、スピードの記録をつけることができます。単純にオンラインの記事をワードのようなものに張り付けて単語数を数えて、読み終えるのに要した時間で割って、1分間当たりに読めるワード数を記録しておきましょう。これを毎日続けると、1か月後くらいには読むスピードが上がっているのが目に見えて実感できて、その後の学習のモチベーションにも繋がります。
語彙も精読も多読も時間を測る練習も継続することで効果が得られるので、楽しみながら毎日継続してみてください。全力で応援しています。
★編集部より★
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